実力至上の学校に入学しました(いいタイトルが浮かばないので仮題) 作:シュンちゃん
気絶したヤンキー君は保健室に運ばれ、審議は終了した。このまま残っていてもしょうがないから帰ろうとしたのだが...
「今、須藤君に何をしたの...?」
弁護人だった堀北さんが恐る恐る聞いてくる。他にも堀北会長や橘先輩、それにCクラスの人たちに先生方も興味があるのか俺の口が開くのを待っていたようだ。
「何...って、意識を奪っただけだよ。2回も殴られたくないし」
「そんなのは見れば分かるわ。どうやって意識を奪ったのか聞いているの」
「知ってどうするの?まさか自分にも出来るかも、なんて思ってるの?」
相手の意識に合わせて1番効果のあるタイミングで発動させる。ただのねこだましだが、波さえ合わせれば単なるパンチよりずっと威力はある。
「辞めた方がいい。こんなの覚えても使い時なんてそんなにないと思うよ。それにこれは必殺技だから」
「必殺技?随分子供っぽいのね。それを編み出した人は」
「教えてくれたのは本物の殺し屋。だからこれは『必』ず『殺』す『技』ってわけ」
今は現役を退いたMr.ロブロ直伝。渚はすぐコツを掴んでものにしたけど、俺は少し時間がかかったものだ。
「...っ、あなたは、一体何者なの?」
「ただの高校生だよ。君と同じね」
そう言って俺は部屋を出ていく。そうだ、俺は、俺たちはもう暗殺者ではない。特殊な訓練を受けただけで、結局は普通の15才の子供だ。だから暗殺の技能はなるべく封印しよう。普通の子供である為に。
「茶柱先生」
「なんだ」
堀北鈴音は今自分の中にある疑問を解決しようと必死になったのだろう。訳知り顔の茶柱紗枝に問いただす。
「彼は、飛鳥巡は何者なのですか」
「それは個人情報だ。私から教える訳にはいかんな」
「なら...」
堀北は端末を取り出そうとするがそれより早く、
「ポイントを使っても、飛鳥の個人情報を教える事はできない」
「それは何故ですか。ここではポイントさえあれば多少の無理もまかり通るはずです」
「それでもだ。飛鳥巡に関する情報は本人から話さない限り、どんな事があっても我々からは教えられることは無い。これは学校側、というより政府からの命令となっている」
3月のニュースを見ていれば、あるいはネットニュースを見ていれば、ある程度情報は手に入れられていただろう。しかしニュース記事はE組生徒の個人情報保護の為情報規制があり実名報道もされず、誰が関わっていたかなんて関係者と現地の人間くらいしか分からないだろう。しかしそれ以前に。
「そもそも、個人情報を買えるだけのポイントはあるのか?」
「っ、それは...」
今日に至るまでDクラスは収入ゼロ。ただ減る一方の現状では対したものなど入手出来ないのが現状だ。
「良い機会だから教えておこう。個人情報が欲しいのなら最低でも30万からだ。しかし、飛鳥の場合に限っては事情が異なる為、10倍以上はかかるだろう」
「何故、そんなに...」
「10倍というのは私個人の予想だ。実際に上と掛け合ってからじゃないと私にもわからん」
「どうして、どうなっているの...?」
この話を聞いたCクラスの3人は驚きを隠せない様子だ。綾小路清隆は相変わらず無表情である。生徒会の2人は情報がある程度寄越されているので、驚きはしなかった。
「話は終わりか?生徒会の2人にはこの後も仕事があるし、ここで解散だ」
こうして審議は終了し、それぞれも解散した。
審議編、終了。次はストーカー戦