実力至上の学校に入学しました(いいタイトルが浮かばないので仮題)   作:シュンちゃん

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まだ暑いので初投稿です


27話

 

「あ、そうそう。アンタにお土産持ってきたから。必ず役立つはずよ」

 

イリーナから何かが入った紙袋を押し付けられた。重さからして衣類っぽい。覗くとジャージのようなものが入っていた。

 

「じゃあ渡す物渡したし、私は部屋に戻るわ。次会うのは島の中かしらね」

 

部屋に戻って紙袋をひっくり返す。中には学校指定のジャージが上下セットと、一通の手紙が入っていた。

 

『このジャージは超体操服と同じ機能が備わっている。これを着用し、鷹岡を捕縛してほしい。君には迷惑をかけるが、どうかよろしく頼む。烏間惟臣』と書かれていた。

デザインは学校指定ジャージと全く同じなので、見ただけで判別は出来ないだろう。しかしただの衣服に光学迷彩やら耐熱性やらどうなっているのであろうか。まあせっかくの支給品だし、ありがたく使わせていただこう。クンクン、新品臭。

 

「ん?」

 

空になった紙袋を畳もうとすると、変な重さを感じた。紙袋なんてそんなに重くならないはずだ。さっきひっくり返したから中に何も無いのは分かっている。なので光に当てて透かしてみた。

 

「...あ」

 

これも使えってことですか。

 

 

『生徒の皆様にお知らせします。お時間がありましたら、是非デッキにお集まり下さい。まもなく島が見えて参ります。暫くの間、非常に意義のある景色をご覧頂けるでしょう』

 

なんてアナウンスがあったら行くに決まっているのが人間というもの。デッキに近づくにつれ人数が増えて来る。まるで餌に群がる魚のよう。

 

「おい、邪魔だ、どけよ不良品ども」

 

一人の男子が偉そうにデッキにやってきた。

 

「何すんだよっ!」

 

この声は我がクラスの山内のもの。どうやらDクラスの誰かが突き飛ばされたようだ。

 

「お前らもこの学校の仕組みは知ってんだろ?ここは実力主義の学校だ。Dクラスに人権なんかない、こっちはAクラス様なんだよ!」

 

同学年にこんな差別主義者がいるとは...時代錯誤にも程がある。この発言をSNSで拡散されれば大炎上不可避だな。っていうかAクラスなのかよ。神室さんや坂柳さんも大変そうだ、あれと一緒のクラスだなんて。能力はあるかもしれないが、性格に問題ありだろうどう考えても。

 

「おい、お前もさっさと退けよ」

 

偉そうに俺もどかそうとしてくる。しかし退く理由も義理もないので無視する。あれが無人島...なんか洞窟とかあるみたいだけどあれ掘ったのか?だとしたらなんの為に?それに寝泊まりに使うはずのペンションやら小屋の類も見当たらない。バカンス、だよね?サバイバルとか黄金伝説とかじゃないよね?

 

「おい!聞いてんのか!?」

「なんだ?なんの騒ぎだ」

「あっ葛城さん!それが...」

 

葛城さんと呼ばれた男は偉そうな男から話を聞いているみたいで、聞き終わってこちらを向いた。

 

「ウチのクラスの者が失礼な事に言ったようだな。申し訳ない」

「ちょっ!?葛城さん!?」

「黙れ、お前は自分の言動の危うさを理解しろ」

 

なんと頭を下げて謝罪してきた。

 

「気にしなくていいよ。それに君が頭を下げる必要は無いんじゃないかな?君が何かしたわけじゃないでしょ?下げるべきはそっちの彼の筈だ」

「確かにその通りだ...弥彦」

「ぐっ...悪かったよ」

 

葛城に促され、渋々と頭を下げる。内心では納得していないだろう。

 

「まぁ他人に指摘されてから謝罪している時点でその謝罪に価値は無いけどね」

「ぐぅ...」

「まぁ今回は許してあげるけど、葛城くん?に感謝するんだね」

「そういえば名乗っていなかったな。Aクラスの葛城康平だ」

「Dクラスの飛鳥巡です。どうぞよろしく」

「お前が...あの」

「おや?俺の事知ってるの?」

「いや、名前くらいだ。そうかお前が...」

 

何やら考え込む葛城君。

 

『これより、当学校が所有する孤島に上陸致します。生徒の皆様は三十分後、全員ジャージに着替え、所定の鞄と荷物をしっかりと確認した後、端末を忘れず持ちデッキに集合して下さい。またしばらく御手洗に行けない可能性がありますので、きちんと済ませておいて下さい』

 

いつの間にか島に着いたようだ。周りもほとんど人が居なくなっており、それに続くように俺たちもそれぞれの部屋に戻った。

 

新しいジャージよし、新調したシューズよし、鞄と荷物よし、端末よし、トイレよし。デッキに向かおう。

 

デッキには既に準備を終えた生徒が集まっていた。全員が集まるとAクラス担任の真嶋先生が拡声器を持って話しかける。

 

「ではこれより、Aクラスの生徒から順番に降りて貰う。それから島に携帯端末の持ち込みは禁止だ。担任の先生に各自提出し、下船するように」

 

...うん、絶対バカンスじゃない。サバイバルだこれ。下船する際も先生からありがたいボディチェックを受ける。全身くまなく探られ、随分徹底している。最後の生徒が島に降りると、真嶋先生がまた話し始める。

 

「今日、この場所に無事につけたことを、まずは嬉しく思う。しかし、1人の生徒は上陸できなかったことは非常に残念でならない」

 

きっと坂柳さんだろう。そういえば船にもいないみたいだったし、学校に残っているのだろう。

 

「ではこれより、本年度最初の特別試験を開始する」

 

...俺、特別試験しながら鷹岡探すの?

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