ロモスの王子になったので錬金しまくる 作:ダンパラムーチョ(芸人)
「だからぁ!私はロモス王国第一王子カマエルだって!」
「王子様がこんなとこにいるわけないじゃない」
「確かにそうだけど………事情があるんだよ!」
「自分を王子だと名乗る精神異常者くん。ネイル村に案内してあげるから、さっさとついて来なさい」
「おんどれぇ!不敬だぞ貴様ぁ!」
なんとか悪人ではないということを理解してもらった私は女と会話をしながら森の中を歩いている。だが王子であることは信じてくれないようだ。
ちなみに女の名前はマァム、後にダイの仲間になる女だ。
そうして彼女に案内してもらうこと数分後。
「不敬なのはそっちよ。知ってるかしら?ロモス城で偽勇者が出たのよ、だけど簡単にバレてしまって地下牢行きになったとか。偽物を騙ると捕まっちゃうかもね~」
「だから本物なんだって!ほら、証拠のキメラの翼!」
マァムにキメラの翼を差し出す。
これは私にしか作れないものだ。ならば本人証明になるだろう。
量産に成功したとはいえまだまだキメラの翼の流通量は多くない。
「わっ!高級品じゃない!で、どこから盗んだのかしら?」
「テメェ、後で本当に覚えとけよ!」
「さ、ネイル村についたわよ」
そうして私達はネイル村についた。
すると村人たちが集まってくる。
「みんな、騒音問題は解決したわよ」
騒音………そうか。
私が『おおごえ』を出したせいで村に迷惑がかかったのか。
これは素直に謝るべきだろう
「本当に申し訳ない。ロモスの第一王子として恥ずべきことをした」
「わははは!王子だってよ!」
「第一王子ってことは錬金王子様のことか!」
「面白い旅芸人を拾ってきたなマァム姉ちゃん」
この愚民どもめ。私は本物だぞ。というか旅芸人ってドラクエ9じゃないんだぞ。
なら証明してやろうじゃないか。ちょうど、ここならそれが完全に出来る。
「おいそこの村人、貴様が背負っているカゴに入っているものはなんだ?」
「あんた海外の人か?蝙蝠の羽だぜ。今はこれが王都で高く売れるんだ。なんでも本物のカマエル王子が錬金してキメラの翼にするんだとか」
「知っている。本人だからな、それを貸せ」
「ちょっ!売り物に触るなよ!」
止めようとする男に1000ゴールドを渡して黙らせてから、2つほど蝙蝠の羽を拝借する。
それを『錬金』!するとキメラの翼が出来上がった。そしてそれを見せびらかす。
「これで私が王子だと信じてくれたかね?」
村人達はデスマシーンが出現したかのようにフリーズする。
さあ、どんな反応をするのやら。
「「「えええええ!」」」
普通に驚くだけだった。つまんないね。
そして彼らは土下座をし始めた。
「こ、これはカマエル王子!どのようなご用件でこんな村にまで!」
「申し訳ありませんでしたぁ!」
「私………王子様に銃を」
気分ええわ。やっぱ王族に生まれて良かった。
それはともかくとして、ここに来たのは威張る為じゃない。強くなる為だ。
「ブロキーナという老人に会いにきた。近くにいるはずだが案内してほしい」
「はっ!拳聖ブロキーナですね。確かレイラが知り合いだったはずですます!」
なんか敬語がおかしなことになっているぞ、まあいいか。それとレイラってことは………
しばらく待っていると村の奥から美しいマダムが出て来た。私は彼女に向けて一礼をする。
「貴方は勇者アバン一行のレイラ殿ですね。私はロモス第一王子のカマエルと申します。以後よしなに」
「それもまた昔の話です。今はただの村人に過ぎませんわ。顔をお上げください」
「なぁに、魔王を討伐した伝説は今も色褪せておりませんよ」
「そんな………過ぎた言葉です」
「それでレイラ殿はブロキーナ殿と知り合いであったはず。そして近くの山に彼がいるらしいですね。案内はできますか?」
「ええ、存じております」
よし!やっぱ読んでて良かった「勇者アバンと獄炎の魔王」。確か序盤でレイラ達はブロキーナの家に行ったことがある。つまりブロキーナの場所に案内できるというわけだ。
「ですが日も傾いて来ました。今日の所は、さもしい場所ですがネイル村で一泊していかれた方がよいかと」
「わかりました。ではお世話になります」
そういや、今日は色々とあったな。覇者の剣を星降る腕輪にしたり、王都から脱出したり、魔の森で騒いだり、リカントと戦ったり。いつの間にか空はオレンジ色だ。
こうしてネイル村で一泊することにした。そして次の日。
「では行きましょうか」
「はい」
今はレイラさんと一緒に村の出口にいる。既にブロキーナ宅へと凸する用意は整った。後は弟子になるだけだ………と思ったが、誰かが駆けてくる音がする。
「待ってください!」
マァムが大声をあげて近づいてくる。なんだ?
「あの、カマエル王子。昨日は魔弾銃を突き付けてごめんなさい!どうか許してください!」
「別に気にしてないぞ。だが罪は罪、きっちりと清算してもらおうか」
「「そんな!」」
マァムとその母親であるレイラはショックを受けた顔をする。似たもの親子なんだな。
さてと、
「私の護衛をしなさい。それで罪はなかったことにする」
「………はい!」
そうしてレイラさんの案内でブロキーナの家まで移動する。
するとそこには道着を着たおおねずみがいた。確か彼は………
「なんだ貴様らは!」
「王子様だ」
「それが何の用だ!」
「ブロキーナ殿に弟子入りしにきた」
「僕はその老師の一番弟子のチウ様だ」
ああ、そうか。ブロキーナ殿に弟子入りするということは、私にとってチウは兄弟子ということになる。
なんか嫌だな。
「そこ!嫌そうな顔をするんじゃない!」
「悪かったよチウ。それでブロキーナ殿はどこに?」
「ここじゃよ」
なにっ!いつの間にか後ろに禿げ頭の老人がいた。
好み為、彼がブロキーナで間違いないな。
「ブロキーナ殿、私の名はカマエルと申します。1か月ほど弟子入りしたくて来ました」
「………ふむ。レイラからの紹介ということでいいんだね。だが持病の「土ふまずぺたんこ病」が悪化してねぇ、人に教えられることなんてないよ」
ブロキーナ殿は咳をしながら弟子入りを断る。土ふまずと咳に何の関係が………
まあいいか、話は速い方が良いだろう。なので彼に殴りかかることにした。
すると流れる水のように攻撃は躱された。
「なんだ、まだ現役じゃないですか」
「いい速さをしているね。素早さだけが異常に速い。何かタネがあるね」
星降る腕輪でブーストしてることがバレてら。流石は武術の神様なだけはある。
これは是非とも弟子入りしたい。
「だけど、いきなり殴りかかるような人を弟子にするのはね………」
「それはすみません」
「まあいいよ。だけど何の為に強くなるんだい?」
「護国」
「その言葉に嘘はないようだね。分かった、君の弟子入りを了承しよう。それでそこの女の子はどうするんだい?」
「私!?」
ブロキーナ殿、いや老師はマァムの事を指さす。彼女を連れて来た理由はもちろん1つだ。
「彼女も弟子入りで。レイラさんの娘なんで才能あると思いますよ」
「ちょっと待ってください!私は了承してません!」
「私に~♪銃口を~♪向けた~♪罪は~♪どうしようかなぁ~♪」
「………分かりました」
こうして私とマァムは老師に弟子入りすることが決定した。レイラさんはキメラの翼でネイル村に送り返しておいた。
そして修行初日。
「よく来たな!弟分に妹分!このチウ様がビシバシ鍛えてやるからな!」
「「はい!」」
チウが先輩風ふかしてきてウザいが実際に先輩だから仕方なく受け入れる。
まずは基礎ということで体を鍛えることから始まる。
というわけで斧を使って薪を割ったり、走り込みなど原始的な修行を行う。
「ハァ、ハァ、ハァ!」
「大丈夫ですかカマエル王子?」
「立場は…ハァ!…同じだから、ここではカマエルで…フィ…いいぞ。それで…ヒィ…大丈夫だ」
「大丈夫に見えないわ」
マァムは体力がありすぎる。かなりハードな修行をしたというのに全く堪えている様子が無い。
私だけ取り残されている。なんたる屈辱。あっ!まずい、もう意識が………
ここで気絶して初日は終わった。
修行2日目。武闘家の朝は早い。日も出始める前に私らは叩き起こされた。
「ぜやぁ!」
「ぐはぁ!」
マァムに殴り飛ばされる。今は弟子同士で組み手をしている。
今の所、マァムには全戦全敗だ。一応、ロモス流の武術で鍛えているんだけどなぁ。これが血筋の差か………
いや私だって王族だ。負けてられん。
「次は僕の番だ!さあカマエル、行くぞ!『窮鼠文文拳』!」
「おらぁ!」
チウが突っ込んでくるがリーチが足りなさすぎる。そのままカウンターパンチを喰らわせる。すると彼は吹き飛ばされてノックアウトされる。
星降る腕輪が無くてもこの程度の相手なら普通に倒せる。私だって雑魚じゃないんだ。ただ超えるべき壁が高すぎる。
「チウ、お前の敗因はたった1つだ。手足が短すぎる」
「そ、そんな………」
「なら頭突きや体当たりで戦えばいいんじゃないか?」
「そんなのカッコ良さが足りないじゃないか!」
生きるか死ぬかの戦闘にそんなものいらんでしょ。生き残れば正義だ。
そうして後は何度か組手を行って一日を終えた。
その夜の事、私は2人に黙って外に出ていく。
「せい!」
私は自主訓練を行っていた。
マァムとはかなりの差がある。故に差を埋める為に頑張らなければ。
というわけで鉄の斧で薪を割っている。
「やってるねカマエル」
「これは老師」
「大地を切ってみたくはないかい?」
「大地をですか………」
「昔、アバン君に教えたんだけどね。渾身の一撃を振るうには極限まで体力を失わせる必要がある」
「人間、疲れると一番楽な動作をする。つまり自然な動きをできるということですね。それで最小限の力で最大限の力が出ると」
ダイが大地斬を習得するのと理論は同じだ。そういえばアバン外伝でアバンに大地斬のノウハウを教えていたのは老師だったな。
「そゆこと、じゃあこの大岩を割ってみようか」
「わかりました」
そう言って老師は目の前にある大岩を指さす。あれをこの斧で………ダイと同じく『大地斬』をするということか。
今は組手やら基礎訓練やらで疲労困憊、私はダイよりも年上で体格は良い、ダイは1日で私は2日目、理論上は出来るはずだ。
「せいっ!」
最小限の力で切りかかる。
すると溶けたバターのように大岩が切れた。
やったぞ!
「ホッホッ、よくできたね」
「ええ、老師のおかげです」
「だけど斧は壊れてしまったようだ」
良く見ると斧が壊れている。………マジかよ。ダイのように上手くはいかないな。いや単純に経年劣化説もあるが。
「すみません!老師!明日、買い出しに行ってきます!」
「うむ」
こうして2日目が終わる。
修行3日目。私はロモス城下町にお忍びで帰った。
目的はもちろん壊してしまった鉄の斧の再入手だ。だがそれだけの為に来たのではない。
「鉄の斧を2つくださいな」
「あいよ!合計5000ゴールドだ!」
武器屋の店主から鉄の斧を2つ購入する。ちなみに、これは自分のポケットマネーから出している。こうやって老師の心証を良くしようという作戦だ。
そして、なぜ2つも買っているかというと………
「カマエルは斧を主体に戦うんだね」
「ですね」
隣にいる老師に言われてしまった。
そうとも、私は斧使いになる。名前が「
まず鎌は『錬金』で強力な武器が作りにくい、逆に斧は強力な武器が作りやすい。
次に昨日、斧で大地斬をやったから武器の熟練度的に斧が一番習熟している。
最後に
これらの理由から斧使いになることを決めた。
「ワシは斧使いじゃないから戦い方は教えれないけど大丈夫?」
「覚悟の上です」
そうして私達はキメラの翼でブロキーナ宅へと帰還する。その後は組手、基礎錬、老師による武術指導などを受けた。
修行4日目。
「老師ってばチウ以外の魔物達にまで食べ物をあげてるのね」
「ああやって腹さえ満たしておけば人を襲わないんですよマァムさん」
「まあこの山には殆ど他の人間はいないらしいがな」
休憩時間の折、私達はドラキーや一角ウサギなどの魔物に餌を上げる老師を見ながら感想を述べる。
しかし大ネズミのチウといい老師は魔物の扱いが上手いな。もしやモンスターマスターの才能が!?
………魔物を使役できればロモスの防衛戦力が増加するな。
「ちょっとモンスターマスターの秘訣を聞いてくる」
早速、老師に秘訣を聞いた。曰く魔物を改心させるには長い時間と圧倒的な実力差とそれに労りの心が必要らしい。
全部、私が持ってないものだ。もっと手っ取り早い方法はないものか。
………確か、獣王の笛を使えば短期間で魔物を従えることが出来るはずだ。チウはそれで獣王遊撃隊を作っていたしな。
だが獣王の笛はクロコダインが持っている。つまり倒してドロップさせなければらない。これではロモス国防計画には組み込めないな。残念だ。
今は修行に集中しよう。一番の近道は地道な修行だ。
さあここから加速していくぞ!
・・・
・・
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※修行のまとめ
1日目:体力づくり
2日目:組手
3日目:武器決め
4日目:モンスターマスターを断念
※「デスマシーンが出現したかのようにフリーズする。」について
これはドラクエ7のデスマシーン周りがフリーズしやすいことから来たネタですね。
個人的にはドラクエ7が一番嫌いだけど一番好き。
※主人公の武器
名前がカマエルなんだからカマを使えやと言われると思いますが、カマは錬金で作れる武器の数が少なすぎたよね。なのでクロコダインと対比できて、錬金レシピも豊富で、デルムリン島で強化素材を得れる斧になりました。12ではカマ武器が増えて欲しい。
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