少し遅くなりました。完結までは書こうと思うので宜しくお願いします。
現状の地球からは観測不可能な位置にて、自己答弁をする神に近い生物
「まさか盗られてしまうとは…」
「端末の接続は切ってあるけれど、共有されていた情報は全てを知られてしまった」
「結界による外部との遮断で、把握が遅れたのも痛い」
「魔女の引き寄せる結界と違い、完全に断れたものだからね、一手遅れるのは仕方が無いよ」
「それより、鹿目悠仁とは何者だ?何故あんな存在が産まれてくる?系譜を辿ってもそれらしい物すら無い」
「考えられるとすれば僕らが観測出来無い次元からの使者、とかね」
「目的が分からない。僕らを滅ぼす気なのかと思えば、どうやらそうでは無さそうだ」
「もう一度、接触を試みるかい?」
「いや、此方が提示出来る手札は知られているし、あちらが交渉するつもりなら、既に接触がある筈」
「とは言え泣寝入りするのは早い、対抗出来る魔法少女の発見や鹿目悠仁周辺の情報収集、可能性はある」
「なら鹿目まどかを魔法少女にするのはどう?平凡以下の因果しか持たないけれど、常に護衛を付ける程大切にしている。鹿目悠仁に精神的負担をかけられるんじゃないかな?」
「う〜ん、鹿目まどかが鹿目悠仁と同等以上の因果を持つならそれも有りだけど、鹿目悠仁や護衛を掻い潜って得られるメリットが余りにも少ない。鹿目まどかが魔女に転じても相討ちすら叶わないなら無しだ」
「いっその事、全ての魔法少女で鹿目悠仁を討ってしまえば良いんじゃないかい?二、三千年程前にも似たような事をしただろう。人類では[ノアの箱舟]と呼ばれるアレ」
「アレかい?また人類からエネルギーを取れる様になるまで時間が掛かるじゃないか」
「…………いや、有りかもしれない。このまま野放しにして力を付けられる方が厄介、其れに日本を除いた国々の魔法少女達との交渉、洗い流す装置の調整等、準備だけで三年位は必要だ。その間に変化があれば止めればいい」
「成る程、経過を観つつ、切り札が用意出来る。両得じゃないか」
「異論はあるかい?」
「「「「「「異議無し」」」」」」
彼等は知った、遥か先を知る己と対等に渡り合う怪物を。
最早手加減など無い、丹精込めて作り出した農場の平和を取り戻す為、狙撃手の如く息を潜ませ機を狙う。
鹿目詢子が退院する日、浮き足立つ鹿目家があった。
眠る赤児、鹿目タツヤを抱き病院を出る。
「やっとこさ、パパの御飯食べられるわ」
「ハハ、病院食は栄養重視で味気無い物になってしまうからね、今日はママの為に腕に縒りをかけて作るよ」
「お兄ちゃんもこの日の為に用意してくれたんだよ!」
「おいまどか、其れは言わぬが華だろう」
「良いじゃん、折角の記念日だし。お兄ちゃん自分から言わないし」
「出来た妹が居て良かったねぇ、悠仁。両親の教育が良いのかな」
「何方かと言えば両親よりも父さんの教育であろう」
「かぁー!、ほんとデレない子だよ」
変わらぬ日常、何気無い会話が続く。
新しく増えた家族、配下の裏梅達、全てを護り宿儺の望む世界を描く。
数日後
巴マミを含め、裏梅、昂太朗、莉子が裏梅の自宅にて一同、会する。
巴マミにキュゥべえから得た情報の共有や今後の動き、其れに伴い、巴マミに魔法少女を続けるか否かの覚悟を問う。
「マミ、この半年程猶予を与えた、此処が最後の分岐点だ」
「うん、ありがとう悠仁。でも、もう決めた」
「……そうか」
決意に満ち溢れる瞳、答えは定まっている。
顔を合わせると化学反応を起こす裏梅達も静かに結果を見守る。
酸素に重力が宿っているのかと思える程、苦しい。でも不思議と頭はスッキリしてる。
悠仁は逃げても良いって言ってくれた、私の中身が化け物だろうと側に居ると言ってくれた、なら私は…
「私は魔法少女を続ける、貴方の隣に居たいから」
宿儺は目を瞑り、一呼吸置く。
「…良かろう、これからは友人としてだけで無く、仲間としても接する」
宿儺の言葉に裏梅と昂太朗も反応を見せる、当然だ、式神である自分達と今から同じ立場なのだ。
厳密に言えば違うが、より宿儺に近付く事を二人は許さない。
「鹿目君、少々良いですか?」
「僕からも意見を言いたいな、悠仁」
「許可する、先ずは白波からだ」
「では、考えを述べせて頂きます。率直に言いまして巴マミが傘下に加わるのは早計かと」
「ほぉ、理由は?」
「理由は二つ有ります。一つは我々は式神である為、鹿目君を介して思念伝達が可能です、連携が取り辛いのは致命的でしょう。二つ目は、仮に式神化したとして精神的な弱さが目立ちます、困難な局面が訪れた時、抗えない者は邪魔です。」
「ふむ、昂太朗は?」
「僕もほぼ同意見、付け加えるなら、魔法少女って度を越して魔力を使うと魔女化するんでしょ?常に悠仁や特殊な式神である斑尾や頼鹿が居るとは限らない、後ろに爆弾を抱えた状態じゃ全力を出せない」
「そ、それは……」
筋の通った弁、このまま無理矢理マミを加えれば軋轢を生む、こういった場合最も有効的な手段が一つある。
「であれば、試験をする」
「試験ですか…」
「ふ〜ん、まぁそうなるかぁ」
「?何だ、算数とか国語とかやらせんのか?」
「違う。白波、昂太朗、二人からの題にクリア出来れば、マミを仲間として認める、どうだ?」
「承知致しました」
「僕もオッケー、出来ると思えないし」
了承する二人、宿儺は巴マミに向き直る。
「だそうだ、マミ。どうする?」
悠仁の瞳を見れば分かる、私ならクリア出来ると。
なら、答えなんて一つしか無いじゃない。
「受けるわ、その試験」
「ハハ、度胸あるねぇ〜。白波、先僕がからでも良い?」
「好きにしろ」
「オッケー、なら最初だし簡単にして上げる」
「難易度下げて後で文句言わないでよ」
「問題無いよ、悠仁の足引っ張っておきながら図々しいノータリンだし」
「はァ、弱い犬程なんとやら、ね」
「そこまでにしておけ、二人とも」
宿儺の言葉で種火は抑えられる。
「ごめんって、悠仁」
「なら、題を言え」
「分かったよ…
僕からのお題は単純。僕と戦って勝つ事、以上」
もうちょっとでまどマギ本編に入ります