実力至上の学校に入学しました(いいタイトルが浮かばないので仮題)   作:シュンちゃん

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寒いので初投稿です


1話

今俺はバスに乗っている。高度育成高校まで駅からバスが出ているのでそれを利用する。この高校、卒業か退学か、はたまた余程の事が無い限り校外とは接触出来ないそうで、在学中は敷地内で生活しなければいけないという。

 

「うーん、聞けば聞くほど監獄じゃないかね」

 

まあ治外法権というわけじゃないから犯罪とかしにくいだろう。国立だし。

 

「監獄じゃなきゃ鳥かごとか、動物園か」

 

こんな環境で優秀な人材育成なんて出来るもんかね。絶対やばい人間が大量に生産されるぞ。ウッキー!

バスには俺と同じような制服を来た新入生はほとんどおらず、せいぜい2、3人が乗っている位だった。始業に合わせてバスは出るそうだが、混みそうなので早い時間のバスを選んだが正解かもしれない。空いてる交通機関っていいね。ゆったり出来る。

 

学校に最寄りのバス停で降りると、覚えのある男性が立っていた。

 

「烏間さん?どうしたんですか、こんなとこで」

その男性は殺せんせーと同じく俺たちの恩師の1人、烏間惟臣だった。

「久しぶりだな、飛鳥君。君に話しておきたい事があってここで待っていた」

「待っていたって、まだ6時半ですよ?なんでわかったんですか」

「時間は律に聞いた。今くらいの時間にここに来るだろうって」

「わー優秀ダナー電源切っとくか」

まさか勝手に位置情報抜かれるとかどんなスパムだ。怖すぎる

 

「私のアプリが入っているケータイやタブレット、パソコンならネットに繋がっている限り情報を共有出来るんです」

烏間さんのスマホから声が聞こえる。画面には女の子が映し出されている。

「あの、個人情報だし、怖いから情報すっぱ抜くの辞めてもらっていいですかね。律さん」

彼女は律。正式名称は『自律思考固定砲台』。殺せんせー暗殺用のプログラム。殺せんせーの手入れによって協調性や人間らしさを手に入れたAI娘だ。ちなみにE組のみんなのスマホに『モバイル律』が入っており、どこでも誰とでも一緒にいる。情報共有もしているので齟齬もなく対応出来る。オーバーテクノロジー過ぎる。

 

「はぁ...で烏間さん、話っていうのは?」

「なに、大したことじゃない。この門を潜るとしばらく会えなくなってしまうからな。教え子の門出を見送りに来ただけだ。」

「そんなのしなくていいのに、わざわざありがとうございます」

「君が気にすることじゃない。俺も勝手にここに来ているからな。頑張って来い」

「はい。行ってきます。烏間先生」

俺と烏間さんは固い握手をし、校門を潜った。ここからは俺は1人だ。スマホも使えないので律も居なくなる。だがそれが普通だ。など考えながら校門を潜った。

 

少し進むと看板が出ていた。あそこでクラス分けが張り出されるのだろう。人も居ないしササッと確認してしまおう。

「Dクラスか...」

やったね!Eより1個上だよ!なんて言っても4クラスでA~DなのでEなんてなりようはない。結局下から数えた方が早いのは変わらないが。

 

「ん?新入生か。早いな」

クラス分けを見ていると後ろから声を掛けられた。どうやら男の様だ。

「はい。新入生の飛鳥巡です。あなたは?」

「俺は3年の堀北学。生徒会長をしている」

掛けて来たのは生徒会長だった。

「お前は確か、Dクラスだったか」

「新入生の振り分け、知ってるんですか?」

「後ろにクラス分けが張り出してあるだろう」

「名前聞いただけですぐにクラスが分かりますかね」

「たまたま目に着いた部分に名前があっただけだ」

「ふーん、そういう事にしときます。ところで何故会長がこんなところにいるんですか」

「ここは寮と校舎の間の通りの傍であり、目を向けたら人影が見えたのでな。新入生と思い声を掛けた」

「こんな時間に学校に行くなんて、生徒会長って忙しいんですね。」

「新学期はだいたい忙しい。入学式の準備があるからな」

「うへぇ、大変だぁ」

俺だったら生徒会長なんてやらないなぁ。大学の論文書いてる方が楽そう。

 

「既に教室は空いているだろうが、暇なら寮に行って部屋を見てきてもいいだろう。寮管に言えば部屋番を教えてくれる」

「じゃあちょっと見に行ってきます」

そう言って会長が来た方向に歩いていった。

 

不思議な男だった。少し会話した程度だが、どこにでもいる男子学生。願書にあったような知性や懸念された問題点はあまり感じられない。まさに歳相応だった。

「『突出した知性』と『高度な身体能力』、そして『洗脳された可能性』か」

彼『飛鳥巡』の調書と願書を見た時は驚いた。当時世界を震撼させた事件に関わっている人間が高度育成高校を受験したのだから。願書は問題ない。幼少からアメリカで過ごし、飛び級で大学まで卒業。日本に14で帰国し日本の中学校で再度学生に。中々に異色の経歴だが、異常だったのは調書の方だった。

『飛鳥巡は1年間、件の化け物の元で中学校生活を送っており、あの異形の化け物を尊敬していると思われる為、洗脳されている可能性がある』

と記されていた。

誰がどんな人物を尊敬しようがそれは個人の自由だ。つまり、飛鳥巡は例の化け物に尊敬出来るところがあるから尊敬しているのだろう。だが、本当に洗脳されているならどうだろうか?そんなことをする理由など検討もつかない。そもそも既に化け物は消えたと報道もされている。ならば洗脳も消えるのではないだろうか。

「考えても無駄だな」

あまりにも現実離れしている事象に思考を巡らせても無駄だ。そう切り捨て、俺は校舎に歩き始めた。

 

 

会長と別れ、提案された通りに寮に向かっていた。全ての生徒が住み込むためか、めちゃくちゃデカイ、寮と言うよりマンションとかの方がしっくりくる程巨大な建築物が寮なのだろう。早速中に入り、寮監を尋ねる。新入生という事を伝えると、寮の仕組みやルールを教えてくれた。男女でフロア分けされていたり、食事の時間だったり、後は非常階段は外にあるなど、必要そうな事を教わり、最後に部屋番も教えてもらい、ルームキーとなるカードを貰った。部屋の机にスペアキーがあるが、無くさないよう言いつけられた。

 

エレベーターでフロアを上り、自分の部屋を目指す。このフロアが今年の新入生に与えられたフロアで学年ごとに分けられている様だ。渡されたカードキーと同じ番号の部屋を見つけ、カードリーダーにカードキーを通す。ガチャっと鍵の開く音の後ドアを開く。部屋には朝焼けが差し込むも薄暗さが残るので電気を付ける。キッチンに向かいガスと水道の確認。火も着くし水も出る。問題無さそうだ。それから部屋を見渡すが、机と椅子、ベッドといったシンプルな家具と1人分の食器が置かれている。風呂場にはシャンプー類はなく、これも調達が必要そうだ。

「必要なもののリストでも作っておくかな」

そう言いながら必要と思ったものを片っ端からリストアップしていく。




主人公は1度見聞きしたものは絶対に忘れません。敢えて思い出さない様にしている時もあります。
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