地球より遥か遠くにある惑星ジェノサイド。
今、この星が侵略宇宙人の魔手によって、崩壊しようとしている。
町は燃やされ、蹂躙される人々。
「王子、どうかご無事で……!」
幼い男の子が、救命艇で宇宙へ放出された。
直後、ジェノサイドは爆発を起こして消滅した。
救命艇は、人の住める惑星を検索しながら、宇宙空間を航行する。
やがて、青くて緑のある美しい星を、救命艇は察知した。
救命艇は、その美しい星へと降下していき、砂丘へと着陸した。
ハッチが開き、男の子が降りてくる。
「う……」
男の子は太陽光による異常なまでの暑さにうなだれた。
「本当にこんな星に人が?」
男の子は砂丘を彷徨う。
行けども行けども砂丘は続く。
「はあ……はあ……」
男の子は喉を乾かし、ついには倒れてしまった。
男の子が見知らぬ部屋のベッドで目を覚ました。
「………………?」
辺りを見渡す。
「よかった。気が付いたのね?」
そういうのは端正な顔立ちをした女の子、ではあるが、男の子にはその子の言葉の意味が理解できなかった。
男の子は起き上がり、女の子に訊ねる。
「ここはどこ?」
しかし、女の子に男の子の言語が通じない。
「英語……じゃないわね。どこの国の言葉かしら?」
女の子はスマホを取り出すと、言語翻訳アプリを起動した。
「ここに向かってしゃべってくれる?」
しかし、アプリでも男の子の言語は翻訳できなかった。
「うーん、困ったなあ……」
頭を悩ませる女の子に、男の子がテレパシーを送る。
(僕の声が聞こえるかい?)
「え?」
(今、君の頭に直接話しかけている。その方が伝わると思って)
(なにこの声? もしかして君が?)
(そう。君の名を教えてほしい)
(
(愛。ここは何という星なんだい?)
(地球っていう星だけど)
(地球? 聞いたことないや)
(君、鳥取砂丘に倒れていたの。考古学者のお父さんが見つけて連れ帰ってきたのよ)
(そっか。助けてくれてありがとう)
(お礼ならお父さんに言って)
その時、グラグラと部屋全体が揺れだす。
男の子はベッドから飛び出すと、窓の外を見た。
つられて外を見る愛の目線の先には、見たこともない巨大生物が。
「か、怪獣?」
怪獣。空想上の産物だと思われいていたが、実際にそれを目にして怯える愛。
男の子は窓を開けると外へ飛び出した。
「君、ダメよ!」
男の子は怪獣に向かって駆け出す。
「ぎゃおおおおああああおおおお!」
怪獣は咆哮のあと、火球を男の子に吐いた。
男の子は火球をかわし、高くジャンプして怪獣の腹部にパンチを叩き込んだ。
それを傍から見ている愛は思った。
(こういう時、テレビだったらウルトラマンが来てくれるのに!)
その時だ。
上空より巨大な光の球が現れる。
「今度は何よ?」
光の球が巨人の姿に変わった。
「え?」
一瞬の出来事である。
巨人は腕をクロスして光線を放った。
怪獣に光線が命中して四散する。
巨人は足元の男の子を見下ろす。
「ジェノスじゃん。お前が留守にしてる間にジェノサイドが!」
ジェノスと呼ばれるその巨人は、人間の男性へと姿を変えた。
「王子じゃないか。ジェノサイドがどうしたんだ?」
「ジェノサイドは……滅んだ」
「え?」
「凶悪なシオード軍が襲ってきて……」
「そう言えば、あの怪獣もシオード軍が使役している怪獣だったな」
「ジェノス、しかしなんでお前、こんなところにいるんだ?」
「宇宙を航行中にたまたま救命艇と怪獣が見えてな。この惑星に害を及ぼされたらまずいと思って追ってきたんだ」
そこへ愛が駆け寄ってくる。
「うん?」
ジェノスが背後を見る。
(ダメじゃない、勝手に行っちゃ)
「君は?」
ジェノスは地球の日本の言葉で訊ねた。
「日本人?」
「ああ」
「あなた、その子の知り合いなの?」
「うん、まあ」
「よかった。保護者の方ね。その子、鳥取砂丘で倒れていたの。あれ? そういえば巨人は?」
「巨人ならさっき光に包まれて消えたよ」
「そうなんだ。あ……私、桜木 愛」
「
「うん、お父さんがね。その子、何者なの?」
「惑星ジェノサイドの王子様だよ」
「ジェノサイド?」
「ここから何億万光年と離れた惑星だ」