Alterna Story   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

プシットはヒーロー装備を取り戻し、アタリメを救うために上空へ向かう。
クマサンは「地球を救う」と言うが、プシットには理解できなかった。
プシットはオルタナ宇宙センターに潜入し、毛むくじゃらのタコを倒しながら進む。
リフトで昇降しながら毛むくじゃらのタコと戦い、終点に到着する。
プシットはアタリメを救うため、さらに進むのだった。


第19話 我が赴くは星の群

「着いた……」

 ようやくロケットの近くに下りたプシットは、何か使えるものがないか見渡す。

 しかし、前はケバインクで塞がれ、カラーコーンや縄も、ブキには使えなかった。

 

「あっちに使えそうな道はありますか?」

「あのパイプ、ロケットに繋がっておるぞ!」

 ウツホに言われてパイプを見ると、確かにそこを通れば行けそうだった。

 クマサンに気づかれず、アタリメを見つける事ができるはずだ。

「パイプの中を通れば向こうへ行けるんとちゃう?」

「グイグイ来るな……」

 

 プシットはパイプを目指して進んでいく。

 すりみ連合がペンダントなどのお宝を狙っていた理由、

 それは危機的状況のバンカラ街の財政を救うためだった。

 お宝を売れば少しは足しになると思って、すりみ連合は宝探しをしていたのだ。

 やはり、義賊というだけあって、根は悪くない人物だった。

 

 パイプの中のインクレールを通る途中で、プシットはクマサンの声を聴く。

 

『あまりに長すぎる年月で、私以外の生き物は皆、死に絶えた。

 その中で私は、地球に代わる新たな星を夢見た。

 きっと自然豊かで、シャケもたくさんいるだろう。

 そう願った私は、ロケットと共に星に辿り着くが、

 そこはもう、人類どころか哺乳類すら存在せず、代わりに魚介類が支配する「地球」だった』

 

 クマサンは今の地球について淡々と語った。

 新天地を目指して旅立ったロケットが変わり果てた地球に着いたとは、絶望も深かっただろう。

 しかし、それを差し置いても、クマサンの野望を果たすわけにはいかない。

 プシットはそう思いながらインクレールを通った。

 

『私は寂しかった。もう、この地球に哺乳類は私以外いないのかと思ってしまったから。

 そんな時に私は、かつて人類が暮らしていたシェルターの痕跡を発見した。

 それこそが「オルタナ」。……私は決意した』

 

 オルタナ宇宙センター・あんぜんフロンティア号。

 ここを通れば、いよいよ最上階に辿り着き、アタリメを救出できる。

 螺旋状の塔にイカ文字の注意書きが書かれた紙が貼ってありここがロケットである事が分かる。

 その塔には無数のケバインクがあり、しかもコアがないため除去できない。

 触れてしまえば、おしまいだ。

 

 道が狭い上にタコトルーパーもいるため、プシットはますます慎重に進む。

 スペシャルゲージは溜まったが、こんな場所で使えば自殺行為になりかねない。

「ラクス、僕を助けてください!」

 三体のタテタコトルーパーの前にラクスを投げ後ろを向かせた後にヒーローシューターを撃つ。

 ケバインクがある道を通りながら、プシットは慎重に、慎重に進んだ。

 道中でカニタンクを発見してからは、砲撃でバイタコトルーパーやタココマンダーを倒し、

 上のケバインクも避けてインクレールを潜る。

 

「うっ……」

 途中、プシットはケバインクに覆われた道に着く。

 落ちてしまえばひとたまりもない事は、プシットには分かっている。

 しかし、どうしても足を踏み出せなかった。

 

「……よし、これで大丈夫ですね」

 壁を塗り、地面も徹底的に塗る。

 そして、プシットはインクに潜って勢いよく飛び、

 ケバインクに落ちそうになるも何とか壁のインクに潜り、突破した。

「危なかった……」

 プシットは一息ついて胸に手を置く。

 かなり慎重に塗ったにも関わらず、ギリギリの突破だったので、心臓(?)に悪かったようだ。

「さぞかし危険だったろうな。ケバインクも多いのだろう?」

「はい。という事は、クマサンは近いと思います」

 

 その後の道はケバインクでさらに狭くなっており、プシットはますます慎重になっていく。

 ジャンプで行くには遠そうな道を、壁を塗りながらインクに潜って進む。

 天井や地面のケバインクにぶつからないように、プシットはインクの中を潜っていった。

 

「エイ!(ハラハラした~!)」

「当然ですよね。あんなにケバインクがあったし。クマサンの……クマサンのせいですよね」

 

 タコストライクとケバインクで移動が制限される中、プシットはインクを塗って先に進む。

 ふと、プシットは何かが入っている円筒状の入れ物を見る。

「あれは……オオデンチナマズ!?

 そこには、プシット達が当初の目的として探していた、オオデンチナマズが入っていた。

「まさかここに捕まっていたとは……どうにかして、こちらも取り返しましょう。

 司令、開けられますか?」

「いや、まだだ。プシットは先に進め」

「了解です!」

 プシットはイカの姿に戻り、大ジャンプして上層に進んだ。

 

《まもなく発射シーケンスが最終段階に入ります。隔壁が閉まります、ご注意ください》

 イルカの音声と共に、扉が次々に閉じていく。

 このままでは進めそうにない。

 そんな時、ホタルがエネルギーコア、マンタローがふみスイッチを発見する。

 エネルギーコアを集めてスイッチを踏めば、閉ざされた隔壁が開くかもしれない。

 

「プシット、エネルギーコアを集めよ!」

「はい、司令!」

 まず、プシットは柱にインクを塗り、エネルギーコアを集める。

 バイタコトルーパーを撃退しつつ先に進むと、箱の中からショクワンダーを発見した。

 このショクワンダーは特殊なもので、ずっと長続きするものだった。

 ケバインクにぶつからないように、ウデを伸ばしてエネルギーコアを回収する。

 一通り回収し終えた後はふみスイッチを踏み、閉ざされた隔壁を開けていく。

 

《非常用システム作動。第一隔壁を開放します》

 

 残る隔壁も開くべく、ショクワンダーで先に進む。

 壁にはケバインクがたくさんあるため、ぶつからないように狙いを定める。

 箱にウデを伸ばしてくっつき、道中のコアエネルギーを回収し、

 ケバインクだらけの壁もするりと通り抜ける。

 コアエネルギーを全て回収した後、ふみスイッチを踏んで隔壁を開けた。

 

《非常用システム作動。第二隔壁を開放します》

 

 そして、出口らしきものも発見した。

 ここを通れば、ロケットに辿り着き、アタリメを救出できる。

 プシットは真剣な表情で、身構えた。

 

「ここは……ケバインクだらけですね」

 壁にはびっしりとケバインクが生えており、安全な場所はほとんどなかった。

 しかし、ここを突破できなければ、アタリメがいる場所には辿り着けない。

「……っ!」

 しかも、タコスナイパーも自分を狙っている。

 まさに、慎重かつ大胆に進む必要があるようだ。

 

(冷静に……冷静に……)

 プシットはタコスナイパーの攻撃をかわしつつ、壁のコアエネルギーを回収する。

 焦りを見せず、プシットはただただ回収を続ける。

 そして全て回収した後は、ゆっくり落ちてヒーローシューターを乱射し、

 残り三つのコアエネルギーを回収した。

 最後の最後でケバインクに触れないよう、プシットはゆっくりと下り、

 ふみスイッチを踏んで扉を開けた。

 

《非常用システム作動。扉のロックを解除します》

「……クマサン……アタリメ……」

 プシットは目を閉じ、彼らの姿を思い出す。

 道は狭く、最後の扉は危険信号が書かれていて、とても物々しい扉だった。

 それでも、プシットは焦りも恐怖も見せず、冷静に扉をくぐっていった。

 

(たとえ何があろうと、僕は必ず困難を突破します。だから、安心してくださいね)




次回でラスボスと出会います。
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