【完結】僕のピアノよCEに響け。逆行したニコルが絶望と悲しみの世界をやりなおします。   作:屠龍

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今回はザフトレッド5人の初顔合わせです。
書いてて思いましたがイザークが動かしやすくて可愛いですね。
愛されるキャラです。


第5話 ザフトレッド

 第5話 ザフトレッド

 

 座学試験は無事に終了した。

 事前にアスランと一緒に勉強したからだけど、ニコル自身もよくできたと思っている。

 午後はシュミレータを使ったMS模擬戦を行う予定だ。

 これで好成績を修めれば成績順に任官になる。

 本来ならザフトレッドは各部署が欲しがる逸材なので、別々の部署に任官されたけど前世ではニコルとアスランはクルーゼ隊に配属された。

 ただこの世界は微妙に異なっているから、もしかしたら別の隊に離れ離れになるかもしれない。

 その場合はどうしようと考えにふけっているニコルの隣で喧嘩騒ぎが起こっているのは見なかった事にしたい。

 

 「どうして俺と貴様が同じチームなのだ!!」

 

 「嫌なら棄権すればいいだろ」

 

 チームはニコルとアスランとイザークとディアッカとラスティ。

 ニコルはイザークの怒鳴り声とディアッカの斜めに構えた口ぶりに懐かしさを感じた。

 ラスティはムードメーカーな性格というのか、場を和ませたり笑わせたりするのが得意で女子に人気がある。

 ニコル自身も少し落ち込んだ時に話しかけてくれたりしてくれたから好印象だ。

 ニコルもいれた5人は全員成績優秀者だから一緒にされたのだろうか。

 

 「大体貴様は前から気に食わんのだ!!いつもいつも俺が一位を取ろうとする科目を尽く!!」

 

 「自分の努力不足を人に当たるのはよくないぞ」

 

 怒鳴るイザークを相手にせずアスランはニコルを抱き寄せた。

 ───え?

 

 「ニコルも最初はそんなに才能に恵まれなかった。だが必死になって勉強し身体を鍛えてザフトレッドの候補に選ばれた。ニコルを甘く見ているとザフトレッドも取られるぞ」

 

 「ぐぬぬぬぬ」

 

 イザークはよく怒鳴ってるけど話が分からない人物じゃない。

 努力家で真面目でプライドが高い。

 だから先ほどまでの発言が間違っている事を理解したのだろう。

 ───可愛いかもしれない。

 

 「まあまあ落ち着けよイザーク。折角同じチームになったんだから勝てるチームにしようぜ」

 

 ラスティが上手くまとめてくれた。

 確かにそうだ。

 この試験に合格できなければザフトレッド───アカデミー上位10人だけが身につけられる赤色の軍服を身につけられない。

 軍で出世したいからじゃなくて、権限が増せば出来ることが増える。

 それが少しでも戦争終結になれば。

 「まずリーダーを決めないとな」

 

 そうディアッカが言うとみんな悩みだす。

 アスランは能力は申し分ないけど口下手で説明するのに慣れていない。

 イザークも能力は申し分ないけど性格がね。

 ───イザークの将来性に期待。

 ディアッカはリーダーになる気がないだろう。

 イザークの扱いは慣れてるだろうけどアスランとあまり付き合いがないから難しいと思う。

 ニコルは自分自身をよく知っている。

 

 (無理無理!!僕は誰かに命令するとかの器じゃない)

 

 アスランとラスティは従ってくれるだろうけどイザークとディアッカとの面識はこの世界ではほぼ無い。

 前世でもニコルはイザークとディアッカに距離を取られていた気がする。

 年若いから見くびられていたのかと思うのは間違いだろうか。

 

 「俺で良ければ引き受けるぜ」

 

 皆が悩んだのを見たラスティが立候補する。

 ラスティなら全員と顔見知りだし性格も把握してる。

 能力も申し分ない。

 何より気まずい空気になりかけたのをすぐ見抜いたのは流石だと思う。

 確かに女の子にもてる訳だ。

 

 「それじゃ配置だな。俺の意見だがアタッカーはアスランとイザーク」

 

 「わかった」

 

 「ちょっと待て!!なぜ俺がコイツとコンビを組まねばならんのだ!!」

 「イザークは後ろで大人しくするのは性に合わないだろうし、アスランのMS技術をアタッカーで使わないのは勿体ない」

 

 「俺とディアッカでいいじゃないか!!」

 「ディアッカの射撃能力はサポートに向いている。それともイザークはアスランより能力が劣るのか?」

 

 「そんな訳あるか!!」

 

 「じゃあ決まりだな。俺は指揮官だからミドルでディアッカはサポート」

 

 アタッカーは前衛、ミドルは真ん中で指揮を取る位置で状況次第でアタッカーに加わる。

 サポートは一番後ろの配置。

 主に支援射撃を行う役目で射撃が得意なディアッカにぴったりだ。

 ニコルの配置にラスティは少し考え込む。

 ニコルは接近戦も射撃も出来るけど、特筆すべき能力と言われるとニコル自身でもわからない。

 多分ミドルかサポートだろうなと思っていたらアスランが手を上げた。

 

 「ニコルは遊軍として使うのがいいと思う。ニコルはイザークと違って状況判断が出来るから自由にさせたほうがいい」

 

 「貴様!!それはどういう意味だ!!」

 

 「まあまあ落ち着けイザーク。ニコルが遊軍か、いいかもな」

 

 遊軍とは普段は待機していて状況次第で攻めにも守りにも動く役目。

 攻守両方が出来て状況判断が出来る人がいい。

 アスランが一番向いているけどイザークの抑え役を引き受けてくれたのだろう。

 ニコルがイザークの抑え役が出来ると思えないし、型にはまると目立たないニコルの特性をよくわかってくれている。

 アスランはニコルにザフトレッドを取らせたいのだ。

 この模擬戦で戦果をあげれば教官たちの評価も上がるだろうし、アスランも含めてここにいる5人は全員ライバルだ。

 アスランは自分が不利になるのをわかっていてニコルの得意な配置に誘導してくれた。

 ニコルはアスランに微笑むとアスランも口元だけで笑っていた。

 血のバレンタインでお母さんを亡くしてからアスランは笑わなくなったという。

 でもニコルの前でだけ笑ってくれる。

 

 「貴様!!その含み笑いはなんだ!!」

 

 「別に意味はない」

 

 「まあまあイザーク落ち着けって」

 

 アスランの笑みにイザークが突っかかりディアッカとラスティがイザークを落ち着かせる。

 先ほど結成したばかりのチームなのに意外と上手くいくかもしれない。

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