【完結】僕のピアノよCEに響け。逆行したニコルが絶望と悲しみの世界をやりなおします。   作:屠龍

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今回は機動戦士ガンダムSEED ASTRAYという外伝作品に登場する人の愛機が出てきます。
ASTRAYシリーズはオーブとの関連が高くて好きですね。
サーペントテールの面々とかすごく好きですね。
ジャンク屋組も登場させたいな。
SEEDがああなったのは大体サハクのせいの気がします。


第9話 青いジン

 第9話 青いジン

 

 史実通りニコルとアスランとイザーク、ディアッカとラスティの5人はクルーゼ隊長率いるクルーゼ隊に配属された。

 ザフトレッドとはいえアカデミー卒業後すぐに第一戦線に配属される事は異例でしかも、アカデミー上位10位までしか着る事の出来ない通称赤服5人全員同じ部隊とは異例中の異例だ。

 ニコル達5人は親がプラント最高評議会の議員だった事もあって親の七光りと陰口を叩かれている。

 親の七光りでザフトレッドになる事などできないのに酷い言われようだけど政治宣伝の面は否定できない。

 最高評議会議員の子弟が前線へ出るとなれば不公平を唱える声も和らぐという事だ。

 まったくバカバカしいけど親が権力者だという事はそういう事だ。

 

 クルーゼ隊長はいつも仮面をかぶっているがけして話がわからない隊長じゃない。

 指揮官クラスの白服を着ているのは伊達じゃなく指揮能力や統率力、状況判断も見事としか言いようがない。

 理想的な上官で前世のニコルも敬愛していた。

 今もニコルを気遣ってくれている。

 

 「そんなに焦る必要はない。遠からず君たちの活躍する、君たちを必要とする戦場はすぐに見つかるさ」

 

 ニコルとイザークは何度も戦場への出撃を希望しているが今だ籠の中の鳥だ。

 そんなニコルとイザークの肩を優しく叩いてくれる。

 本当に立派な隊長だ。

 前世と同じくクルーゼ隊長の元で戦える事をニコルは誇りに思っている。

 そんなニコル達が命じられた任務は後方の治安維持だ。

 正確に言うと後方の補給基地が何者にか襲撃されて少なからぬ損害を受けている。

 しかも相手はMSだという事だ。

 地球連合にはまだMSは存在しない。

 しかも付近に母艦が存在しない。

 MSに不可欠なエネルギーが枯渇すれば当然MSは動かせない。

 だから近くに母艦がいる筈なのに見当たらない。

 クルーゼ隊長が足を組んで考え込む。

 ニコルは意見具申をする為に手を上げた。

 

 「ニコルには何か気が付いた事があるのかな。なんらかの方法で補給を受けている筈だが不可解な事だ」

 

 「エネルギーパックを追加装備しているのではないでしょうか?」

 

 「なるほどよい推理だ。だがニコルそれでは操縦に支障が出るだろう。それをどう補っていると思う?」

 

 「相手の目的はあくまで動かない補給基地であり、MSとの戦闘を考慮していないのではないでしょうか」

 

 ニコルの答えにクルーゼ隊長は頷く。

 決断が速いクルーゼ隊長はすぐに対応策を練った。

 

 「ミゲルとニコルに周囲の索敵をしてもらう。次に狙われると思われる補給基地の目星はついている」

 

 そう言ってクルーゼ隊長はいくつかの補給基地を索敵範囲に指定した。

 高速のナスカ級戦艦ヴェサリウスで迅速な動きが得意のクルーゼ隊は虱潰しという言葉通り補給基地を巡回し、ついに見つけた。

 

 「クルーゼ隊長。前方の補給基地周辺にジンと思われる機体を発見しました。やはり母艦の姿は見えません」

 

 「どうやらニコルの予想は当たったようだな、ミゲルとニコルを出撃させろ。他の者は待機。敵はおそらくMSに追加エネルギーパックを積んでいるはずだ。ミゲルは敵機をヴェサリウスに追い込め。そこをニコルが止めをさす」

 

 ニコルは先輩のミゲルと一緒に出撃した。

 ニコルの乗るのはザフトの主力MSのジンでミゲルのMSはミゲル専用のMS。

 黄昏の魔弾と呼ばれるエースパイロットのミゲルはオレンジ色の専用機を持つことが許されている。

 ミゲルのジンは運動性と速度に優れているので相手が普通のジンなら追いつけるだろう。

 ジンはプラントにあるハインライン設計局という部署で開発された。

 ニコルの父、ユーリ・アマルフィが代表を務めるマイウス市に本拠地を持つ。

 ザフトのMSの殆どはマイウス市にある設計局で開発された

 ハインライン設計局───主力量産機ジン。後継機で大気圏戦闘が得意なシグー

 アジモフ設計局───四脚動物型で地上軍主力のバクゥ。指揮官機で複座のラゴゥ

 クリーク設計局───水中戦が得意なグーン。

 ヴェルヌ設計局───小型の宇宙船や航空機。

 ウエルズ設計局───火器類開発。

 

 マイウス市を代表する父の元には沢山の技術者が訪れてニコルもよく話をしたものだ。

 そういえば風変わりな人がいたのを思い出す。

 早口で頭の回転が速く相手が誰だろうと言いたい事を言うので、若き天才技術者で変人と呼ばれていた。

 アルバート・ハインラインという名前の技術者だ。

 ニコルも話す機会があり色々質問したけど、あの時のニコルは世間知らずで知識も乏しくて彼に相手にされなくて落ち込んだ。

 今なら彼と連合の製造しているガンダムについて意見が聞けるかもしれない。

 ブリッツガンダムのデータを贈れば喜んでもらえるだろうか?

 そんな事を思いながらジンを駆るとミゲルから通信が入ってくる。

 

 「見つけたぜ。隊長の言った通りエネルギーパックを背負ってバズーカを持ったジンタイプだ。装備から拠点攻撃用だな。今から追い込む、ニコル外すなよ」

 

 「了解しました。ミゲル気を付けて」

 

 「おいおいそりゃ俺のセリフだぜ。俺を誰だと思ってる、黄昏の魔弾だぜ」

 

 そう言ってミゲルはバーニアを吹かして青色のジンに向かっていく。

 青色のジンは異様な姿をしていた。

 脚部にスラスターや大型の推進剤タンクを追加装備しているので、一目ではジンと別機体のように見える。

 ジンの特徴である頭に取り付けたセンサーアレイという装置は内蔵され、徹底的に軽量化されている。

 武装はバズーカでMSとの戦闘は考慮されていないようだ。

 ミゲルはジンの主武装であるMMI-M8A3 76㎜重突撃機銃を発射しながら青いジンへ襲い掛かる。

 青色のジンはかなりの腕前で機動力の高さを生かして、オレンジ色のミゲルのジンと互角に戦っていた。

 ミゲルはザフトレッドではないけどザフトエースパイロットで彼と互角というパイロットはそう多くはいないだろう。

 

 青いジンは連合ではないとしたら傭兵か?

 この戦争で正規軍では小回りの利かない作戦に傭兵を使う事は珍しくない。

 傭兵はその名の通り金次第で戦うので昨日の味方が今日は敵というのは日常茶飯事だ。

 だからパイロットとしての技量は高い。

 特にこの傭兵の強さは群を抜いている。

 放っておいて良い相手とは思えなかった。

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