実力至上の学校に入学しました(いいタイトルが浮かばないので仮題) 作:シュンちゃん
水分補給しっかりしましょう
今俺はパソコンの前にいる。設置した複数のモニターには見慣れた画面が広がっている。手元の液タブにもいつもの画面と専用ペンもある。いつもは画面に出てくる律も今はなりを潜めている。
そう、今俺は仕事をしている。4月の間は新生活という事で抑えて貰っていたが、1ヶ月も経てば大丈夫と思ったのだろう、先方から依頼が舞い込んできた。律に事情を話すと暫くは出てこないようにしてくれるそうで、静かな環境で作業に没頭出来る。たまに端末に着信が来るが、恐らく学校に来いという堀北さんからの催促の連絡なので無視する。茶柱先生に連絡すると出席点もポイントで買えるらしいが、そもそもクラスポイントは0だし、下がるポイントも無いので無断でサボろうとも思った。でも律に速攻でバレたので出席点を購入。とりあえず欠席する事を伝え、作業に手を付けていた。カキカキ。
...静かだ。いつもは律だったり、夕方には佐倉さんや神室さんが部屋に来るので静かになるなんて初週以来かもしれない。佐倉さんは最近はよく勉強を教わりに、神室さんもいつの間にか入り浸る様になっていた。しょっちゅう来るもんだから2人は顔見知りになってた。しかも俺の知らないうちに律とも知り合っており、口外しない事を条件に彼女に勉強を任せている。
気がつけば日は傾き、空は茜色に染まっていた。作業が一段落し、気分転換に夕飯の準備や風呂掃除なんかをしていると、呼び鈴が鳴った。チリーン。
「こ、こんにちは」
「こんにちは、佐倉さん」
来客は佐倉さんだった。どうやら今日も勉強しに来たようだ。
「神室さんも来るそうです」
「りょーかい。ご飯食べてく?」
うちに来るとご飯を食べてから帰るのがいつもの流れになっている。
「お願いします」
「んじゃ準備するから勉強しながら待っててね」
端末を取り出し律を呼び出す。
「おーい律。また勉強を教えてやってくれ」
...
あれ?反応がない。と思ってメールに目を通すと、どうやらシステムメンテ中のようで、今日1日律のシステムが動かせない、と書き置きみたいなメールが届いていた。先に言っておいて欲しかった。しかし居ないものは仕方ないので今日は俺が勉強を見ることにしよう。ヌルフフ。
「という事で今日は俺が勉強を教えます。分からないところはすぐ聞くように」
「お願いします、先生」
佐倉さんと勉強を始めて少し、神室さんもやってきた。鍵は開けてるけど呼び鈴鳴らして欲しい。俺の部屋なんだけど。
「珍しいわね。今日は律じゃないんだ」
「律はメンテ中。だから今日は俺が教えてる」
神室さんも座り、勉強に参加する。彼女は別に急いで勉強しなきゃならない程成績が悪い訳では無いが、せっかく勉強をしているのだからとよく混ざって勉強している。うちのクラスの馬鹿どもに爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。
そろそろ20時に迫ろうという時間でお開きになった。俺は聞かれた質問に分かりやすく解説を入れていただけだが、2人にとってはあっという間だったらしい。それだけ集中出来たという事だろう。
「ありがとうございました」
「これぐらいどうって事無いよ」
「でも授業は出た方がいいと思います」
「なに?今日サボったの?」
「あっはっはっは」
「笑って誤魔化すな」
ダメですか。
「行った所で既に履修済みの内容だし、行かなくても減らされるポイントもないし。だったら今は自由にやらせてもらおうと思ってね。それに出席点はポイントで買えたからもしクラスポイントがあっても影響はないはずだ」
「それでも、出れるなら出た方がいいと思います」
「まぁその気があったらね」
「『行けたら行く』と同じくらい信用出来ない...」
先に行った神室さんを追うように佐倉さんも帰っていく。エレベーターに乗るのを確認した直後に端末が鳴る。律も帰ってきたようだ。
『ただいま戻りました』
「ここ廊下ね?」
『...』
流石に誰かに見つかるのはまずいのですぐに黙ってくれた。さっさと部屋に戻ろう。スタコラサッサ。
部屋に戻ってしばらく律に構って寝る。きっと明日も学校をサボって仕事するだろう。ZZZ...(ゼットゼットゼット)