プシットは最後の薬缶に突入し、すりみ連合の最後の一人、マンタローと対峙する。
ペンダントを取り戻すべく、プシットはマンタローに挑んだ。
マンタローは毒のインクを纏い、影分身で攻撃する。
プシットはヒーローシューターで応戦し、マンタローを追い詰める。
そしてプシットがマンタローに勝利し、ついにペンダントを取り戻すのだった。
マンタローを倒し、ついにプシットはペンダントを取り戻した。
セピアは、ボロボロになりながらも戻ってきたプシットを優しく労う。
「よくやってくれた、プシット。ペンダントも戻ってきたようだな」
「本当に……ありがとうございました」
「しかし、すりみ連合も懲りない連中だ。いい加減に諦めればいいものを」
プシットのペンダントを盗んだすりみ連合は、一体何を企んでいるのだろうか。
要注意するセピアとプシットだが、突然、無線通信が鳴った。
『……ザッ……たし……応答されたしーーーッ!!』
「アタリメ!?」
それは、行方不明のアタリメだった。
アタリメの声は切羽詰まっている事が、プシットには分かっていた。
「あ、じーちゃんだ! やっほー!」
「おじいちゃん、ダイジョブ? 今、どんな感じ?」
「アタリメは大変な事になってるんですよ。それなのに、どうしてそんなに暢気に……」
相変わらず楽天的なアオリとホタルに、プシットは慌てて突っ込みを入れる。
タコに育てられた彼は、心身共にタコに似ていて、そのために楽天的にはなれなかった。
「プシットってまるで、タコみたいだね」
「生きてるだけ、いいじゃない」
「……」
タコに育てられたとは口が裂けても言えないため、プシットはただ黙っているしかなかった。
『おお! やっと繋がったぞィ!!』
「……アタリメ」
『助けてくれィ! ワシを閉じ込めよったのはクマサンとかいう奴じゃった!』
「え……クマサンって、あの……?」
クマサンについては研修で声を聞いた事がある。
自分を過酷なシャケ退治に誘ったあのクマサンが、
アタリメを捕らえているなんて、とプシットは顔が青ざめた。
『聞こえてくる音と薄い空気からして、ここはかなり高い場所のようじゃ!』
「えっ、マジで。この辺より高いトコって言ったら……もうあそこしかないっしょ」
オルタナで最も高い場所といえば、あのロケットしかあり得なかった。
プシットは通信越しに、ごくりと唾を飲む。
『……ふむ、ここが高所だとよく分かったね』
「あなたは……」
『やはりカラストンビ部隊を率いた歴戦の白きゲソ、侮れないな……。
予定より少し早いが、邪魔が入る前に済ませてしまおうか』
『な、なんじゃ! 何をする! ぬわわ!!』
アタリメの断末魔を最後に、無線は途絶えた。
「言った通りでしょう? アタリメは、大変な事になっているって」
アタリメは間違いなくクマサンに何かされている。
プシットの言葉でセピアと、流石のアオリとホタルもごくりと唾を呑んだ。
「……そだね」
「じーちゃん! すぐ助けに行くからね!!」
「オオデンチナマズも捜すぞ」
アタリメとオオデンチナマズは、あのロケットの中にいる。
だが、ロケットの周りはケバインクの剛毛で覆われておりラクスでも処理できそうになかった。
「このままではロケットに行けない……どうすればいいんでしょうか……」
「……もしかしたら、これを使えばあのケバインクを除去できるかもしれない」
プシットが途方に暮れていると、
セピアがシオカラキャンプに置いてある三つのガラクタ――オタカラを見やる。
一つ一つのパーツは役に立たなくても、三つを合わせれば大きな力になるはずだ。
セピアは頷くとアオリ、ホタル、プシットを呼ぶ。
「これを使ってあのケバインクを除去しよう。皆、準備はできたか?」
「はい」
「もちろん!」
「あ、ちょっと待って。オルタナログを読んでから」
「……そうだったな」
マンタローと戦い、オルタナログの解析を終えたので、四人はオルタナログを読んだ。
~始まりの土地~
大空洞を抜けた生物達は、オルタナ直上のクレーターに着き、
そこから世界各地へと広がっていった。
このれにより、クレーターを有する現在のバンカラ地方が今、
この地球で暮らしている生物の始まりの土地と言われている。
各地に散った生物達は、独自の生活様式や文化を生み出した。
中でも、特に高度な知能を持っていたイカとタコは他の種とは一線を画しており、
瞬く間に世界中で強い影響力を持つようになった。
それから約5000年後、バンカラ地方で特異な性質を持ったイカが誕生する。
その個体は「預言者」として数々の啓示を授かり、同じイカ達に伝えた。
彼らの文化は空前の発展を見せ、この時代に頭足類の文明の基礎が築かれた。
現代を生きるイカの始祖はその個体とされている。
「僕達のご先祖様は、バンカラ地方で生まれた!?」
インクリングの祖先を知って驚くプシット。
「びっくりしたよ、こんな場所だったなんて」
「へ~、そうなんだ~」
「……ふむ、軟体世紀はバンカラから始まったのか」
同じく驚くアオリに対し、ホタルとセピアは全く動じなかった。
始まりの場所で、イカとタコが共存するのは、それでそれで当然だとは思ったが……。
とにかく、オルタナログの解析を終えたため、New!カラストンビ部隊は次の任務に向かう。
その任務は、さらわれたアタリメの救出だ。
「では、これよりジジィを助けに向かう!」
「こういう時は『アタリメを救出する』でしょう」
「そうとも言う」
真面目に話しているのに、アタリメをジジィと呼ぶセピアにプシットは呆れていた。
だが、揉めている場合ではなく、このオタカラを繋ぎ合わせて剛毛を除去するしか方法はない。
「それじゃあ、いくよ~」
「オタカラ! がっったいっ!!」
四人は手に入れたオタカラを繋ぎ合わせていく。
アオリは大きい装置を担当し、ホタルはスパナで細かい部品を繋ぎ合わせる。
プシットはセピアと共に部品を持っていき、アオリとホタルに渡していた。
そしてアオリとホタルは協力して、オタカラを大きなオタカラにしようとした。
「す……凄いっ!!」
「これがお宝なんて……」
そして、アオリ達の協力によって、ケバインクを刈り取る巨大な鋏が完成した。
あまりの大きさに、プシットは圧倒されていた。
「これがあればあの剛毛もサッパリできそうですね、司令!」
「少し重労働だが、やろう!」
「では司令、お願いします!」
「……行くぞ!」
セピアが力を溜めると、鋏を両手で握り締める。
鋏を駆動させると、大量のケバインク目掛けて放り投げ、セピアも鋏に突っ込んでいく。
そして、巨大な鋏を縦横無尽に操り、ケバインクをバラバラに切り裂いていった。
「トゥ……トゥルトゥルになっとる!!」
あれだけあったケバインクが、綺麗さっぱりなくなっている。
ラクスは、驚いてたくさん飛び跳ねた。
「やったね、セピア!」
「ああ……何とか、刈り取った……」
ぜぇぜぇと息を切らすセピア。
これだけの量のケバインクを刈り取って、セピアは相当疲れてしまったようだ。
「お疲れ様です、司令」
プシットはそんなセピアを労い、肩に手を置いた。
セピアはプシットを見て、ははは、と自嘲した。
「では、ジジィ救出作戦を実行する!」
「レッツらゴー!」
プシット達はイカの姿に戻ると、ロケットに乗り込むのだった。
次の月曜日から、最終戦となります。