実力至上の学校に入学しました(いいタイトルが浮かばないので仮題) 作:シュンちゃん
6月も終盤に差し掛かったある日、気分転換にと佐倉さんと特別棟で写真撮影に来ていた。
「やっぱプロは構図とか拘ってるね。素人の俺なんかとじゃ全然違うや」
モデルとして活動していたためか写真に詳しい様で、映える構図や良く見せられるポーズなんかを教えて貰った。
「でも、飛鳥君もすぐ理解して最初よりずっと綺麗に撮れてるよ」
この頃になると俺に対しては自然な感じで喋る様になった。他の人の場合はいつも通りだ。
「教え方が上手いからね。分かりやすかった...ん?」
「どうしたの?」
「足音がする。誰だろう、こんな所に」
僅かに下の方から足音が響いてくる。それも複数いるようだ。そしてどんどん上のフロア、つまりこの2階に近づいている。
「誰か来た、ちょっと隠れよう」
「えっ?えっ?」
戸惑う彼女の手を引いて階段とは逆方向に向かい身を隠す。しばらくすると見覚えのない男子3人とヤンキー君がさっきまで俺達の居た辺りまで来た。
「こんなとこで何やってんだ、あいつら」
とりあえずカメラを起動させ、映像として記録する。
「あの、なぜ録画を?」
「この特別棟には監視カメラがないから。なにかあっても証拠にしにくいと思う。だからこれで録画して事を抑えるんだ」
声を潜めて会話する。その間も話は進み、どうやらヤンキー君は煽られ、Dクラスであるのにバスケのレギュラーになれそうなことに文句を言われているようだった。ヤンキー君も苛立ちが募り、
「ふざけんじゃねぇ!!」
「ヤバいだろ、佐倉さん、カメラ向けといて!」
「えっ!?」
カメラを起動したままの端末を佐倉さんに任せ飛び出していく。暴力は流石に不味い。どんなペナルティがあるか分からない以上、野放しに出来ない。
「ああん!?」
全力で走ってヤンキー君の前に立ち塞がる。
「んだよ、邪魔すんな!」
「な、なんだよお前」
「初めまして、Dクラスの飛鳥巡です」
「呑気に自己紹介してんじゃねぇ!」
「黙れよ。負け犬」
「ぐっ...!」
ヤンキー君に背を向け、見知らぬ3人の方を向く。
「はっ、お前もDクラスかよ」
「それがなにか?」
「なんでもないさ。ただ...」
1人の目線が俺の後ろに向く。
「こんな不良品と一緒じゃあ大変だろ?」
「おい、こいつも不良品だろ?なんせDクラスなんだからよ」
「それもそうか」
言いたい放題言ってくれる。理由を知ったらどんな顔するかな?
「とにかく今はお前に用はない。あるのは須藤のほうだ」
「ああ、おい須藤、さっさとレギュラーから降りろ。クズのお前には不相応だ」
「てめぇ...!」
「おいおい、困ったら暴力か?ポイントが減っちまうぞぉ?」
「上等だ!こちとら減るもんなんてねぇんだよ!」
「おい、やめっ!!」
3人を庇うように動くが、ヤンキー君の振り上げた拳が俺にぶつけられる。バランスを崩し、床に倒れる。痛い。けど床冷たくて気持ちいいわ。
そのままヤンキー君は3人相手に殴る蹴るを繰り返す。3人は抵抗せずただ暴力を受け続けている。俺?そのままじっとしてる。
しばらくして満足したのかヤンキー君はさっさと降りていった。
「おい、大丈夫かよ」
なんと俺はボコボコにされた内の1人に声をかけられた。
「大丈夫。床が冷たくて気持ちいいんだ」
「あ、そう...」
「あいつ訴えるなら協力するよ。俺も被害者だし」
「元からそのつもりだ。けどいいのか?同じクラスだろ」
「暴行は罪だ。罪には罰がいる」
ある程度訴えに対して話をして彼ら、石崎らは先に帰って行った。そこでようやく佐倉さんがこちらに近づいてくる。
「だ、大丈夫?」
「これくらいなら。それより録画ありがとう」
端末を受け取ると、映像を確認する。バッチリ暴行の瞬間を捉えていた。
「さて、力には責任が伴うって事を教えてやろう、クソ野郎」
その日の怪我はその日の内に。という事で保健室に行き湿布を貰い、星乃宮先生の追求を放って帰宅。これからの動きをどうするか、考えるのだった。
暴行事件発生です。しかも被害者になりました。ドウジデコンナゴドニナルノ!