1人の手が9人を救い、学校を救う   作:霊璽

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初めまして、霊璽です。

一生懸命頑張りますので、どうぞ、よろしくお願いします。


Ep.00 戻ってきた音ノ木坂

Ep.00 戻ってきた音ノ木坂

 

 

~龍次side~

 

「また、会えるわよね?」

「ああ、もちろん。」

 

 

幼馴染みと3年とちょっと前に交わした別れの言葉。まさかこんな形でここに帰ってくるとは思わなかった。

 

 

俺の名前は琴宮 龍次(ことみや りゅうじ)、今年の春から高校1年生。俺は今、小学校の頃まで住んでいた町、音ノ木坂へと向かっている途中だ。

 

「にしても、またあの町に住むことになるのか…」

 

俺は電車に揺られながら、3年ぶりの東京を見ていた。

 

「あの町も…変わったのかな…。」

 

3年前とは大きく変わった東京。そんな中、こころのどこかでは、あの町だけは変わっていてほしくないと願う自分がいた。

 

「…あいつ、元気にしてるかな。」

 

3年前に別れた幼馴染。久しぶりに会いたいという気持ちがある一方で、この3年間…いや、ここ1年の間に大きく変わってしまった自分が彼女に会う資格があるのだろうかと悩む気持ちもある。どちらかというと後者の方が大きい。

 

『次は、神田~神田~』

 

車内アナウンスが聞こえてくる。考えている内に目的地についてしまったようだ。

 

俺は電車を降り、駅を出るとそこには慣れ親しんだ風景が広がっていた。

 

「戻って…来たんだな。」

 

昔住んでいたアパートはもう新しいマンションに建て替わってしまったらしいが、住所自体は変わってないということで、道に迷うことはないだろう。

そんなことを考えながら歩く街並みは、昔と変わっているところもあれば昔と変わっていないところもある。それでもやはりこの町はどことなく温もりを感じる。

 

「懐かしいな。確かこの道を真っ直ぐ行くと神田明神…って、あれ?」

 

この道を真っ直ぐ行った先にあるのは確かに神田明神だ。あの数の多い階段は間違いない。だがその行く途中の道の左手に1つだけ昔と違う点がある。それはバスケットコートがあることだ。こんなところにまでバスケットブームが影響してるのか。

 

 

「まあでも、遊びに使うくらいならちょうどいいかな。体は動かしたいし。」

 

あくまで遊びなら(・・・・)だけどな。

 

神田明神の階段はきつい。段数も多い上に傾斜もそれなりにある。トレーニングするにはもってこいの階段だ。いくら部活はやらないとはいえ、高校の間くらいは体を鍛えておこうと思っているため、ここを使うのはありだと思っている。

 

「さてと、お参りくらいしてから行くか。」

 

階段を上り、本殿の前まで行った。俺は財布からお賽銭を取り出して投げ、2礼2拍手する。

 

「高校生活が無事送れますように。」

 

1礼をし、お参りを済ませた俺は踵を返して元来た道を帰ろうとした。ふと見上げた音ノ木坂の空は澄んだ水色をしていた。

 




プロローグなので短めです!

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