炯眼衆は偵察用の烏達の事で、夜刀衆は戦闘用と回復役の2体が属しています
学校内にて、宿儺は退屈そうに授業を受ける
既に義務教育で学ぶべき学問は全て頭に入っている。教師の声より眠気が勝つ、しかし放り出して授業をふければ母の怒号が飛ぶ
暇を潰す事には慣れている、意識を別に飛ばし予鈴を待つ
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン〜
「おやもう時間か、今日はここまで、来週は小テストをするから復習しておくように」
教師の最後の一言でざわめき出すクラス、放課後のスーパーは何処に行こうかと考えていると宿儺に声をかける女性がいた
「鹿目君、少し良いですか?」
白髪のショートヘア、雪を思わせる髪と同様に色白で触れれば消えてしまいそうな儚さを漂わせる
「何でしょう、白波先生」
「以前お話した進路相談の件で、家庭科室に放課後来て欲しいんです」
「分かりました、放課後ですね」
傍目から見れば不良を更生させようとする構図に見えるだろう
人間は娯楽に飢えるもの、人目に付く所で美人な教師と二人きりの約束なぞすれば勘繰る者も出てくる
「おい、白波先生が来てるぜ」
「あの先生、家庭科を受け持ってる所為か良妻賢母みたいな雰囲気あるよなぁ」
「鹿目君、成績良いらしいけど授業中ずっとボーッとしてるからそれかな」
「イヤイヤ!もしかしたら教師と生徒の禁断の恋かもよ!」
「ていうかアンタ、何で授業中ボーッとしてるって知ってるの?」
ましてや教師の方も年若いとくれば、邪推は加速する一方だ
が、直接聞きに来る度胸ある者は無く、野次馬に留まる
「(眠い……)」
噂される当の本人はどうでも良いと言わんばかり
其のまま通常通りの日常が過ぎていった
「お呼び立てして申し訳ありません」
「良い」
放課後、二つの影がそこにはあった
「ですが宿儺様に軽い態度で接し剰え敬語で話させるなど……」
「何度も言わせるな、目立つなと言ったのは俺だ」
先程の教師と生徒とは思えない空間が広がる
一介の生徒を前に両膝を付き、床に伏する教師の姿は主従と表する他無い
「承知致しました」
怪訝な顔しながら鹿目悠仁、宿儺に向き合う
「それで?"裏梅"要件はなんだ?」
「はい、既にご承知かと思いますが今朝あの獣が見滝原市に侵入しました」
「そうだな」
「はい、勝手ながら宿儺様の式神を使わせて頂き監視体制は上々、戦闘用の式神が何時でも包囲可能です」
掛かった
上がる口角を抑え、指示を出す
「人気の無い路地裏にでも誘導しろ、絶対に逃すな」
「はっ!承知致しました」
「それと昂太朗はまどか達の護衛に付け、万一の為頼鹿を置いていく。炯眼衆の半数は監視続行、残りの夜刀衆は裏梅の指揮下に入いれ」
声に出しつつ、思念伝達で全ての式神に命を下す
餌に食いついた魚を引き上げる
「巴マミは如何しますか?」
「アレは滝登り中の鯉、始末はするな。此方と合流させ、マミがどうするか反応を見る」
「承知致しました」
「コレは当たりかな?」
後ろから現れた怪物?に追い立てられ、廃ビルに入る
怪物は見滝原市を離れておらず、想像通りだった
となると巴マミも裏切っている?若しくは洗脳等の影響下にあるか
どちらであろうと敵である事に変わり無い
観た所、強力な力を有しているようだが僕には届かない、調査に送った魔法少女や巴マミにほぼ無限に残機がある事を教えていない
出来うる限りの情報を獲り、魔法少女の部隊を編成しよう
「入って来ない、誘導された?」
直前まであんなに追い掛け回していたと言うのに忽然と姿を消した
まぁ、何が目的かは本人に聞くとしよう
「態と入った癖に良く言う」
見たことの無い文様の入った顔面、佇まいに異様なまでの貫禄、学生服を着ていなければ成人していると答えても誰も疑いはしないだろう
「君がココ最近、魔女狩りをしている人?かな?」
「領域展開…」
キュゥべえの投げた質問の一切を無視し、術式を付与しない生得領域のみを顕現させる
結界という外殻で逃げ場を無くす
「随分と殺伐とした心象世界だ」
「焦りもしないか、余裕だな」
「おや?話してくれる気になったかい?」
「此方の質問に答えれば、な」
「…良いよ、何が聞きたいんだい?」
飄々とした態度を崩さない
どんな話をしようと、どれだけ策を弄しようと、所詮は猿。太陽系から脱する事すら叶わぬ劣等種。
人間が蟻を警戒するか?否
今までもそうであり、これからも変わる事は無い。長年上位者として君臨し続けた生命体、それがキュゥべえことインキュベーターなのだ
「気前がいいな、ならば四つ問う。お前が魔女を生み出したのか?」
「いや、僕らは魔女を生み出していない」
「質問を変えよう、お前が居なくとも魔女は生まれたか?」
「………無いとは言い切れないね」
「よく言う、何れやもし等は含まない」
「………………」
「沈黙は肯定と受け取るぞ。二つ、魔法少女は魔女となる可能性を持つか否か?」
「ハハッ、それ、質問する意味あるのかい?確信しているなら答える意義は無いよ」
「三つ、お前は其れ等全ての説明を魔法少女達にしたか?省略や遠回しは無しに」
「…君の様に聞いて来る子は前にも居た、その責は僕らに無い」
神経を逆撫でする回答しかしない
コイツ、分かった上でやっている。感情を理解出来ぬ故の蛮行かと思ったが、違う
家畜と同じ、人間を怯えさせぬ様に態々同じ言語を使い、小動物の姿を模している
仮に元来あの姿だったとしても、動きを見れば解る。愛くるしいと思わせる見せ方。このやり取りの結果、俺が奴に危害を加える事になっても問題無いのだろう
だから終始、巫山戯た態度でいられる
「最後の問だ、お前の其れは感情をエネルギー化し、運用するものだ。何故10代前半の少女だけを対象としている?」
「あぁ、やっと質問をしてくれたね。答えは簡単その年頃の少女から取れるエネルギーは他と一線を画すからさ」
「もう二つ良いか?」
「構わないよ、質問は一つしかして無いからね」
「何故そこまでしてエネルギーを求める?」
「エントロピーって知ってるかい?宇宙には寿命があって刻一刻と消費されている。けれどもどんなエネルギーもロスが生じる。でも感情だけは物理法則に縛られない唯一の存在なんだ。びっくりしたよ、僕の星では稀に現れる状態異常をこの星の生命体の殆どは宿している。僕らは生命として満足しているけど君等は違うんだろう?将来枯れた宇宙を渡されるよりずっと良い筈だよ。」
「お前、感情を理解出来るのだろう。一度たりとも良心は痛まなかったか?」
「君達は牛や豚に食べる時まで罪悪感を持つのかい?」
決定だ、心の底から人類と共存する気は無い
いや向こうはしているつもりなのだ
それ故、会話が出来ない
「もう良い、大体分かった」
「そうかい?ならコッチも……
「だそうだ、マミ」
骨の山の後ろから、巴マミが顔を出す
「………今の話本当なの?……キュゥべえ」
あけましておめでとうございます
誤字報告有り難うございます!
お気に入りが増えて驚いております!!
ちなみにファンパレの宿儺様を当てた方はいますか?
ちょっとその指、触媒にしたいんですけど良いですか?