実力至上の学校に入学しました(いいタイトルが浮かばないので仮題) 作:シュンちゃん
紙に書かれていたのは上から成績順で、1番上は100点と記された生徒が複数いた。まぁ当然だろう、なにせ過去問というチートアイテムがあったのだ、今回に限り覚えてさえいれば満点など誰でも取れるようになっている。だが悲しい事にそのカンペがあったにも関わらず満点の取れていない者もいる。まぁ凡ミスとかド忘れとか、要因は色々ある。
「正直に言って、感心した。お前らがここまでの高得点を取るなんてな。満点が10人以上いる科目もある」
珍しく茶柱先生からお褒めの言葉を頂いた。
「お前たちが頑張った事は認めている。だが、お前は赤点だ。須藤」
しかし一転してただ1人に赤点通告が下された。英語の、というか全ての科目において最下位辺りを彷徨いている須藤の名前。特に低いのは英語の41点だった。
「嘘つくなよ!赤点は31点じゃねぇのかよ!」
「誰がそんな半端な点数が赤点だと言った?この学校における赤点ラインは平均点の半分、今回の英語の場合は高得点が多いからな。その分赤点ラインも高くなっている。あと2点あればセーフだったんだがな」
吠えるヤンキー君に冷静に対応する先生。過去問という裏技があったからこその高得点。そしてそれによる平均の上昇。
「...ふざけんなよ...納得出来っかよ...」
力が抜けていくように椅子に崩れ落ちていくヤンキー君。ふざけんなって言うけど自業自得ってやつだ。諦めろ。
「納得出来ようが出来なかろうが退学は決定した。退学届けは放課後提出してもらうが、その際に保護者の同伴が必要になるので、こちらから連絡しておく」
淡々と、あくまで事務的に紡がれる茶柱先生の言葉が事実として俺たちに降りかかる。
「本当に救済措置はないのですか?」
「ない。これはルールだ」
バッサリ切り捨てる。
「では、須藤君の答案を見せてください」
「構わんぞ。採点ミスはないがな」
こんな事を予想していたのか、ヤンキー君の答案は持ってきているようだ。
その答案を確認して、
「採点ミスは...ない」と零した。
「納得したか?須藤の赤点は変わらない。他の生徒はよくやった。次の期末テストでも赤点を取らないよう精進してくれ。須藤は放課後職員室に来い」
教室内はもはやお通夜と同じくらい暗い雰囲気になっていた。よよよ。
「幸村君」
「...なんだ」
「残念ながら引き分けだね。2人ともオール満点。決着は期末かな?」
「今そんな話をしている場合じゃないだろう...この雰囲気がわからないのか?」
「わかるよ?でもそれと俺たちの勝負には関係ないよ。それにこれはただの勝敗の確認なんだ。何も変な事は無いだろう?で、どうする?期末に持ち越すかな?」
「...ああ、次で決着をつけよう。過去問もないだろうしな」
昼休みになっても暗いままだった。でもそれとは別に平田の様子がおかしかった。なにかずっとブツブツ呟いている。内容は聞こえなかった。なんか怖かった。とりあえずスルーしとこう。
「ヤンキー君」
「...んだよ」
「バスケしようか」
「はぁ...?」
「君が勝ったら10万ポイントタダであげよう」
「今更意味ねぇだろ...」
「以前茶柱先生に聞いたんだけど、テストの点数を1点5万ポイントで売ってくれるらしいよ」
「...マジか?」
顔を上げるヤンキー君。跡ついてるw
「先生の言ったことが間違ってた事があった?ここの教師は絶対に嘘をつかない。学校のシステムについてはね」
「負けたら?」
「俺から10万ポイントを借金として貸して上げる。利子無し、期限は1年の間、期限過ぎたら退学して貰うって契約で」
「...」
寝た?考えてる?考える脳があるのかい?
「いいぜ、やってやる」
結局、ヤンキー君は俺とバスケ勝負をする事を選んだ。るーるは3ポイント先取。まぁバスケするだけでとりあえず退学は取り消せる様になるからやり得ってやつだ。しかし、
「これでプロを目指すって本気かよ...」
「んだと!?」
筋は悪くない。日本の高校生としては申し分ない能力。1年でもレギュラーになれる逸材だろう。日本ならば、だけど。
「こっちは本場アメリカでずっとやってたんだ。日本の高校レベルなんて」
アメリカ仕込みの俺からすればヌルすぎる。多分ジュニアチームでも須藤レベルはうじゃうじゃいるだろう。俺が一緒にバスケしてたのはプロチームの候補生とだったから基準はずれているかもしれないが。トム元気かな?
「クソッ...がぁ!」
結果は3-0で俺の圧勝に終わった。そしてヤンキー君は俺から10万ポイントを借金し、赤点分の点数を補填し、退学は取り消しとなった。めでたしめでたし。
トムの勝ちデース。
6月にまいりまーす。