この暴れ鬼に祝福を!   作:シュシュッ イヨォー!

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サブタイトルの法則は回によってこのすば基準かドンブラ基準か変わります


こうまのばくれつ

パーラパラッパラパーンパン!

「なんじゃここー!?」

「ちょっとクエストを手伝ってくれないか?」

「相手は死ぬ!!!!!」

「「食われてんじゃねぇぇぇぇぇ!!!」」

テーンテテテテン!

「アレね、3人じゃ無理だわ。仲間を募集しましょう!」

 

カエルをなんとか2匹倒し、街に帰還した私達は真っ先に大衆浴場で汚れを落として、カエルのもも肉を食べながら作戦会議をしていた。

 

「というかはるか、アンタ転生特典って何選んだんだ?さっき使ってたのは行く前に俺が買った剣だったよな?」

「え?あー…」

 

そう、私はドンブラスターを使っていない。というかアクアの救出に夢中でそんな事考えてる余裕がなかったのだ。冷静に考えたら盛大なミスである。 …あっ、カエルの唐揚げ美味しい。ちょっと硬いけど気にならない。

 

「まあとにかく、この私が居るんだから仲間の募集なんてすぐよ!なんたって私はアークプリーストよ?ちょろっと募集かければ『お願いですから連れてってください』って輩が山ほどいるに決まってるわ!わかったらカエルの唐揚げよこしなさいよ!」

「へ〜〜??」

 

そして、翌日また集まることになったわけだが……

「…来ないわね。」

「半日経ったけど誰も来ない…というかあの胡散臭い口コミとかどうにかならなかったの?」

「何よ、完璧じゃない。」

「ハードル下げようぜ?いきなり上級職だけってのは厳しいだろ。」

「アクアはともかく私は謎の職業だしカズマさんに至っては冒険者…そんなパーティに入ってくれる人がいるほどファンタジーな世界じゃないんだよなぁ、ここ…」

「募集の張り紙、見させてもらいました。」

 

そんな中現れたのは、とんがり帽子の見るからに魔法使い、といった見た目で随分整った容姿をした…ちっちゃい女の子だった。

 

「我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者…!」

 

…………………

 

「冷やかしに来たのか?」

「ち、ちがわい!」

 

なんというか、クセが強いというか、所謂中二病というか…

 

「あら、その赤い瞳…あなた紅魔族?」

「いかにも!我は紅魔族随一の魔法の使い手、めぐみん!我が必殺の魔法は山をも崩し、岩をもくだ…くっ」

「倒れた!?」

「おおい、どうした!?」

 

その瞬間だった、くぅーと空腹を示す切なそうな音が鳴ったのは。

 

「もう3日も何も食べてないので…何か食べさせてください…」

「飯奢るのはいいけどさ…その眼帯は何だ?怪我してるならこいつに治してもらったらどうだ?」

「…ふっ、これは我が強大な魔力を抑えるマジックアイテム…!もしこれが外されることがあれば…大いなる災厄がもたらされるであろう…!」

「…封印、みたいなものか!?」

「まあ、嘘ですが。単にオシャレで着けてるだけ。」

「…………………」

 

あっ無言で眼帯引っ張り始めた。

 

「あぁ!ごめんなさい!引っ張らないでください!やめ、やめろぉぉぉぉ!」

「あのね、彼女たち紅魔族は生まれつき高い魔力と知力を持ってて、大抵は魔法使いのエキスパートで、皆変な名前を持ってるわ。」

「あぁ、あの名前はそういう…」

「へー」

「アァッ!イッタイメガァァァ!!」

 

閑話休題。

 

「良いんじゃない?冒険者カードは偽造できないし、彼女はアークウィザードで間違いないわ。それに本当に爆裂魔法を使えるなら凄いことよ!最上級の攻撃魔法だもの!」

「この子、そんなに凄いんだ…」

「おい、この子とか彼女ではなく名前で呼んでもらおうか。」

「まあ、頼むといいさ。俺はカズマ、こいつはアクア、こっちがハルカだ。よろしく、アークウィザード。」

 

彼女…めぐみんはなにか言いたそうな顔をしつつも、無言でメニューを受け取った。

そして満腹になっためぐみんを連れ……ジャイアントトードへのリベンジへ、やって来た。

 

「爆裂魔法は最強魔法。その分、魔法を使うのに準備時間が必要です。それまであのカエルを足止めをお願いします。」

「ああ、やってやる。」

「カズマ、あっちも!」

 

アクアが指した方向を回ると、そちらにもカエルが。しかもこっちに向かってきているではないか。

 

「…遠い方のカエルを標的にしてくれ。行くぞアクア、お前一応元なんたらなんだろ?たまには実力を見せてみろ!…はるかの方は…何持ってんだそれ?」

「ここじゃ私しか使えない特別なアイテム的なの!」

『ドン!ブラスター!』

「てか元って何!?現在進行系で女神よ私は!」

「…女神?」

「「…を自称している可哀想な子だよ」」

「可哀想に…」

 

生暖かい目でアクアを見るめぐみんと涙目になったアクアを横目に、私はドンブラザーズ共通武器、ドンブラスターを構える。カエル程度ならアバターチェンジしなくても行けるはず…!

 

「何よ!打撃系が効きづらいカエルだけど、今度こそ…!見てなさいカズマ、今日こそは女神の力を見せてやるわ!!!」

「あっ、そんな急に出られたら…!」

「おい駄女神!銃持ってるはるかが撃つに撃てなくなってんじゃねぇか!」

「震えながら眠るがいい!ゴッドレクイエム!!ゴッドレクイエムとは、女神の愛と悲しみの鎮魂歌!相手は死ぬ!!!!!!!!…ひぐっ」

「流石は女神、身を挺しての時間稼ぎか…」

「流石に口の中に入れられてるとなるとアクアも巻き込みそうで撃てない…」

「すまん、はるか…」

 

私がどうしようか攻めあぐねていると、突風のようなもの、いや…魔力の奔流を感じる。これは…

 

「黒より黒く、闇より暗き漆黒に、我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ!これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃魔法、」

「エクスプロージョン!!」

 

黒い風、魔力の煌めき、暴力的なまでの爆焔。

それは確かに、人類最強の攻撃魔法として文句の出ない、圧倒的な威力だった。カエルは跡形もなく消し飛び、地面にはクレーターが出来る。間違いなく、その火力が火を吹いた証拠が、この地に残された。

が、それと同時にカエルがもう一匹地面から現れる。なるほど、雨も水源もないのにやけにみずみずしかったのはこれが原因か。と私が納得するのは置いておいて、一旦ここは撤退しなければ。先ほどの威力をもう一発撃てればすぐに…そう、思っていた。

 

「さっきの爆音で目覚めたのか!めぐみん!いったん離れて…」

「」

「…え?」

「…我が奥義である爆裂魔法は、その絶大な威力ゆえ、消費魔力をまた絶大。要約すると、限界を超える魔力を使ったので身動き一つ取れません。」

「えぇぇぇぇぇぇ…」

「近くからカエルが湧き出るとか予想外です。やばいです、食われます。すいません…助け」

「…………………」

「「お前ら食われてんじゃねぇぇぇぇ!!」」

 

私が下半身を狙えば食べられてる2人に当てずにカエルを撃てると気づいたのは、二人を救出した後であった。

 

「うぅ…生臭いよぉ…生臭いよぉ…」

「カエルの中って臭いけどいい感じに温いんですね。」

「知りたくもなかった、そんな知識。」

 

私たちは依頼こそ達成できたが、疲労困憊の上に半数がカエルの粘液でヌメヌメである。

 

「爆裂魔法は緊急のとき以外禁止な。これから他の魔法で頑張ってくれよ……」 

「使えません。」

「は?」

「私は爆裂魔法以外の魔法は使えません。」

「…マジか。」

「マジです。」

「私は爆裂魔法しか愛せない!たとえ1日が限度でも、たとえ魔法を使ったら倒れるとしても!それでも私は爆裂魔法しか愛せない!だって私は爆裂魔法を使うためだけにアークウィザードの道を選んだのですから!!」

「…それは」

「「素晴らしい!!」」

 

私は感動した。非効率ながらもロマンを、自分の選んだ道をひたすら追い求める姿。それは漫画家としての私と通じる物がある。めぐみんはすごい人だ、好きなことをして生きるって思ったよりも難しい。けど、めぐみんはこの過酷な世界で今まで生き延びてきた。並大抵の努力じゃそんな事できないだろう。

 

〜視点チェンジ!はるか→カズマ〜

 

まーずい、どうしよう、まさかアクアどころかはるかまで同調するとは思わなかった。どうする、こんなダメな系の魔法使いを連れて行くわけには行かない。アクアと同調するようなやつなんて俺は嫌だ。というかどうしてはるかまで同調するんだ、お前はこっち側だと思っていたのに。使えないアクアはともかく、はるかまで問題児とは思わなかった。はっきり言って、ここでさらに問題児を追加するわけには行かない…よし、決めた。

 

「そうか、頑張れよ!それじゃあギルドに着いたら今回の報酬を山分けにして機会があればまたどこかで…」

 

その瞬間、めぐみんの俺を掴む力がかなり強くなった。

 

「我が望みは、爆裂魔法を撃つことのみ。なんなら無報酬ですら良いと考えています。そう、アークウィザードの強力な力が、今なら食費と雑費だけで…!これはもう、長期契約を交わすしかないのではないだろうか…!」

「ええ!凄いお得じゃないですか!カズマさん、これはもう長期契約を…!」

 

おい待てはるかお前まで乗ってくるな、やめろマジで。

 

「…いやいやいや!その強力な力は俺たちみたいな駆け出しの弱小パーティには宝の持ち腐れだー!」

「いえいえいえ!私も上級職ですけど、レベル6ですから…!ねえ、私の手を引き剥がそうとしないでほしいです…!」

「いやいやいや、1日一発しか使えない魔法使いとかないわー!」

 

くっ、こいつ魔法使いのくせに意外な握力を…!?

 

「おい離せ!おいお前他のパーティにも捨てられた口だろ、というかダンジョンにでも潜ったら狭いところであんなの使えないしいよいよ役立たずだろ…おい離せって!」

「なんでそんなに嫌がってるんですかカズマさん!こんな凄い人中々居ないし、これはきっと千載一遇のチャンス…!」

「見捨てないでください!もうどこのパーティも拾ってくれないんです!荷物持ちでも何でもしますから!捨てないでください!!!」

「やだ、あの男小さい子を捨てようとしてるわよ!?」

 

…ん?

 

「隣には粘液まみれの女の子…」

「あんな小さい子を弄んで捨てるなんてとんだクズね!見て!女の子のうち2人はヌルヌルよ!?いったいどんなプレイしたのよあの変態!」

 

間違いなくあらぬ誤解を受けている。不味い不味い不味い、こんなのめぐみんに聞こえたとしたら…!

 

「どんなプレイでも大丈夫ですから!先ほどのカエルを使ったヌルヌルプレイも…!」

「よーしわかった!めぐみんよろしくな!」

 

それから、俺はギルドの受付に報告を終え、報酬を受け取った。冒険者カードは便利だ、大したモンスターの種類や討伐数を記録してくれるのだから。

 

「……11万。4人で山分けすれば27500エリス程度…はぁーあ。命を落としそうになって報酬は27000円。割に合わねぇ〜」

 

そんな世知辛い世の中に俺がため息をついていると…

 

「募集の件、見させてもらった。まだパーティメンバーの募集はしているだろうか。」

 

…なんと年上の女騎士、それも美女が話しかけてきたではないか。

 

「ああ、えっと募集はしてますよ!あんまりお勧めはしないんですけど…」

「…そうか、よかった…貴方のような者を、私は待ち望んでいたのだ。私の名はダクネス、クルセイダーを生業としているものだ。私を…ぱ、ぱぱぱぱ…パーティに…!」

 

じかーいじかい。

今回我々の出番がないと思っただろう?

どうやらマスターがとある物を探しているらしい。

面白い、私の知恵で力になろう!

ドン3話「てんそうのゆくえ」

さあ楽しもうぜ!




次回はこのすば世界の様子は一旦お休み、はるかが居なくなったドンブラ世界での様子をお届けします
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