こ、これがエーテリアス化か……(違う)   作:エーテル「何それ知らん、怖っ。」

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エーテル吸収した?エーテリアスだな!良し!!

 

 ――異形の化け物へと変身した男、ツガワ・リョウは、受け止めたデュラハンの刃に映る自身の姿を見て驚愕する。

 

 緑の身体、大顎、短い二本の角に、額のサークルに、真っ赤な複眼。

 

 ……こんな異形のエーテリアスになってしまうとは。他のエーテリアスと違いやけに生々しいが……こう言うタイプのエーテリアスも居るのだろう。詳しくはないから分からないが。

 

「ぐっ……ぐァッ……」

 

 刃を受け止めた腕が次第に鋭く痛んでくる。だが、痛みに耐え、強く腕に力を込めて立ち上がれば、刃を押し返すことができた。

 

「――――!?」

「ぐがっ!!……Guuuuuu……ダァッ!」

 

 だが、少なくともリョウは……ツガワ・リョウはまだここに居る。ならば……否が応でもやれることをやり抜く……目の前のエーテリアスを狩れ、襲えと、そうしろと、脳が叫んでいる。

 

 リョウは目の前のデュラハンの腹を仕返しとばかりに蹴りつけて、後ろへと押し出す。

 

「――――ッ!!」

「Guuuaaaa……!!」

 

 リョウは即座にデュラハンへと飛び掛り、奴を力一杯押し出す。

 

 すると、やがてホロウ内の()に当たったのか、リョウとデュラハンはゲートを通るように別の場所へとワープしてしまう。

 

 何処かの路線内だろうか?……いや、そんな事を考えている場合ではないと、頭が叫ぶ。目の前のエーテリアスを見ろと、襲えと猛る。

 

 ……逃げていた子供達の事は、もはやすっかりとリョウの頭から抜け落ちていた。まるで、目の前のエーテリアスを倒す事に意思を乗っ取られたみたいに。

 

「――――!!」

 

 デュラハンは気を持ち直したのか、再びその大剣を構えると、大剣を引きずりながら近づいてくる。

 

 対してリョウは、溢れ出る衝動のままに天を仰いだ……綺麗だが、何処か胡散臭い青空が広がっていた。

 

 そしてリョウは、大顎となった口を大きく開かせながら……吠える。

 

「GAAAAAAAAAAAAA!!!!!」

 

 身体を身震いさせて、大顎となった目の前のエーテリアスを睨みつける。だんだんと近づくデュラハン……しかし、リョウは向こうが近づくのを待ちやしない。

 

 リョウは吠えながらデュラハンへと駆け寄り、飛びかかる。あちらさんは盾で守りに入るが、強引に盾を掴んで無理やり剥ぎ取って放り投げる。

 

「――――!?」

 

 ……これが、エーテリアスの力なのか?まさかここまでのパワーを持っているなんて……だが、その力に惚けてる場合ではない。

 

 いつまた自分がエーテリアスに飲まれるのか分からない……飲まれる前に、目の前のデュラハンをどうにかせねば……狩らなくちゃあ…………()()()

 

 なんで自分は逃げようとしないんだ?なんで身体はデュラハンと戦うことを求めてるんだ?……そもそも。なんでエーテリアス同士で戦ってるんだ?

 

 先程まで勢いに乗っていたリョウの思考は、そんな疑問によって阻まれて、動きを止めてしまう。すると、それを好機ととったのか、デュラハンは大剣を引きずり、リョウへと振り落とそうとしてきた。

 

「ッッ!!GAa!!」

 

 彼は咄嗟に大きく後方に跳んで避ける。デュラハンはコンクリの地面にめり込んだ大剣を重そうに引き抜くと、再び俺を見る。

 

 逃げられるか?いや、逃げたとしても追ってくるだけか……ならば、もうやってやるしかない。

 

「……!!」

 

 リョウは感覚のままに構えて、感覚のままに目の前のデュラハンへと襲い掛かる。

 

 リョウは体術なんて物はてんでしたことがないが、思うままに身体を動かせば、目の前の敵を攻め立てる位は可能だった。

 

 吠えながら殴り、吠えながら蹴り、吠えながら弾き、吠えながら引っ掻き、吠えながら猛る。

 

 まるで、人よりも獣のような戦い方……しかし、リョウにはそれで精一杯だった。生身の人間が化け物相手に出来る事はたかが知れている……例え姿がかわっても、力が増してもそれは変わらない。

 

 だが、それでも彼は目の前の化け物に拳を、暴力を振るい続けた。殴るのも殴られるのも嫌いだったが、それでも彼は只管に殴り続けた。

 

 デュラハンも黙ってやられるわけがなく、その大剣を振るいお得意の瞬間移動じみた高速移動で間合いを取ってくる。

 

 そうなれば、リョウは身体の底から溢れる力をデタラメに振り絞り、地面を蹴り上げてデュラハンへと飛びかかる。

 

 デュラハンばカウンターのように大剣は振りかざしてくるが、もはやその程度のスピードの斬撃は今の俺の身体には、咄嗟の反射で防ぐことが出来る程度のスピードだった。

 

「GAAAAAAA!!!!」

「――――!?」

 

 リョウは両腕でデュラハンの大剣を受け止めると、勢い良く剣を力を乗せて弾く。

 

 すると、デュラハンは大きく仰け反り、その胴体ががら空きになる。

 

 その瞬間、リョウは強く強く右腕の拳を握りしめ、弓の弦を引き絞るように腕を引き……やがて全力でその腹へと拳を打ち付ける。

 

 すると、それと同時にその腕から素早く金色の(クロウ)が飛び出してくる……クロウはデュラハンの腹を割いて、キャタピュラよりも、重く確実な一撃をその胸へと突き立てた。

 

 

 結晶的な身体の見た目に反して、割いて貫いた拳の感覚は、嫌ぁに生々しかった。

 

 リョウはゆっくりと腕をデュラハンから引き抜き、震える足で後ろへと下がる。

 

「―――――」

「GAAAAA…………!!」

 

 デュラハンは、やがてその場に中身がなくなった鎧の様に崩れ去りながら、その姿を散らす……俺は、只管に矢継ぎ早に息継ぎをして、その場に伏せる。

 

「GAAAAAaaaaaa………?」

 

 何故だろう、一通り終わったからか、リョウはやけに頭が清々しい。今なら大抵の事は赦せそうな気分だ…………賢者モードってヤツだろうか?

 

 不意に近くにあった結晶が、その結晶に反射する自分の姿と目が合ってしまう。リョウは恐る恐る結晶に近づいて、自分の姿を見る。

 

 深緑の身体に真っ赤な複眼、頭部に映えた角は、さっきデュラハンの刃越しに見た時よりも更に長く、鋭くなっていた。

 

 リョウは異形と成った自分の手で、結晶に映る自分の姿を撫でる。

 

「これが……エーテリアス……なのか?」

 

 リョウの問い掛けに答える者は誰一人としていない。居るのは、誰も知らない、何も分からない、アンノウンのエーテリアスへと変わって居たリョウだけだ。

 

 自分は人で沢山だったのに、どうやら人間とは別のナニカに成ってしまったらしい……その受け入れがたい真実が、リョウを襲う

 

 ……自分でも自分がよく分からなくなる中、次の瞬間俺の視界が歪む。

 

「ぐぁ……」

 

 思わず倒れそうになった身体に力を込めて、なんとか意識を保つ……そしてまた結晶を見ると……リョウの姿は、彼のよく知る彼自身へと変わって居た。

 

 バイト帰りに着ていたジャンパーを羽織っている男――ツガワ・リョウ、その人がそこに立っていた。

 

「……っ!?」

 

 彼はてっきりエーテリアスに成ってもう戻れないと思っていたのだが……どう言う事なんだ?……そんな俺の疑問に答えるよりも早く、リョウの身体が異常を示した。

 

 ……先程まで地面を確りと踏みしめられていた筈の足が大きく震える…………そう、立てないのだ。いや、脚だけではない、身体全体に力が入らなくなっている。

 

「うっ……あぁ?……」

 

 顎が震えて、うまく言葉を発せない……立つこともまま成らずに、目の前の結晶へと倒れ込む。ぐったりと、結晶を身を乗せるしか無い中で、不意にリョウは俺の腕を見る……

 

 一瞬ぼやける視界を、無理矢理擦ってピントを合わせると…………彼の腕は、皮膚が伸び血管が浮き出るほど痩せこけ……まるで老人の様な干からびた腕へと……

 

「っ!?……こ、れは……っ?」

 

 驚きのあまり、老化した腕でエーテルの結晶へと触る……すると、また驚く事に、エーテル結晶に触れた指先から、まるで波が収まる様に老化が治っていく。変わりに、結晶は少しだけ削れてしまっていた……

 

「……?」

 

 リョウは、自分の身に何が起こっているのかなんて一切わからなかった。自分が今、なんなのかどうなっているのか……その確証一つとて持てない。

 

 あるのは……自分が人ならざる者へと姿を変えた真実それだけだ。

 

 ……エーテルの結晶に触れると、自然とぼやけていた視界も戻ってきた……だが、何故だろうか?リョウは酷く疲れてしまった。

 

 本来ホロウの中で寝るなんて言うのは自殺行為にも等しいのに、エーテリアスにいつ変わるのかもわからないのに……そんな緊迫感よりも、リョウは疲労によって眠る事を優先しそうになる。

 

 ……どの道、もう既に()()()()いるのであれば、このまま寝たとしても問題ないだろう。リョウの中で、そんな言い訳が立つと、リョウはそっと瞳を閉じそうになる。

 

 

 

 

 

 

 だが、リョウが眠る事を許さない者が居た。

 先程、デュラハンと戦った時に聞こえた『声』だ。

 

 その声は、リョウの脳に直接語りかけるように只管に呟いた。

 

――立て――と。

 

――立ちあがれ――と。

 

――立って進め――と。

 

「あっ……ぐぁ……あぁ!!」

 

 只管に「立て」と「進め」連呼し続ける声に突き動かされるように、リョウはいつの間にか震えの止んだ脚を使って立ち上がり、歩き始める。そこに、リョウの意識が介在していないのはさておいて。

 

 リョウは歩く、ホロウの中を、頭に響く声が示す通りに、歩くしなかった。したがっている間は、少し心が楽になれるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――歩いて、歩いて、歩き続けて、漸く声が止んだのは…………声に導かれた先にあった場所から、ホロウの外に出られた時だ。

 

 人通りの少ない通りで、リョウはその場にしゃがみ込む。

 

 漸く声が止んで、気が楽になれた……ゆっくり出来る。そんな思いと共に、青天を仰ぐ。

 

 ……そして、落ち着いてきたタイミングで、無数にある奇怪な点から明らかにおかしな点に気がつく……「何故自分はホロウの外に出られたのか?」

 

 エーテリアスと言うのは基本は外に出られない。

 

 ならば、リョウが出られたのは何故か?

 

 ……答えは出てこない。エーテリアスでは無いナニカに成り果てたのか?

 

 ならば、あの時俺の腕に現れた結晶は?

 

 ……あの、エーテル結晶に触れて老化が治まった点こそ、エーテルを吸収しエーテリアスに成った証なのではなかろうか?

 

 

 

 

 だが、リョウはそれ以上考えることはしなかった。

 今、自分がここに居て、今の俺は人間である……その事実だけで十分だ、変わりたくない。

 

 人でなくなりたくない……もし、今の自分が既存のエーテリアスとは違う異種のエーテリアス(異形)に成ったとしても、今の自分は人間だ、それでいいじゃないかと思考を回すのをやめる。

 

「……家。帰ん、なきゃ。」

 

 リョウは静かに言葉を漏らすと、静かに立ち上がりそのまま、通りへと出ていくのだった。

 

 

 




早く……早くエージェント出してぇよ!!パエトーン出してぇよ!

オリ主:人間で居させてください(懇願)
ギルス:駄目です。
オリ主:ああぁぁぁぁぁ!!!
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