ご注文はうさぎです!Re   作:新生兎丸

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すみません!

誤爆やらかしてしまいました!
リメイク版はこちらになります!


1.ひとめで尋常じゃないもふもふだとは気付けなかった

 「うっさぎ、うっさぎ~」

 

 少女は淡い桃色の髪をして、桜に似た髪留めを付けている。とても気分が良さそうに歌を口ずさみながら店に入ってくる。何かを探すような素振りで辺りを見回す。

 

 テーブルの下やカウンターの下をくまなく探して、目当ての物が見つからなかったのか、

 

 「うさぎがいない!」

 

 と、驚愕していた。

 

 そりゃそうだろうよ。

 

 え?てかちょっと待て。『ラビットハウス』って店名を猫カフェみたいな場所と勘違いしてんのか?

 

 なんだこの客......。

 

 恐らく、青い髪の少女も俺と同じことを考えてる。

 

 この女ちょっと怖いんだけど。

 

 うさぎを探すのを諦めたのか、少女は肩を落として俺の席に座る。なんでわざわざ向かいに座ったのか分からないけど、特に気にする素振りは見せずにサンドイッチを食べ続ける。

 

 「ジーッ......」

 

 隣からめちゃくちゃ視線を感じる。

 

 な、なんだ......?なんでこっちを見る?

 

 サンドイッチを食べてる男なんて見てても面白い絵面じゃないだろ。

 

 「サンドイッチ美味しそう......」

 

 いや!食いたいなら自分で頼めよ!

 

 「......良かったら半分食べる?」

 

 「え!いいの!?やったぁ!」

 

 俺はサンドイッチを半分に割り、口をつけていない方を少女へと渡す。

 

 「ありがとう!とっても優しいね!」

 

 俺に礼を言ってサンドイッチを頬張る。

 とても美味そうに食べる。これなら分けた甲斐も少しはあるかもしれない。

 

 「えっと、お席は他にも空いてますけど......」

 

 「いえ!お構い無く!」

 

 「いえ、そうではなくて......」

 

 青髪の少女が俺に気を遣ったのか、桃色の髪の少女に空いてる席への移動を促すが、その意図が伝わらなかったらしい。

 

 俺は大丈夫だよ、と青髪の少女にジェスチャーをすると、申し訳なさそうに小さく頭を下げていた。

 

 

 「えっと、ご注文は?」

 

 青髪の少女が注文を取ろうとすると、桃色の髪の少女が頭の上に乗っている白い生き物に興味を示す。 

 

 「モジャモジャ......?」 

 

 俺も確かに気になってたけど、生き物だったんだ。

 

 てっきりそういうデザインの帽子かと思ってた。

 

 「これですか?これはティッピーです。一応うさぎです......」

 

 

 

 「う、うさぎ!?」

 

 

 

 髪飾りの少女が、うさぎと聞いて嬉しそうに食い付く。 

 

 「ご、ご注文は?」

 

 「じゃあそのうさぎ!」

 

 「非売品です......」 

 

 即座に却下する青髪の少女だが、髪飾りの少女も簡単には食い下がらず、もふもふしようとおさわりをご所望のようだ。

 

 コーヒー一杯で一回もふもふ可能みたいだが、髪飾りの少女はなんと三杯もコーヒーを注文した。 

 

 流石にそれには青髪の少女も驚いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 注文をうけた少女は、コーヒーを淹れ始め、それをうさぎが隣で眺めている。こう見てると、非常にシュールな眺めだ。

 

 「そう言えば、君のお名前は何て言うの?」 

 

 彼女がコーヒーを淹れている間、名前を唐突に聞かれる。

 

 「ジン、芹沢 ジン。そっちは?」 

 

 「保登 心愛だよ~。ココアでいいよっ!よろしくねっ!ジンくん!」

 

 「ココアね、まあよろしく」 

 

 社交性が高く、テンションも高いこの少女の名前はココア。外見的には多分同い年なのだろうが精神的には未熟な部分を感じる。けどまあ、愛想が良くて印象は良い。 

 

 「お待たせしました」

 

 ココアとの軽い自己紹介を終えた直後、テーブルにコーヒーが三杯置かれる。

 

 どれを見ても旨そうだ。旨そうなのだが――――む、無理だろ......これ飲み干すの。

 

 てか、コーヒー淹れるの早くね?

 

 「コーヒー三杯頼んだから、三回触る権利を手に入れたよ~」

 

 「冷める前に飲んでください」

 

 「あうぅ!そ、そうだね!」 

 

 ココアが頭のうさぎに手を伸ばすと、先にコーヒーを飲むよう青髪の少女から制止を受ける。 

 

 ココアはコーヒーをひとくちずつ啜っていく。 

 

 一杯目。 

 

 「この上品な香り、これがブルーマウンテンか~」 

 

 「いいえ、コロンビアです......」  

 

 お次は二杯目。

 

 「この酸味、キリマジャロだね」 

 

 「それがブルーマウンテンです......」

 

 そして三杯目。

 

 「安心する味!これインスタントの――――」

 

 「うちのオリジナルブレンドです......」 

 

 「え............?」

 

 ドヤ顔で全て的外れな答えのココア。

 店のオリジナルブレンドをインスタント扱いはヤバいだろ。

 

 けど、ココアって銘柄の名前とかは知ってるんだな。

 

 「で、でも全部美味しい!」

 

 ココアはフォローをすかさず入れる。まあ、なんのフォローにもなっていないんだが。 

 

 あの銘柄当てゲームは何だったんだ......。

 

 

 

 約束通り、三杯コーヒーを頼んだココアは、うさぎを受け取り、幸せそうな顔をして撫でている。結構だらしない顔になっているが、あえてここは指摘しないでおこう。

 

 「どう?気持ちいい?」

 

 気持ちよさそうなココアの顔を見て、俺も気になってついつい感想を求めてしまう。

 

 「とっても気持ちいいよぉ~。例えるなら~、バケツいっぱいに入ったマシュマロの中に手を入れてるような感覚だね~」

 

 「分かりにくい......!」

 

 その例えはどうやっても想像し難い。

 

 「ハッ!いけない、ヨダレが......」 

 

 惚気すぎたのか、緩んだ口元からヨダレを垂らしそうになり、それを拭うココア。

 

 

 

 「ノォォーーーーーーー!」

 

 

 

 え、え?喋った?

 

 刹那、急にココアの手の中のうさぎが暴れ始めた。俺は驚きで目を丸くしていると、気のせいだと青髪の少女がごまかした。

 

 「それにしても、この感触クセになるな~」

 

 特に気にせずうさぎを頬擦りしたり、抱きしめたりするココア。何だか、うさぎも表情から嫌々撫でられているように見える。

 

 「そ、そろそろ返してくださいっ」

 

 青髪の少女がもう返すよう言っても、ココアは聞く耳持たずにうさぎを撫でまわしている。

 

 「えぇぇい!早く離せこの小娘が!」

 

 喋った!今絶対に喋ったぞこのうさぎ! 

 

 「ふぇ!?なんだか、このうさぎにダンディーな声で拒絶されたんだけど!?」

 

 また暴れだしたうさぎ。今のはしっかりと聞いていたぞ、明らかにこのうさぎが喋った。 

 

 「それは私の腹話術です」

 

 「「え!?」」 

 

 ココアと二人揃って驚きの声が出てしまう。

 

 こ、この子.....冗談とか言うんだ........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「私、春からこの町の学校に通うことになったの~」

 

 「へぇ~、奇遇だな。俺もそうなんだけど、下宿先探してたら迷ってさ。香風さんって人の家なんだけど......」

 

 「えぇ!?そうなの!?私もだよ!引っ越してきたばかりだから、道分かんなかったんだ!」 

 

 ココアもこちらに引っ越してきたばかりの人間なら迷うのも仕方ない。

 

 ..........服のポケットから地図らしき物がはみ出て見えるのはきっと気のせいだ。 

 

 「香風はうちです......」 

 

 チノが香風という言葉に反応して口を動かす。 

 

 「「うえぇ!?」」 

 

 まさか。こんな偶然有り得るか?

 ......偶然を通り越して奇跡だな。

 

 ココアは青髪の少女の手を握り、運命だのなんだのと喜んでいる。

 

 「私はチノです。ここのマスターの孫です」

 

 「よろしくねっ、チノちゃん」 

 

 「はい、よろしくお願いしますココアさん。それと、ジンさん」

 

 「ああ、よろしく」 

 

 いや、本当......奇跡的にも辿り着けたことを心から感謝する。

 

 「それとね、高校の方針で下宿させて頂く代わりにご奉仕しろって言われてるんだよ」

 

 「うちで働くということですね」

 

 「え、俺もなんだけど......」

 

 「え!もしかして!高校も一緒!?」

 

 「そんなことある?」

 

 どうやら、通う高校までも一緒らしい。

 

 「確か少中高一貫で去年まで中等部と高等部は女子制だったんだよな」

 

 「うんっ。今年から共学になったみたいだね。凄い!ホントに一緒の高校だ~!」

 

 「本当に凄い偶然ですね......」

 

 こんな偶然普通起きます?

 

 「でも、家事は私一人で何とかなってますし、お店も十分人手が足りてますので何もしなくても大丈夫です」

 

 ガーンっ。

 

 「いきなり要らない子宣言されちゃったぁ....」

 

 「お役に立てず、申し訳ありません......」

 

 「いえ、そこまでは言ってませんが......」

 

 肩を落とす俺達を見て、申し訳なさそうにチノが言った。

 

 でも必要ないのは事実だもんなぁ......。

 

 「とりあえず挨拶がしたいんだけど、マスターは留守?」

 

 「祖父は去年......」

 

 「そっか......もしや、店はチノが一人で切り盛りしてるのか?」

 

 「いえ、父も居ますし、もう一人バイトの子がーーーー」

 

 チノがそう言い終える前にココアが抱きつく。

 

 「私を姉だと思って何でも言って!!」

 

 不意に抱き付かれて困惑するチノ。

 ココアの行動に俺も少々戸惑う。

 

 「だからお姉ちゃんって読んでっ?」

 

 「じゃあ......ココアさんで」

 

 「お姉ちゃんって呼んで!」

 

 「ココアさん......」

 

 「お姉ちゃんって呼んで!!」

 

 ココアがチノの手を取り、恐喝じみた勢いで迫る。

 

 チノは困った様子で、俺に助け船を出して欲しそうに視線を送る。

 

 「えーっと、チノ。要らないって言われても高校の方針だから俺達の事使ってくれないか?」

 

 「は、はい。分かりました。そう言うのであれば早速働いてもらっても構いませんか?」

 

 「ああ、頼むよ。ほら、ココアも」

 

 「任せてっ!」 

 

 チノは半ば強引にココアから手を離して、

 

 「それでは付いてきてください」

 

 と言って、更衣室まで案内してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 更衣室まで来ると、チノとココアが中に入っていく。

 

 ちょっと経ってチノだけが出てくる。

 

 「今からココアさんとジンさんの制服を持ってきます。ここで待っていて下さい」

 

 「分かった。一応俺も行こうか?」

 

 「いえ、一人で大丈夫です」

 

 チノは踵を返し、トコトコ歩いていく。

 

 それにしてもクールな子だな。ココアには振り回されてる感じだったけど、予想する歳の割には大人びてる。

 

 もしかして歳上だったりする。

 

 更衣室の近くで壁に背を預けながらチノを待つ。

 

 「泥棒さん!?」

 

 更衣室の中から、とても不穏な言葉が聞こえてくる。

 

 俺は反射的に更衣室の扉を開けた。

 

 そこには拳銃の様な物をココアに突き付ける、下着姿の少女。

 

 ダメだ......!何一つ状況が掴めない......!!

 

 「また増えた!?おまえらは誰だ!?」

 

 「きょ、今日からここでお世話になることになったココアです!!」

 

 「お、同じくここでお世話になります!!ジンです!」

 

 「そんなこと聞いてないぞ。怪しい奴らめ....!」

 

 ((今のこの状況で怪しいのはどっちだろう......))

 

 三人の間に緊張が走るなか、チノが俺達の制服を持って戻ってきた。

 

 「何かあったんですか?」

 

 特に驚いた素振りも見せず、状況の説明を求める。

 

 「チノちゃん!強盗が!!」

 

 「ち、違う!!知らない気配がして隠れるのは普通だろう!」

 

 「普通じゃねぇし、その物騒なもんは何だよ!?」

 

 「ご、護身用だ!私は父が軍人で、幼い頃から護身術というか、色々仕込まれてるだけで......普通の女子高生だから信じろ!」

 

 「説得力ないよぉ~!!」

 

 「いいからその銃しまってくれ!おっかないわ!」

 

 いつまで銃を握ってる。

 

 てか、アレって本物か!?

 

 三人で押し問答をしていると、

 

 「あの......制服。.....あと、リゼさんは早く服を着てください」

 

 チノの言葉にハッとする。

 

 下着姿の少女は、自身の状態を把握し、そこに男性である俺がいる事にようやく気付いた。

 

 顔がみるみる赤くなっていき、

 

 「み、見るなぁ~~!!!」

 

 握っていた銃を俺の顔目掛けてぶん投げてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いや、ホントやらかしてしまった.......
皆様、すみません......

お次は誰のlfストーリーが見てみたいですか?

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