深淵転生~透き通るような世界で転生者達と青春を送る~   作:幸野司

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不死鳥少女の借金返済プラン

「そういえば、まだ自己紹介もしていなかったな」

 

「あっ、そういえばそうね。わたしは鳳オオギ、アビドス高等学校の二年生よ。あんたの名前は?」

 

「俺は古霧坂リオン、現在は根無し草だ。よろしく、オオギパイセン」

 

「ええ、よろしく、リオン」

 

 赤髪の少女改め、鳳オオギと握手をする。

 口を滑らせた結果とはいえ、本人を気に入ったのも事実なので協力はするとしよう。

 

「それで、人数は置いとくとして、パイセンはどういうプランで借金を返すつもりなんだ?」

 

「それは、そいつよ」

 

 そう言ってパイセンは放置されている緑尽くめを指差す。

 

「こいつ?特に金目のものとかは持ってなさそうだが」

 

「そいつ、賞金首なのよ。アビドス自治区は過疎っているからか、けっこう他の自治区から逃げ込んでくるのよね」

 

「なるほど、こいつみたいな賞金首を突き出してその金を借金返済に充てるのか」

 

 パイセンの武装が拳銃なのも、接近戦主体で弾薬費を抑えるためか。

 

「だがそれ、治療費の方が高くつかないか?」

 

「心配無用よ。普通のキヴォトス人が重症になるような怪我でもわたしなら数秒もあれば回復するから」

 

 そう言って胸を張るパイセン。表情も満面のドヤ顔だ。

 

「その再生力がパイセンの神秘ってやつか」

 

「ええ、考察班によればエジプト神話の不死鳥、ベヌウをモチーフとしたオリキャラとして転生したらしいわ」

 

「いくら回復するとはいえ、見ていた限り痛覚はしっかりあるだろうに、よくやるな」

 

「伊達に前世から不死鳥みたいな精神力とは言われていないわ!」

 

 むしろ、その精神力を理由に不死鳥染みた再生力を与えられたのではないだろうか。

 

「それじゃあ、こいつをさっさと引き渡すとしようか。俺も地道にバイトするよりは賞金稼ぎの方が性に合っているし、いろいろ教えてくれよ」

 

「え、身内とパイの取り合いなんてわたし嫌なんだけど?」

 

「パイセンはこれまで通り地元で網張っていればいいさ。俺は外に狩りにいくから」

 

 パイセンと話しながら地魔法で緑尽くめを乗せるためのリヤカーもどきを生成する。

 

「いやちょっと待って、それどうやって作ったの!?あまりにもシームレスに出来上がるから一瞬スルーしかけたんだけど!?」

 

「いや、こうパパっと魔法で」

 

「はぁ!?魔法とかずるくない!?」

 

「いや、パイセンの再生力も似たようなもんだろ。普通の人間基準じゃ俺もパイセンも五十歩百歩だろうよ」

 

 普通の友人のように騒ぎながら、俺とパイセンはヴァルキューレ警察学校へ緑尽くめを引き渡しに向かった。

 

 

   ◆◆◆

 

「良かったのか?仮身分証の代金払ってもらった上に賞金の大半もらっても」

 

 現状唯一の人型の男に訝しんでいた相手を、パイセンは外から来たアビドスの新入生候補としてごり押しして仮身分証を発行させていた。

 相手もアビドスの過疎具合を知っているためかパイセンのガチっぷりに苦笑しつつも応じてくれていたが、候補と言い切ってしまうあたりパイセンの人の好さが心配になる。

 

「いいのよ、あんたがとどめを刺してくれたおかげで弾薬代が浮いたんだから。それに、あんたこっちに来たばかりでキヴォトスのお金持ってないでしょ?ここは先輩の顔を立てなさい」

 

 その気になれば飲まず食わず不眠不休で活動可能だが、ここはパイセンの言う通り顔を立てておくか。

 

「そういうことなら、ありがたく受け取る。サンキュー、パイセン」

 

 ちなみに、途中でパイセン呼びから変えるか聞いたが、新鮮で気に入ったらしいパイセンから続行と言われた。

 

「ええ、それでいいのよ」

 

 なんと言うか、この人ダメ人間を量産するタイプだ。ある意味アビドスが過疎っていてよかったのかもしれない。

 

「見えたわ、あれがアビドスの校舎よ」

 

 別館で砂に塗れてもなお、俺の通っていた中学よりも立派な校舎だった。まあ、侵略者共が現れたせいで一年の途中までしかまともに登校できていなかったので、元の世界の学校にそこまで感慨も無いが。

 

「興味深そうに見ているところ悪いけど、もう一人の生徒を紹介するから行くわよ」

 

 しばらく校舎を歩き、やがてパイセンが一つの教室のドアを開ける。

 そこに居たのは、水色っぽい長髪の少女だった。

 

「君が会長の言ってた後輩君?私は梔子ユメっていうの、よろしくね!」

 

 

 




鳳オオギ
学園 アビドス高等学校
部活 生徒会
学年 二年
年齢 17歳
誕生日 3月28日
身長 159cm
趣味 女の子らしさを磨くこと

備考 TS転生者


梔子ユメ
学園 アビドス高等学校
部活 生徒会
学年 一年
年齢 16歳(推定)
誕生日 不明
身長 不明
趣味 不明

備考 転生者にロックがかかっているのは性悪神のせい


アビドス自治区 オオギのおかげで原作の同時期よりも遥かに治安がいい。
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