呪いの王人になる   作:カリカリベーコン蒼海

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第五話

「はぁ~ゾクゾクしちゃう」

 

夕日が沈むの背に、ビルの屋上にて肩を震わせ自身を抱きしめる女、その美貌からは想像も出来ぬ程の邪悪を孕む

本来であれば、巴マミは魔法少女になる前に出来た友人達との交友関係は此処で消える。以降誰にも相談する事はおろか打ち明ける事さえ出来なくなり、その齢で孤独を背負い生きて行く羽目になる

そうなる運命だった

 

「何やら楽しげだな、俺も混ぜて貰おう」

 

背後からした声に女は驚くが表に出さず、ごく自然に振り返る 

 

「やぁ〜ねぇ、女の子の秘密の領域に土足で踏み込むなんて、貴方の御両親はどんな教育をされたのかしらぁ」

「はっ、肉体のみならず精神まで人外に堕ちていると言うのに、女の子とは、、くっフフ、駄目だ堪えきれん、っフフ」

「本当に礼儀のなっていない子、姿を偽っているようだけど貴方私より歳下でしょう。歳上にそんな態度取るなんてねぇ。良いわぁ、お姉さんが教育してア・ゲ・ル」

 

言い終わるや否や腰の刀を抜き放ち、獣の如き敏捷で宿儺に迫る

凡百の魔法少女ならば一刀両断される、そんな一撃を

 

「はぁ~」

 

宿儺は欠伸をしながら片手で受け止め、そのまま女の腹に蹴りを入れる

 

「うっっ!」

 

蹴られた女は衝撃で刀から手を離し、慣性に従いビルから落ちる 

全身の骨が砕ける嫌な音を聞き、状況の把握に専念する

しかし、そんな暇は与えぬと嘲笑うかの様に自身の前方10m先で爆発音が響き、砂煙が舞う

 

「うぅ、くっ!」

「オイオイ、お前の得物だろう?手放してはダメではないかぁ、ホレ」

 

息すらままなぬ自身を置いて、砂煙から悠々と出てきた宿儺は持っていた刀を女の方へ放り投げる

 

「なんなの!、貴方は!!」

「どうしたぁ?先程の余裕は何処へいったのだ?教育するのではなかったか?」

 

刀を杖代わりに立ち上がる、鬼気迫る表情で問を投げるが宿儺当人はどこ吹く風といった様子だ

 

「あり得ない、痛覚は完全に遮断している筈のに」

「(ふむ、立ち上がるか。骨が砕ける音が聞こえたが中々の回復速度だな)全く、この程度の芸当でもう音を上げるか」

 

女の疑問は当然であった、魔法少女は痛覚を自由に操作出来る。どんなダメージを受けても冷静思考が可能である、出来ないのは新米の魔法少女くらいだ

宿儺はソウルジェムの構造を理解した事により直接肉体を叩いても意味が無い事を知っている、ならば叩くべきは外では無く内、魂の輪郭を認識出来る宿儺にとっては造作も無い

 

「後悔なさいっ!この男女!」

 

女は前回の数倍の速さで動き回る、亜音速に達する速度で撹乱しながら全力の一太刀を宿儺へと見舞う

 

「品性の欠片も無い罵倒だなぁ、器が知れる」

 

宿儺は飛んでくる一撃に拳で対応する

 

「(バカね、魔法も使わず素手でくるなんて)その傲慢で死ぬと良いわ!!」

 

真っ二つに出来る!そう確信し、刃振るった女が次に見た光景は地面に寝そべる自身の姿であった

 

「どいうこと?!、な、何で私が、、」

「倒れているのか」

「っ!」

「答えは簡単、お前の刃より俺の拳の方が鋭かった。それだけの話だ」

 

困惑を隠し切れなくなる、当然の反応だ。相手は魔法を使う事無く膂力のみで押し勝ったのだから

 

「(強化系の魔法?いえ違う!っそうか!)貴方、幻覚や催眠を操る魔法少女ね」

「・・・は?」

「隠そうとしても無駄、あれ程の一撃を魔法も使う事無く防ぐのは不可能!加えて何故かは知らないけれど男の姿を模している。幻術の類なら全て説明がつくわ」

 

女は見当違いの推理を披露する、無理もないそもそも宿儺が使うのは呪術

この世界には本来存在しえぬ別の世界の理、解る筈も無い

 

「残念ね、種が割れて仕舞えば何てこと無いわぁ」

「それで?」

「私はね不老不死を願って魔法少女になった、だから普通なら五体がバラバラになる速度で動けるの。何より私の魔法は自身に影響を及ぼす魔法を無効化出来る、認識しないと使えないデメリットはあるけど認識出来ればどんなデバフも無意味よ」

「ほぉ~、で?魔法とやらは発動したか?」

「余裕を演じられる、貴方の胆力は驚嘆するわぁ。でもここまでよ、今直ぐにでも………………アレ?」

「ようやく理解したか、この現状は幻覚なんぞでは無い純然たる事実だ」

「そ、そんなじゃあ、ほほ、本当に魔法を使わずに私を圧倒していたと言うの、、」

「まぁ、痴れ者にしてよくやった方か」

「なんなの、貴方は、魔法少女じゃない?、ならその力は、いったい」

「其れをお前が知る必要は無い」

「ご、御免なさい!!、もうこの街から出て行きます!だから!」

「良い良い」

「っ!」

 

宿儺はそう告げると瞬きの間に距離を詰め、女の髪にあったソウルジェムの髪飾りを掴む

 

「な、何で!今、許してくれたんじゃ」

「誰が許しなぞ与えた?」

「や、やだ、待って、私は」

 

話だそうとする女を尻目に、宿儺は髪飾りに呪力を流し始める

 

「あああああああっ!!!!痛い!痛い!苦しい!!御免なさい!!」

 

宿儺は表情一つ変える事無く、ソウルジェムを汚れで満たす、やがて女は言葉を発しなくなりソウルジェムは限界を迎える

 

パキン!!

 

ソウルジェムが割れ、中から魔女と成り果てた女が顕現する

 

「さて俺の仮説は何処まで正しいのか、始めるとしよう」

 

宿儺は魔女の落とす物が、何故魔法少女の救済道具なのか疑問に思っていた。巴マミのソウルジェムを調べた事で、ソウルジェムとグリーフシードは同一の存在であると知った

 

「(魔法少女とは卵であり、孵化した存在が魔女。何れ魔女に至る故に魔法少女、良い趣味をしている)」

 

魔女の生み出す結界によって、外と分断され心象風景の中に取り込まれる

西洋風の人形の姿を形取り、貴婦人の装いをして両手にマグロ切包丁を携えた魔女はニタニタと笑いながら宿儺に斬りかかる

 

「【解】」

 

そんな見え見えの攻撃を座して待つ道理はなく、包丁ごと魔女の両腕を細切れする

が、魔女は表情を変える事無く瞬時に両腕を再生させてみせた

性懲りもなく魔女は再び宿儺に襲いかかる

 

「馬鹿が」

 

宿儺も今度は魔女の全身に【解】を放つ

ブロック状に切り裂かれバラバラになった魔女は崩れ落ちる

終わりかと思われた瞬間、先程と同様に再生を始め、復活した魔女の姿がそこにはあった

 

「成る程、魔法少女であった時の能力も引き継がれているのか」

「縺オ縺オ縺ゅ?縺ッ縺ッ縺ッ」

 

愉快に笑みを浮かべる魔女に宿儺は女の遺骸を踏み付けながら告げる

 

「ここまで道化を演じた褒美だ、お前には特別に本物の呪いを見せてやろう」

領域展開

 

 

伏 魔 御 厨 子

 

 

 




当初はマミ様に戦って頂こうと思っていたのですが、宿儺様が女の存在に気付かないとか、自身に類が及ぶ可能性があるのに放置して置くとかって考え辛いと思いオリキャラはかませ犬となりました

これの良い点は、マミ様の交友関係はある程度は保たれる事です。本当の事は話せない為、遠くない内に疎遠になるかも知れないですが、強制的に距離を置かざるを得ない状況よりはマシでしょう
悪い点はこの戦闘を経験出来ない為、原作より成長スピードが落ちる上に、宿儺様という頼れる存在が居るので依存しやすくなる事ですね

正直申し上げまして宿儺様にヒロインは必要なのか悩んでいます、個人的には生き方を変えたとは言え成熟した精神を持つ宿儺様には要らないのでは?と感じます

もし宜しければ、皆様の意見をお聞かせ願います
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