実力至上の学校に入学しました(いいタイトルが浮かばないので仮題)   作:シュンちゃん

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36話

夕方まで暇になった俺は慣らしも兼ねて食料探しに出る事にした。同じタイミングで一之瀬さんも探しに出ると言うので、荷物持ちのつもりでついて行く事にした。なんか、神崎君と女子生徒から視線を感じたが気にしない。何か言いたいなら声くらいかけるだろうし。

 

「いやー大量大量」

「凄いんだね、飛鳥君は」

 

荷物持ちのつもりだったが、俺が発見、回収を繰り返していたらいつの間にか2人では持ちきれないほど果物や野菜をかき集めてしまったようだった。

 

「いや、運が良かったよ。この辺はまだほとんど人が来ていないみたいだったし、取り放題だ」

「これならカバン持ってくるんだったねぇ」

「仕方ない、ジャージを袋の代わりにしよう」

 

ジャージを脱ぎ、首周りを巻き込んで腕を結んでやれば簡易的な布袋の完成だ。

 

「強度もあるし、落ちる心配もない。これで運ぼう」

「わっすごーい」

 

ジャージに入れられるだけ食料を入れて持ち上げる。

 

「よいせっと」

 

重くなったジャージは流石に1人じゃ持ちにくいので2人で運ぶことにする。

 

「よいしょっと。...あれ?」

「ん?どうかした?」

「このジャージ、私のと生地が違くない?肌触りが全然違う...」

「ああ、このジャージは特別製なんだよ。一緒なのはデザインだけなんだ」

 

この島に上陸する直前に渡された超体操服と同じ素材で出来た、いわば超ジャージ。素材からして他の生徒の物と違う、完全な一張羅だ。燃えないし、切れない。保護色になるし、防水加工もされている。金額は...考えたくはない。

 

「どうしてそんなジャージを持っているの?」

「まぁ...うん、言えないよ。この件に関しては守秘義務があるからね」

「守秘義務...」

「ホントは他人に触らせてもいけないんだけど、まあいいかなって」

「私もう触っちゃったよ!?」

「だから黙っててね。バレなきゃセーフだし、一之瀬さんのこと信じてるから」

「...ちなみにバレたら?」

「さぁ...?多分めっちゃ怒られるかも?まあ殺されはしないだろうけど」

「...うん、黙っておくよ。これは普通のジャージ、普通のジャージ...」

 

自己暗示で普通のジャージと思い込むことにしようとしている。まあ触んなきゃ違いに気づけないほどだし、他の生徒らがこれを聞いて信じるかって話でもあるけど。

 

 

「...ぅぅ」

「?」

 

ベースキャンプに戻る途中、微かに呻くような声が耳に入ってくる。

 

「なあ一之瀬さん、声が聞こえないか」

「えっ?私は聞こえなかったけど...」

「ちょっとこっち、行ってみよう」

「う、うん....」

 

ベースキャンプに戻る道から逸れ、声がした方向に進んで行く。

 

「うぅ...」

 

進んですぐに男子生徒が突っ伏していた。周りには誰も居らず、彼1人だった。

 

「おい、大丈夫か?何があった?」

「た、すか、った...」

「お、おい!?」

 

彼が顔を上げて俺達2人を見た途端に気を失ってしまった。

 

「何があったの?」

「分からない。けど気を失ったなら、この腕時計が先生達に連絡が行くはず。少し待っていよう」

「うん」

 

常に生徒のチェックをしているらしい腕時計だし、割とすぐに来てくれるはず。しかし来る前に気になることを確認しよう、そうしよう。

 

バッ!

背中側から勢いよく彼の着ているジャージを捲る。うつ伏せで倒れているということはということは、後ろから転ばされたはず。その際の跡なり痣なりが残っている、は...ず...

 

「ど、どうしたのいきなり!?」

「嘘、だろ...」

 

これは運命か、必然か。そんなことは分からない。ただ今分かるのは...

 

「この辺りで信号を受け取ったが、何があった?」

 

やって来たのは真嶋先生だった。だが今はそれどころではない。彼は殴られたのでも、蹴られたのでも、転んで打ちどころが悪かった訳でもなく。

 

「真嶋先生、実は...」

 

太い、横一直線の跡が触手によるものだということ位だった。

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