呪いの王人になる   作:カリカリベーコン蒼海

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ラジワフ様、小説七つ球様、schneizel様
誤字報告ありがとうございます!
まだまだ読み辛いとは思いますが、宜しくお願い致します。


第十話

「……今の話本当なの?…キュゥべえ」

 

内心はどうあれ、常日頃から明るい巴マミも今は、取り繕う余裕も無い。

見極めが必要だ、予想では此方側に付くか、自殺するか。

巴マミは誇り高い人間、他者に多大な害を及ぼす可能性を、自らが持つなら苦渋の末に消える事を選択しかねない。

だが、他者の心を全て理解する事は出来ない。受肉体でも無けばその意志を完全に知る事は難しい

 

「答えてよっ!!キュゥべえ!」

「うーん?答えるも何もないじゃないか、聞いていたんだろう?なら比較的聡明な君は理解出来たよね」

「そん……な、………こんな事って」

 

立つ気力すら失い、膝を付く。

呪術師の様にイカれて無ければ、この齢で今の事実を受け入れるのは困難だ。

いや、呪術師であろうと抗えないやも知れぬ

 

「あっ……ゆ…」

 

何を言えば良い?

私が魔女に、化け物でしか無い事を悠仁に知られてしまった。

一人じゃないって思えたのに、苦しいと感じていた日々が楽しいものだったと思い出せたのに

よりにもよって悠仁に………、悠仁は私をどうするだろう?

悠仁は家族を大切にしていた、危害を及ぼす魔女を排除し続けていた。

なら私は?

悠仁の顔を見れない、見たら分かってしまう。

あぁ………、でも悠仁はきっと………

だったら、自分の手で終わらせる。

 

 

「ちっ、」

 

やはり、そうなるか

巴マミは魔法少女に変身し、銃口を己に向けた。

深く呼吸をしているのが分かる、俯いたまま此方を見ない。

手を震わせながら、ゆっくりと俺の方に視線が送られた。

その端正な顔を涙で濡らしながら語り出す。

 

「…悠仁ありがとう、一緒に居てくれて。初めて会った日が昨日の様に思える、朝が来るのが楽しみになった、帰りにスーパーに立ち寄るのが幸せだった、肩を並べて戦えるのが嬉しかった、悠仁の料理をもっと食べたかった………ダメね、言い出したら切りが無い」

 

必死に笑顔作る、最後に見せる顔が少しでも良くなる様に。

どうか………どうか、記憶の片隅に置いて欲しい。

貴方の大切な人の中に私も加えて欲しい。

言えない、言ったら悠仁に呪いをかけてしまう。

だから……

 

「さようなら、悠仁…」

 

引き金を引く。

そう思った瞬間、銃がバラバラになる

 

「それだけか?」

「えっ?」

「言いたい事は」

「…………………助けて、死にたくないっ」

 

言ってしまった、どうしようも無いのに。

ソウルジェムがある以上どれだけ浄化しようと限界はきっと来る。

若しくはソウルジェムが限界を迎えずとも戦いで死ぬかも知れない。

焼いた肉が生肉に戻る事が無いみたいに、ソウルジェムも戻る事は無いだろう。

只の勘、でも確信がある。

 

「良かろう」

「っ?」

「家族にマミの事は覚えられているしな、まどかのフォローもして貰わねばならん」

「でき……るの?」

「この俺が妄言を吐くとでも?」

 

何よ、当たり前みたいに……。

悠仁の瞳は真っ直ぐに私を捉えている。

どうしてだろう?さっきまで感じられ無かった鼓動が聞こえる、頬を伝う涙が温かい

 

 

「その話、本当かい?」

 

悪怯れもせず、口を挟む白い獣

心底不愉快そうに顔をキュゥべえへと向ける

 

「知る必要は無い」

「酷いな、僕は君の質問に答えたじゃないか」

「俺も答えるとは言ってなかろう」

「ハハッ、確かに」

 

我儘を言う子供の相手をする

そう言わんばかりに、宿儺の事を侮り続ける

絶対的な上位者故の驕り

たったそれだけ。だから首に鎌が触れているのにも気付かない

 

「はぁ~、とっと終わらせる」

「殺すのかい?良いけど、僕はもっと話がしたいな」

「分を弁えろ痴れ者が」

 

指を呪物化させる。

距離を詰め、獣の首を掴む

 

「ぐぇ、」

 

宿儺の攻撃を何の抵抗も無く、受け入れる

 

「愚かよな、狩るなら狩られる事もあろうに」

 

獣の口に呪物化させた指を突っ込む

 

「っう!!」

 

其のまま飲み込ませ、自身の意識を呪物に移す

 

「(はっ?、僕の中に入ってきた?)」

「(今更気付いた所で意味は無い)」

「(馬鹿だね、この状況は他の僕も観ているよ)」

「(そうか)」

 

何だ?この余裕は?

何か不味い、取り返しの付かないミスをした。

そんな警告が頭に鳴り響く。

 

「(正解だ、何の為の結界だと思っている?)」

「(外部と連絡出来ない!)」

「(終いだ)」

 

宿儺はインキュベーターの持つ全てを飲み込む。

意識が希薄であるインキュベーター。

そんな存在が千年の間、呪いの王として君臨した者に勝てる道理は無い

 

「成る程な」

 

インキュベーターが所持していた情報や能力

その全てをたった今、手にした

 

「この分なら意識を乗っ取り続けても大事ないか、取り返す手段も持たぬ様だしな」

 

次に向こうが打てる手があるとすれば、この分体との回線を切ること位。

どんな魔法少女を創り出そうと、俺には届かん。

 

「さて、マミよ」

「さっきの話の続き?」

「あぁそうだ、だが此処じゃ落ち着かん。マミの家で話す」

「分かったわ」




宿儺様の対応が少々甘い気もします
でも宿儺様が呪いから人になる物語だから許してヒヤシンス
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