【完結】僕のピアノよCEに響け。逆行したニコルが絶望と悲しみの世界をやりなおします。   作:屠龍

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第二ラウンドの開始です。イメージ的には何度撃退しても押し寄せてくるアメリカ軍をイメージしてます。大西洋連合はアメリカでユーラシア連邦はロシアのイメージですしね。第一ラウンドで力押しして失敗しましたから、もっと物量で押しつぶそうという大変頭が悪い戦い方ですが戦争は基本数が多い方が勝ちます。補給とか補充は書いた通りですね。


第79話 激戦

 第79話 激戦

 

 「さあ第二ラウンドの開始です」

 

 ムルタ・アズラエルの号令と共に翌日早朝、地球連合の攻撃が再開された。

 傷ついたオーブ軍も反撃し、ここに第二次オーブ攻撃の幕が切って落とされる。

 アークエンジェル艦橋で戦闘指揮をしながらラミアス艦長は違和感を募せていた。

 いくら物量に優位とはいっても輸送艦隊を失って、これほど早く体勢を立て直せるものか?

 その疑問はすぐに解ける事になった。

 CICにいるバジルール中尉から報告が上がる。

 

 「艦長!!地球連合艦隊の後方に大型輸送機が多数接近してきます!!」

 

 「何ですって!?」

 

 地球連合は強引な作戦を実行した。

 ハワイからマーシャル諸島まで物資を運搬し、マーシャル諸島を巨大な補給拠点に作り替え、そこから大量の物資とMSを太平洋艦隊に補給したのだ。

 あまりにもコスト度外視の戦い方にラミアス艦長も唖然とする。

 輸送船なら沈められるが島の補給基地を破壊するのは容易ではない。

 

 「まさかこんな手で来るとはね。自分のいた組織とはいえ呆れたわ」

 

 ラミアス艦長は歯ぎしりしながら悔しがる。

 昨日の戦いはなんだったのか?

 地球連合軍は昨日より数を増していた。

 

 「キラ君、ニコル君、アスラン君、シン君とマユちゃんは迎撃に出て。フラガ少佐、トール君、フレイさんはオーブの防衛に向かってください」

 

 地球連合艦隊は昨日と同じく多数の巡航ミサイルを撃って来た。

 地面を耕すという表現のとおり、迎撃に漏れたミサイルがオーブを襲う。 

 だが、今度は昨日のようにはいかない。

 フリーダムはM100 バラエーナプラズマ収束ビーム砲で、ジャスティスがMA-4Bフォルティス ビーム砲でミサイルを防ぎ、シンとマユを乗せたアストレイ・シェンウーフレームが94mm高エネルギー収束火線ライフルでミサイルを撃ち落とす。

 そして地球連合軍のMS隊も次々と撃墜されていった。

 アークエンジェルに接近する機体は無い。

 ニコルはリジェネレイトの出力を上げてロングビームライフルを連射しながら一気に敵陣深く切り込む。

 ニコルは四本のビームサーベルで敵戦艦を両断する。

 そのニコルにMA形態のレイダーガンダムがビームを撃ちながら接近してくる。

 

 「撃滅!!」

 赤毛のクロト・ブエルの乗るレイダーガンダムは高速で戦場を飛翔し、顔面口部分にある100mmエネルギー砲「ツォーン」でリジェネレイトを狙うが、昨日の戦いでレイダーガンダムの戦い方を見抜いたニコルは冷静に避ける。

 

 「でかい図体なのに生意気なんだよ!!」

 

 クロトは叫びながら攻撃を続けるがニコルはシールドで防ぎながらロングビームライフルで応戦する。

 リジェネレイトのロングビームライフルは、核エネルギーの持つ圧倒的な出力で遠くの護衛艦を沈めた。

 レイダーガンダムに乗るクロトの攻撃を受け止めつつ、レイダーガンダムが接近して来たらビームサーベルで応戦した。

 二機のMSによる攻防戦が続く中、地球連合軍の後方に輸送機から次々と物資とMSが降り立ち始めた。

 

 「貴方の相手をしている暇はないんですよ!!」

 

 ニコルはレイダーガンダムの攻撃に対処しつつ、ロングビームライフルで輸送機を狙う。

 一斉射撃のたびに十数機の輸送機が撃墜されるが地球連合軍は多少の損害を無視してMS部隊を展開しはじめた。

 このままではオーブが落ちてしまう。

 

 「勝負は預けました」

  

 そう言ってニコルはリジェネレイトをMA形態に戻しキラ達と合流しようとした。

 

「逃がすかよお!!」

 クロトは叫びながらニコルを追いかけるがすぐに引き離されてしまった。

 核エネルギーと通常動力の違いは大きかった。

 キラとアスラン、シンとマユの四人はMS形態で戦場を飛ぶ。

 キラのフリーダムはビームライフルを撃ちながら地球連合軍のMS部隊を蹴散らし、アスランのジャスティスはビームサーベルを抜いて接近してくるストライクダガーに切りかかる。

 マユも負けじとビームライフルを撃ってくるストライクダガーを350mmガンランチャーで撃墜した。

 

 「お兄ちゃん後ろはまかせて!!」

 

 「頼むぞマユ、でりゃああああ!!」

 

 シンとマユのアストレイ・シェンウーフレームはミサイルやビームを放ちながら対艦刀を振るった。

 その度にストライクダガーが撃墜されるが敵の数は増すばかりだ。

 フリーダムとジャスティスはビームライフルで輸送機を撃ち落とし、アストレイ・シェンウーフレームはストライクダガーを撃墜する。

 だが敵の数はますます増える一方だ。

 このままではオーブが陥落してしまう。

 アスランの脳裏にカガリの泣き顔が浮かんだその時、アークエンジェルから通信が入る。

 それはラミアス艦長からの撤退命令だった。

 

 「撤退よ!!オーブ本島に多数のMSが空挺降下したわ!!海上迎撃は断念します。直ちにオーブ本島の防衛に向かいます」

 

 アークエンジェルは戦線を離脱してオーブ本島へ向かう。

 その姿を見た地球連合軍は追撃の構えを見せたが、フリーダムとジャスティスがビームライフルで牽制する。

 アークエンジェルは昨日の戦いの経験から地球連合の輸送機を撃ち落とす事を優先していた。

 

 「イーゲルシュテルンは接近するMSに弾幕を張れ。コリントス一番から四番まで装填、ヘルダート、ゴットフリート、バリアント目標敵輸送機。撃てえー!!」

 バジルール中尉の的確な命令に多数の輸送機が搭載したストライクダガーと共に撃ち落とされるがきりがない

 艦橋ではラミアス艦長が悔しそうに歯ぎしりをしていた。

 敵の物量に対抗できない自分の無力さが腹立たしいのだ。

 だが今は撤退するのが先決だ。

 アークエンジェルはオーブ本島に向けて全速力で飛翔する。

 

 その頃カガリも司令部で戦況を見つつ作戦指揮をしていた。

 そして地球連合軍の輸送機から降下してくるMSをモニターで見つめる。

 その数は昨日とは比べ物にならない程多い。

 フリーダムとジャスティスのビームライフルが輸送機を次々と撃墜していくが、それでも敵の数が多すぎて追いつかない。

 アストレイ・シェンウーフレームに乗ったシンとマユもストライクダガーを撃ち落としていくが、敵の数は増える一方だ。

 ストライクダガーがビームサーベルを抜いてリジェネレイトに切りかかる。

 そのストライクダガーをニコルの操縦するリジェネレイトのビームサーベルが切り裂き、爆発する間もなくロングビームライフルで別のストライクダガーを撃つ。

 そしてオーブ本島ではフラガ少佐のストライクとフレイ・アルスターのストライクレッド、トールの乗るアストレイMK-2が次々と降下してくるストライクダガーを迎撃していた。

 しかし敵の物量に圧され、ストライクダガーを撃墜してもすぐに別の機体が降下してくる。

 

 「おいおい、こっちは元味方なんだから手加減しろって」

 

 フラガ少佐が軽口を叩きながら額に汗をにじませる。

 軽口を言わないと心が折れそうだ。

 フレイのストライクレッドも懸命にビームライフルで応戦するが、次々と現れるストライクダガーに対処が遅れた。

 接近してきたストライクダガーが体当たりをしてストライクレッドを転倒させ、ビームサーベルを振り下ろす。

 

 「きゃああああ!!」

 

 そのストライクダガーをトールのアストレイMK-2が撃ったビームキャノンで吹き飛ばす。

 ストライクダガーは爆発四散した。

 

 「フレイ大丈夫か!!」

 

 「こっちは大丈夫!!でもこのままじゃ」

 

 フラガ少佐もフレイもトールも苦渋に満ちた顔をする。

 このまま戦えば押し切られる。

 第二次オーブ攻撃は圧倒的な物量差でオーブ軍が押しつぶされそうだった。

 カガリは前線からゆっくりと部隊を後退させ予備と交代して補給と補充を行う事にする。

 防御に適した山や森に展開したオーブ軍が後退しながら迎撃し、敵の侵攻を食い止める。

 そしてアークエンジェルはオーブ本島の防衛ラインに到達できた。

 

 「カガリさん海上で阻止できなくてごめんなさい」

 

 「いやそれは仕方がない。私もまさかこんな物量で来ると思わなかった」

 

 カガリはラミアス艦長と通信で話し合う事にした。

 モニターに映るラミアス艦長の顔にも疲労の色が濃い。

 それはそうだ、昨日の戦いより激しい戦いをしているのだから疲れない訳がない。

 それでも彼女は気丈に振舞っている。

 カガリはラミアス艦長の精神力に敬意を表した。

 

 「現在の兵力はオーブが一、地球連合が五といった所で我が軍の劣勢だ。このままだと押し切られるだろう」

 

 現況は厳しいの一言に尽きる。

 このまま押し切られればオーブは落ちる。

 そして地球連合にマスドライバーとモルゲンレーテを奪われる。

 その後に待つのは破滅だ。

 プラントも地球連合も宇宙で決戦になるだろう。

 どちらが勝っても憎しみは深くなる。

 それをカガリもラミアス艦長も危惧していた。

 

 アストレイMK-2に乗るアサギ、ジュリ、マユラのアストレイ三人娘も奮闘していたが昨日より増した物量に心が折れそうになっていた。

 三人とも既にエースパイロットと言っても過言ではない戦果を挙げているが負けたら意味が無い。

 アサギがビームバズーカでストライクダガーを撃ち落とす。

 ジュリのアストレイMK-2はビームライフルでストライクダガーを撃ち落とした。

 マユラのアストレイMK-2もロングビームライフルを撃って応戦する。

 だが、敵の物量に押されつつある。

 

 「今日の相手はものたりねえ」

 

 シャニ・アンドラスのフォビドゥンガンダムが三人娘に襲い掛かる。

 フォビドゥンガンダムが巨大な鎌「ニーズヘグ」でジュリ機の左腕をシールドごと吹き飛ばす。

 

 「きゃあああ!!」

 

 「弱ええな」

 

 ジュリ機に止めを刺そうとした時にアスランのジャスティスが上空からビームライフルでフォビドゥンガンダムを狙い撃つ。

 その隙にジュリはアサギとマユラの援護を受け後退した。

 

 「へっ昨日の奴か。うぜえ」

 

 そう言ってシャニのフォビドゥンガンダムが88mmレールガン「エクツァーン」を発射し巨大な鎌「ニーズヘグ」でジャスティスに襲い掛かる。

 絶望的な戦況にニコル達は死を覚悟した。

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