プシットは、哺乳類と魚介類が逆転した世界で真実を知る。
クマサンが地球を哺乳類の星に戻すため、サーモンランを利用していたのだ。
プシット達はクマサンを追い、何とかアタリメを救出する。
クマサンはロケットで宇宙に向かい、地球にケバインクを降らせようとする。
プシットはクマサンを止めるため、宇宙で戦う決意をするのだった。
地球にケバインクを降らせて毛玉だらけにしようとするクマサンの野望を阻止するため、
プシットはラクスと共に彼に戦いを挑んだ。
(とは言ったものの、こんなにケバインクがあると、まともに進めませんね……)
ロケットはケバインクだらけで、まともに進む事ができなかった。
ケバインクに触れた末路を知っているため、プシットはますます緊張していた。
プシットがクマサンを追いかけていると、サーモンランの金イクラを発見した。
「金イクラ? なんでこんなところに……」
プシットは疑問に思いながらも金イクラを拾う。
ケバインクを避けながら金イクラを拾うと、ケバインクの壁とそのコアを発見した。
「このコア……確か、ラクスなら食べられるかも」
そう言ってプシットはラクスを構え、コア目掛けてラクスを投げつけた。
ラクスはケバインクを平らげ、先に進めるようになった。
「その調子だ、プシット。クマサンはまだ動く様子はない。慎重に進め」
セピアの指示に従い、プシットは道中のタコを倒しながら金イクラを拾っていく。
飛んできたトルネードもかわしながらクマサンの前に辿り着いた。
「コアを出すには破壊するしかありませんね」
プシットがヒーローシューターを構えると、クマサンは大きく腕を振り下ろした。
大急ぎでプシットがクマサンから離れると、衝撃と共にプシットを吹き飛ばした。
近くにいなかったのでダメージはなかったが、迂闊に近づくのは危険だと分かった。
プシットはクマサンの爪攻撃をかわし、クマサンの腹を撃ってコアを出す。
金イクラでパワーアップしたラクスはそのコアに飛び掛かり、食らいついた。
クマサンの身体に、プシットの黄色いインクが付着する。
「……終わりと始まりは繰り返すものだ」
クマサンは爛々と光る眼でプシットを見つめると、全身をケバインクで覆い沈んでいき、
さらに巨大になって起き上がり、威圧するように雄たけびを上げた。
しかしプシットは怯まず、金イクラを回収しながらクマサンを追いかける。
「クマサン、転がろうとしてる……?」
「えっ?」
ホタルの言葉にプシットは慌てて辺りを見渡す。
すると、クマサンが丸まってゆっくりと転がり、
同時にロケットもクマサンの進行方向に回転する。
「落ちないようにダッシュー!」
「わ、わわわっ!」
プシットはロケットの回転方向とは逆にインクを塗り、ロケットを登っていく。
進みすぎないように、慎重にインクを塗りながら進む。
「そのまま耐えろ、プシット!」
「……」
プシットは無言でロケットを登る。
しばらくすると、クマサンの大きな回転はようやく止まった。
「危なかった……」
「プシット、気を引き締めろ。敵は多い」
「は、はいぃ!」
プシットはタコを倒しながら金イクラを回収し、
ケバインクとクマサンの攻撃を避けて、クマサンがいる場所に向かう。
腕を振り下ろしたら攻撃が届かないようにかわし、
改めてコアを露出させた後、ラクスがコアを食べてインクで塗った。
「まるで打ち寄せる波のようだね」
―『ン』は繰り返す……打ち寄せる波から『ン』を感じ取るんだ……。
プシットはサーモンランの研修を思い出す。
終わりは繰り返す、打ち寄せる波から終わりを感じ取る。
プシットは、クマサンの言った事が少し分かった気がした。
しかしそれでも、クマサンを許すわけにはいかなかった。
「何かを失わなければ、何も手に入らないよ」
クマサンは再び全身をケバインクで覆い、沈むとどこかに逃げていった。
その身体はケバインクでさらに大きくなり、威圧感もより強くなった。
「失うくらいなら、全部混ぜた方がマシです!」
プシットは道中の金イクラを二つ回収し、
向こうの金イクラもインクを塗った後、勢いよく飛び上がって回収した。
トルネードをかわしながらラクスにケバインクを食べてもらい、
素早く飛び移ってケバインクをかわす。
ラクスで気を引いてもらいながらバイタコトルーパーやバイタテタコトルーパーを倒し、
金イクラを回収する。
「また転がるつもりっぽい! 気をつけて!」
「そうですね……」
再び回転するロケットを、ケバインクをかわしつつ登りながら、ラクスにコアを食べてもらう。
ロケットはケバインクだらけで除去できないため、何とか避けるしか方法はなかった。
「はあ、はあ……ここまで追い詰められるとは……」
息を切らしながらプシットはヒーローシューターを構え直す。
クマサンの強力な攻撃は、実際の体力だけでなく精神的な体力も削っているからだ。
「ここまで追い詰められたのは初めてだよ。まさか、魚介類が反逆するとはね」
「いつまでも哺乳類に執着して何がいいのか。この地球には、僕達が暮らしているのに」
プシットとクマサンはお互いに睨み合う。
敵同士、お互いに信念を抱いており、やはり相容れないものはあるようだ。
「クマサン座ってる! 何かしてくるかも!」
「え……?」
プシットはアオリの警告で、慌ててクマサンから離れる。
すると、波動と共に巨大なインクレーザー、つまりメガホンレーザーが放たれた。
その威力は近くにいても凄まじく、あと少し遅ければ消されていたところだ。
「危ない、危ない。早く金イクラを回収しないと」
「慌てるな、冷静になれ」
そして、七つの金イクラを回収した後、急いでプシットはクマサンを追い詰める。
「今だ、プシット! キメちゃえーーーッ!!」
「ラクス!!」
金イクラを手に入れて強化したラクスが、
クマサンの三つ目のコアを食べ、その身体を三つのインクが覆う。
これで、クマサンは倒れる……はずだった。
「もう、諦めてくれませんか?
哺乳類は地球を支配する力を失いました。同じ哺乳類の人類が過ちを犯したせいで!」
プシットとラクスは鋭い目でクマサンを睨み、そしてプシットはいつもより冷たい声で言った。
人類の過ちによって人類を含んだ哺乳類は滅び、
地球は進化した魚介類が住む星に生まれ変わった。
この新たな地球を、目の前の哺乳類に絶対に奪われたくない。
プシットの闘志は、最早限界に近かった。
「ふむ……君達、なかなかやるね。今の、この地球を守ろうとしている」
だが、クマサンは闘志に満ちたプシットを見てもなお、異様に落ち着いた態度を崩さなかった。
それどころか、自身の目的を果たせる……そんな自信に満ちた目をしていた。
「しかし時は満ちた……再び地球を哺乳類のものに」
「そうはさせま……」
プシットがクマサンにとどめを刺そうとすると、
クマサンは大声を上げてロケットを破壊し、その衝撃がプシットに襲い掛かってきた。
衝撃を避けようとするがスピードが速く、
大爆発と共にプシットとラクスは宇宙の彼方に吹っ飛ばされた。
(そんな……ここで、僕は終わるんですか……?)
せめて、このペンダントだけでもなくしたくない。
プシットはペンダントを左手で握り締めながら、ラクスと共に、宇宙の塵になろうとした――
その時。
宇宙の向こうから青い光が現れ、
爆音と共に巨大な乗り物がプシットとラクスを乗せて飛んでいく。
あの乗り物は、プシットには見覚えがあった。
「タ、タコワサ……!?」
「ギギ……ジジョウ スベテ ハアクシタ!」
それは、DJタコワサ将軍が乗るタコツボキングだった。
どうやら、DJタコワサ将軍はプシットの危機を察知し、どこからともなく飛んできたという。
「ワレラノ ナワバリ トモニ マモルゾ! イマハ イカモ タコモ オナジダ!」
地球を守るのに、イカもタコも関係ない。
かつて戦ったDJタコワサ将軍も、プシットに協力する事を決めたのだ。
一方、地上ではアオリ、ホタル、ウツホ、フウカ、マンタロー、
そして小さくなったアタリメがいた。
彼らは地球を救おうとするプシットを応援しようとしていた。
「アタシ達もプシットを応援するよ!」
「さあさあお立ち合い! 立ち上がりしはイカしたツワモノ!」
「我らがプシットさんによる……オオグマ退治の時間じゃ!」
「エイエイ!」
すりみ連合の三人が大見得を切って言う。
彼らはバンカラ街の財政を何とかするために、宝を求めていただけの単なる義賊だ。
地球の危機には断固として立ち向かう……それが、義賊の誇り、というものだろう。
「今日も、スミからスミまでずずずぃ~っと塗ってみせやしょう!」
「よっ、ホホジロ屋ー!!」
「じゃ~、いっちょやりますか」
そう言って、ホタルはスルメの祖父を掲げ、アタリメは宇宙目掛けてこう言った。
「聞けば天国!」
「ウタエバ ゴクラク!」
今、地球で最も有名な曲――シオカラ節――。
それを、地球に生きる者みんなで歌って、プシットとラクスを応援するのだ。
「ラクス!?」
プシットが持っているラクスの身体が光り輝き、彼の手を離れてゆっくりと宙に浮かぶ。
ラクスの身体は、眩い光に包まれていた。
「見よ! 魚介類達の力が集まってきよる!」
マグロ、オイスター、コンブ、ワカメ、ホタテ……様々な魚介類の力がラクスに集まっている。
哺乳類から魚介類を守るために、ラクスは魚介類に協力を求めていた。
「こ、この光は……」
「天より下りし三つの光、渦を作りて災ひ拭ひ去れり……」
すりみ連合がバンカラ地方の伝説を呟くと、ラクスの身体が強い光に包まれていく。
「バンカラに伝わる神魚……オオジャケ様じゃ!!」
「エイーッ!!(アメージング!!)」
ラクスはみるみるうちに大きくなり、バンカラ街に伝わる神魚・オオジャケに進化した。
オオジャケは水しぶきを上げると、巨大化したクマサンに突っ込んでいった。
「これが……オオジャケ……」
「ええーーッ?! ラクスちゃんもクマサンも巨大化しちゃった!!」
オオジャケに進化したラクスと、巨大化したクマサンを見たアオリは驚きの声を上げている。
プシットは伝説が本物だとは思わなかったようだ。
「カワイイーーーッ!!」
「え……」
アオリの「可愛い」という感想を聞いたプシットが微妙な表情になる。
よく見ると、オオジャケの頭は、ラクスの頭と全く同じだった。
「クマサンがケバインクを取り込んだ! コアを攻撃してラクスをサポートするんだ!」
「だから、クマサンは巨大化したんですね」
クマサンの身体は最早数え切れないほどの無数のケバインクに包まれていた。
なので、タコツボキングに乗り込んで、クマサンに近づくのが唯一の方法だった。
「アイツ、地球に向かっとる!」
「あのケバインクを撒き散らすつもりだ……。止めなければ、地球はまた滅んでしまう」
「私の毛から生まれたケバインクを使って、この地球に哺乳類を蘇らせる。
哺乳類の帰還……それが、私の夢だ」
「帰ってこんでよいのじゃがーー!」
クマサンはじっと、青く丸い星を見つめている。
彼はただ淡々と自身の目的である「哺乳類復活」を執行しようとしていた。
この星を守らなければ、魚介類に未来はない。
プシットは真剣な表情で、ケバインクを取り込んで巨大化したクマサンを睨みつけた。
「おい、タコワサ!! おヌシも協力せい!!」
「ギギ! ソウジュウセキ ハッチ カイホウ! キューインキデ コア スイコメ!!」
キューインキを使ってクマサンのコアを吸収し、クマサンを止めなければならない。
魚介類の未来が永遠に失われる前に、哺乳類を阻止しなければならない。
「プシット! タコツボキングに乗り込んで、コアをキューインだ!!」
「地球に着くまであと3分33秒しかないよ! プシット……お願いッ!!」
「分かりました」
従姉妹の二人がプシットを応援し、プシットは静かに彼女達の言葉に答えた。
太陽系第三惑星「地球」の未来は、彼とオオジャケにかかっているのだ。
「
「
一匹のイカ、一匹のシャケ、一頭の熊、そしてこの地球に住むたくさんの魚介類。
今、彼らによる最終決戦が行われようとしていた。
次回が最終決戦となります。
最後までプシット達を見守ってください。