ロモスの王子になったので錬金しまくる 作:ダンパラムーチョ(芸人)
前世を思い出してから1か月(30日)がたった。
錬金回復アイテム達の存在を明かすと父上は大層驚いた。そして流通の許可を出してくれた。
最初は効果が万能すぎて庶民から怪しがられてたが、次第に冒険者を中心に広まっていき今ではヒット商品になっている。なお1か月が経ち釈放された偽勇者達は自分たちがソレを開発したと自慢しているそうな。
まあ名声なんかどうでもいい、大事なのはクロコダインから国を守り切れるかどうかだ。
「カマエル王子!蝙蝠の羽を100個ほど置いときますね。さらにベンガーナから50個のキメラの翼の注文があります。これで作ってください」
「了解した。今日中にやっておく」
錬金アイテムの中で一番人気は回復アイテム達ではない。意外にも「キメラの翼」だ。ちなみに錬金レシピは蝙蝠の羽×2だ。カマエル*1なのに何故ドラクエ8の錬金レシピを使っているのだという異論は認めない。
しかし、本編では『ルーラ』に役目を奪われ気味の道具が人気なのは驚いた。
なんでもキメラの翼はキメラが雷に打たれないと作れないらしい*2。そしてこの世界で雷の魔法………つまり『デイン』系を使えるのは竜の騎士だけ。故にドラクエ本編と違って希少性が高いらしい。
確かにダイ大本編でキメラの翼を使っているのはハドラーなどの偉い存在くらいだし、外伝の獄炎の魔王でも名家であるジニュアール家をもってしても保有量は多くないと描写されていたしな。
まあ重要なのはこの世界ではキメラの翼は高く売れるという事実だ。その儲けを財源にロモスの城下町や各々の町を囲う防壁の建築が決定した。これで「ロモス国防計画Ⅰ:防壁を建てよう」は完遂したも同然だ。
後はギラタイル*3とかでもあれば完璧なんだが、まあ流石に無理だな。魔力を蓄積する聖石の加工はアバンじゃないと出来ない。つまり『錬金』の力の守備範囲外だ。こうなったら彼を招待するのも悪くないな。
「しかしだな………」
「なんです王子?」
「キメラの翼を量産するのが王子の仕事か?」
「仕方ないじゃないですか。錬金を使えるのは王子だけなんですし」
それはそうね。メイドに正論を言われて撃沈してしまう。
他者に業務を委託した………ではなく錬金の力が私一代だけで終わってしまうのは惜しい。なんとかして他者に教えることはできないだろうか。
「城下町の冒険者達は大儲けだそうですね。材料となる『こうもりの羽』を落とすのはドラキー系統の魔物ですので」
「それはなによりだ」
冒険者というものは命の危機と隣合わせな仕事だ、なので基本的に宵越しの銭を持たない。つまり金遣いが荒い。ということは社会に流通するゴールドの量も増えるというわけだ。これは経済が活性化されるな。国民が金持ちになることはいいことだ。
さてと、財源問題は解決した。もうそろそろ次のステップに進んでもいいだろう。
次は武器と装備の錬金だ。
「ブツは用意できたか?」
「はい」
メイドは祈りの指輪を出してくる。ちなみにこれはそこら辺のマドハンドやパペットマンから剥ぎ取ってきたらしい。そして取り出したるは力の種、それらを『錬金』する。
すると………
「出来たぞ力の指輪だ」
「詐欺アイテムを合成して魔法のアイテムを………」
詐欺アイテム、それは「力の種」のことだ。ドラクエ本編世界では力を上げる便利なアイテム扱いだが、この世界では前世で例えるなら水素水みたいなオカルト商品扱いされている。実際、私も検証目的で食べてみたが効果はなかった。だが錬金アイテムとしては効果があったようだ。
「こんなもんじゃないぞ」
力の指輪と皮の腰巻と合わせてパワーベルト。
力の指輪とパワーベルトで
祈りの指輪と素早さの種ではやてのリング。
そしてこれらのアクセサリーは量産できる。兵士達に持たせて戦力の底上げが期待できるな。
更に他にも錬金で装備を作る予定もある。これならば一般の兵士でも魔物相手に互角に渡り合うことができるだろう。
「
確か
「さあ父上を呼べ。交渉したいことがある」
「すぐにでも!」
メイドは慌ただしい様子で出ていく。
そうしてしばらく待っていると父上、ロモス王シナナが私の部屋に来てくれた。
「伝説のアイテムを作ったと聞いたのじゃが本当かの?」
「これが伝説のマジックアイテム
そう言って私は腕輪を渡す。すると父上はそれを装備をした。
そして近くにあるベッドを持ち上げ始めたではないか。
「これはすごいのう!老人のワシでも怪力を得ておるぞ!早速、国宝認定するぞい!」
「それで父上。これを国庫に納める代わりに欲しいものがあります」
「なんじゃ?」
「覇者の剣をください」
覇者の剣、それはロモス武術大会の景品として出て来た名剣だ。そして魔王軍に奪われてハドラーの武器に使われる。
なぜ我が国の至宝が魔王軍なんぞに奪われてしまわなければならないのか。ということで私が回収して有効利用する。ハドラーは素手で頑張りたまえ。
「しかしのう、覇者の剣は神々が授けた伝説の金属オリハルコン製の武器。そう易々と渡せるものでは………」
そう、覇者の剣は希少なオリハルコンで出来ているのがミソだ。これは優秀な錬金素材になる。
ビルダーズ世界と違ってオリハルコン鉱脈なんていう便利なものがない以上は、こうやって既存の武器を素材にするしかない。
「ダイくんには覇者の冠を易々と渡していたじゃないですか」
「それもそうじゃのう………それにカマエルはワシの嫡男、まあ問題はないじゃろう。くれぐれも大切に扱うのじゃぞ」
「分かってますよ」
まあ錬金素材にするんですけどね。
というわけで覇者の剣がロモスの宝物庫か私の部屋にやってくる。そして父上は部屋から立ち去る。
素晴らしい光沢。これを素材にするのは勿体ないくらいだ。だがこれも国防の為だ。
早速、はやてのリング2つと『錬金』!
出来たぞ………「星降る腕輪」が!
このアクセサリーの効果は単純、素早さを2倍にするだ。………いやドラクエ8の錬金レシピで錬成したから素早さ+50とかいうショボイ効果かもしれないが。
何はともあれ素早さは上がるはずだ。早速、装着して城の中庭で効果を検証してみる。
「なんだこの素早さは!まさに韋駄天だ!」
「うわああああ!なんだこの速いのは!」
圧倒的な素早さで城の中庭を何周もする。これは爽快だな。見回り中の兵士なんて、速すぎて私が誰かを認識できてない様子だ。
切れ味の良い剣が超スピードのアクセサリーに変貌した。まあ剣も重要だが、それはダイくんが持っているパプニカのナイフがあるしいいだろう。それよりスピードの方が重要だ。コイツを使ってクロコダインを翻弄してやるぜ。
更に覇者の剣の刀身は半分ほど残っている。つまりまだもう一回、オリハルコンを錬金で使える。後で何かに使えるかもしれないから取っておこう。
さてと、これで「ロモス国防計画Ⅲ:錬金術で色々なものを作り出そう」は完遂したも同然だ。
Ⅰの防壁、Ⅱのキラーマシン、Ⅲの錬金アイテム、更にダイ一行、これだけ揃えば百獣魔団を問題なく撃退できるだろう。
問題はクロコダインだ。
防壁やキラーマシンは獣王痛恨撃で壊されてしまうだろうし、錬金アイテムにも限界がある。とどのつまり圧倒的な個が足りない。ダイがいれば撃退自体は出来るのだろうが国民に少しばかり被害が出てしまう。そんなの許せない、目指すは完封だ。
そこで賢い私は考えました。
ロモス国防計画Ⅳ:私が強くなろう。
簡単な話だ、圧倒的な
そして圧倒的な個になる為には修行する必要がある。
残り2か月で強くなれるのかという疑問もあるが問題はない。現にダイは短期間で世界最強になったし、マァムは3週間足らずで武闘家をマスターした。まあ彼らは竜の騎士と勇者パーティの血筋じゃないかと常人なら思うだろう。だが私もロモス王の血筋だ。
そう、ドラクエ世界の王族だ。
2・5・6・7・8・11、本編の主人公の過半数が王族の血筋を引いている。それ以外にも
王族は強いというのが、この世界の常識。なら私も強いはず。
というわけで修行だ………といいたいが、ロモス兵にまともな猛者が、つまりは師匠となるべき人材がいないんだよな。まあ原作の時点で百獣魔団のモブモンスターに蹂躙されるくらいの雑魚さだしな。
アバン先生でも招待するか?でも、ある程度は待たないといけないしなぁ………そうだ!
ロモス国内にいるじゃないか。とっておきの師匠が。
「おいそこの兵士」
「はい?………ってカマエル王子!」
「旅に出る。探さないでくれ。それと聖石の確保と勇者アバンを招待を進めてくれ。招待は1か月後だと好ましい。以上」
「えっ!ちょっ!」
そう言い残して私は自室に行き準備をする。
旅人の服を着て、袋に鋼の剣・鋼の盾・10000ゴールド・ぺミカン・地図・特薬草・超万能薬・おかしな薬・キメラの翼を詰めれるだけ詰めて駆けだす。
途中で兵士に追いかけられるも、星降る腕輪を装備している私に追い付けるはずもなくそのまま魔の森へと到着した。
彼らや父上には色々と迷惑をかけるがこれも国防の為だ、我慢してくれ。それに『錬金』で作り出したキメラの翼の在庫も十分なはずだ。当面の間は私がいなくても大丈夫なはず。
「さてと、彼はどこにいるかな?」
彼、それは武術の神ブロキーナのことだ。
でもどこにいるか分からないんだよな。噂によると森を超えた山に住んでるらしいが。
「というかここどこ?」
なんか迷った気がする。地図だけでは流石に無理があったか。なにせ前世は現代人で今は世間知らずの王子だもんな。
ブロキーナもいないし、道に迷うし散々だ。まあキメラの翼で城にはすぐに戻れるからそこまでピンチではないが。でもそれをやるのはダサい。家出して何も成果なしとか流石にダメだろ。
仕方ない、ここは………
「ブロキーナァ!!!どこだぁ!!!」
私は『おおごえ』を出して呼んだ。しかし助けは来なかった。
だが諦めんぞ。こうすれば誰か来るだろう。
「うおおおお!ブロキーナ!ブロキーナ!うああああ!ブロロロォォォキーナァ!!!」
ありったけの『おおごえ』で呼びつけること数十分。すると………
「グルルル!」
何か来た。
アレはリカント、つまりはモンスターだ。奴は凄い剣幕でこちらに襲い掛かって来た。そりゃ魔の森で叫んだらそういうのも来ますよね。当たり前だ。
だけど焦ることはない。私はロモス流の剣術を修めている。
「死ねぇ!」
リカントを切り付けた。いわゆる袈裟切りだ。しかしそれはギリギリで躱されて薄皮しか切れなかった。
あらら………これは頑張れば勝てるだろうけど時間がかかるな。
ロモス流剣術って雑魚かよ!そういや雑魚だったわ。ダイがいなかったら滅んでるような国だしな。
というわけで私は脱兎のごとく逃げだした。こちらには星降る腕輪がある。かけっこなら負けないぞ。
「グワアア!」
しかしクロコダインどころかそこら辺の普通のモンスター相手に逃げを選ぶってマジか。強さがでろりん未満じゃん。
うわっ…私の強さ低すぎ…?
「へぶっ!」
1つ失念していたことがある。私は城育ち故に整備された道しか歩いたことがない……つまり魔の森のように文明のない道は歩きなれてない。
故に転んでしまった。リカントは確実に近づいてくる。
仕方ない、戦うか。急いで立ち上がり体勢を整える。
さあやるぞ!そう思った次の瞬間、火球がリカントに向けて飛んできた。
「ウギャ~!」
リカントは物理的に炎上する。そして炎で悶えて隙も出来る。
今だ!星降る腕輪によって加速された一撃が
「助かったよ」
「動かないで」
私は火球を放った人物?に礼を言おうと振り返る。すると銃口を突き付けられた。これにはたまらず手を上げる。敵かよ!
というか銃なんていう近代的なものがドラクエ世界にあるわけ………いやそういうことか。
「待ってくれ、貴方に敵対するつもりはない」
「魔の森で大声を出す不審者を信用するとでも?」
それはそうね。反省してます。もうしません。
「このまま連行するわ。ついてきて」
えーと、捕まりました。
私ってば王族なのに?
・・・
・・
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※ロモス国防計画一覧
ロモス国防計画Ⅰ:防壁を建てよう
ロモス国防計画Ⅱ:キラーマシンを手に入れろ
ロモス国防計画Ⅲ:錬金術で色々なものを作り出そう
ロモス国防計画Ⅳ:私が強くなろう
※キメラの翼の設定
キメラの翼が雷に打たれて作られるのはドラクエⅠの設定です。
ブロキーナが「ジニュアール家に残されていた数少ないキメラの翼」と言っていたようにダイ大世界でキメラの翼は希少。
そしてダイ大世界でデイン(雷)系の魔法を使えるのは竜の騎士のみ。
つまり人間の力では作れないからキメラの翼は希少なのでは?そして今あるキメラの翼は竜の騎士が過去に作った物なんじゃね?という考察です。
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