この暴れ鬼に祝福を! 作:シュシュッ イヨォー!
パーラパラッパラパーンパン!
「アレね、3人じゃ無理だわ。」
「我が名はめぐみん!」
「エクスプロージョン!」
「捨てないでください!!!」
「よーしわかった!よろしくなめぐみん!」
テーンテテテテン!
〜喫茶どんぶら〜
これは、はるかが冒険者登録をしたばかりの頃……
その時の元の世界のお話。
「…それで、どうするかだけど。」
「どうするか、と言っても我々からは何も出来ないだろう?ああして話すこと以外は…」
「こっちから物を送れたりしたらいいんですけどねぇ…」
そう雉野がこぼす。それもそうである。1人だけ別の世界に送られ、自分たちは何もすることが出来ない…無力感でいっぱいだろう。
「あるよ。」
「えっ?」
「あるよ、物を送る方法」
しかしここは喫茶どんぶら、ないものはない、ないものもある場所。そんな所で何か喋れば、そう返ってくるのは必然であった。
「本当か!?」
「うん、ただちょっとお使いをしてもらうことになるけど…」
「その程度なら!やります!」
「わかった、それじゃあ…」
〜採石場〜
脳人レイヤーを通ってやってきたのは、何の変哲もない採石場だった。
「本当にこんな所に転送装置とやらがあるのか…?」
「とりあえず探してみるしかありませんよね…」
そこは茶色い地面や砂に満ちたただの広場。戦うには丁度よいだろうが、こんな所に何かあるようには思えない。
「…ん?おい雉野、こちらに謎の機械があるぞ?」
「えっ本当ですか…?あっ!」
そこにあったのは、ただの採石場には不似合いなATM型の機械だった。何故こんな物がここにあるのか、こんなところに有ってバレないのかなどは一旦気にしないでおく。
「ありましたね本当に!それでこれからどうするんでしたっけ?」
「確かこの番号を入力して…よし!開いたな!」
事前に知らされていた番号を入力すると、その機械は地面へと潜っていき、代わりにとばかりに地面から階段が現れた。確かにこういうのは映画などで見たことがあるだろうが、にしたって現実にあるとは思わないだろう。
「おお…!」
「油断するな雉野、マスターによるとこの先に守護者…ドン・ガーディアンが居るらしい。」
ドン・ガーディアン、それは言うなれば試練という概念そのもの。強さと、知恵と、技を試す為の守護者。例のドン・キラーの件以降、事故が起きるのを危惧したマスター達が考案した重要アイテムの守護方法である。…まあ、すぐに押せないと意味がないボタン類は結局どんぶらに置くことになったため、大して意味はないのだが。
「凄いですねぇ、映画でしかこんなの見たことありませんよ!」
「一体どんな技術なのやら…散々あんなのを見ておいて今更だろうか。」
中は所謂近未来的な様相となっている地下ラボだった。自動ドアやエレベーターで下へと潜っていくと、はるかと同じ顔をしたロボットが居た。
「…なんではるかさんと同じ顔なんですかね?」
「そんな事はどうでもいい、構えろ雉野!」
『ドン!ブラスター!』
「ダイイチノシレン チカラノシレンヲカイシシマス」
2人は共通武装ドンブラスターを手に取り、ギアテーブルに赤いギア型アイテム……アバタロウギアをセット。ドンブラスターの側面、エンブレムがあるスクラッチギアを回転。ギア内部のデータをロードする。
「「アバターチェンジ!」」
『いよぉ〜!』『ドン!ドン!ドン!どんぶらこ〜!』
『アバタロウ!』
『うっきうき!うっきうき!』
『トリッキー!トリッキー!』
『サルブラザー!よっ、ムッキムキ!』
『キジブラザー!よっ、トリッキー!』
そしてトリガーを引くとともにデータを実体化、その姿をヒーローの物へと変える。猿原の方はまるでゴリラの如きマッシブな腕を持つサルブラザーに、雉野の方は見上げないと全体像が分からないほど足が長いキジブラザーに。クセが強いかもしれないが、これでもちゃんとヒーローである。
「5フンイナイニ ワタシヲタオシナサイ」
「行くぞ雉野!」
「はいー!ケンケーン!」
まずサルブラザーが腕を振り回しながら接近、ガーディアンを壁を追い詰める、さらにその後ろからキジブラザーが飛行しつつドンブラスターを連射、縦だけではなく横の退路も断っていく。
「うおおお!暴れ猿パンチ!」
そして追い詰めた所で、サルブラザーが必殺の拳を放つ。あまりの威力にトラブルを起こしたほどの技なだけはあり、吹き飛ばされるドン・ガーディアン。
「これでどうですか!」
『パーリィータイム!キジブラザー!』
『どんぶらこ!』
ドンブラスター天面のスイッチを押し込み必殺技状態へ移行、桃色の光弾を放つ。すると爆発が起こり、煙が晴れた先にドン・ガーディアンは倒れていた。
「…ダイイチノシレン、ゴウカク。ダイニノシレン、ワザノシレンをカイシシマス」
「アバターチェンジニヨリ 4カイチガウワザデワタシヲタオシナサイ」
「4回か…ではまず雉野から頼む。」
「僕ですか!?ええっとじゃあ…これを」
そうして取り出したのは34番目の戦隊、ゴセイジャーのアバタロウギア。これもギアテーブルにセットしスクラッチギアを回転、データをロード。
『ゴセイジャー!』『でぇ先輩!でぇ先輩!』『よっ!天装戦隊!』
そしてトリガーを引き、データを実体化。「息吹のスカイックパワー」ことゴセイピンクへとアバターチェンジした。…相変わらず女性用のスーツとなっているのは御愛嬌。
「ええっと…これですかね!せいや!」
そして専用武装スカイックショットを取り出し、必殺技ピンクトリックを放つ。
「…ッ!ノコリ3カイ、ベツノワザヲウテ」
「それでは今度は私が…」
サルブラザーが取り出したのは33番目の戦隊、シンケンジャーのギア。
『シンケンジャー!』『でぇ先輩!でぇ先輩!』『よっ!侍戦隊!』
「おお、刀…ん?弓になるのか。それでは…はっ!」
取り出すは専用武装ウォーターアロー。そして必殺技明鏡止水を発動、水のモヂカラを纏った矢を連射する。厚さ50cmのコンクリートの壁を砕く程の威力を誇る大技だ、当然威力は十分なものとなる。
「…ノコリ2カイ、ベツノワザヲウテ。」
「おおっと!?」
「なんですかこの壁!」
どうやら後半になると難易度も上がるようで、鋼鉄の壁のような物がドンガーディアンを覆った。
「ならばこれを貫通するほどの威力を出せば良いわけだ!合わせるぞ雉野!」
「あっ、はい!」
サルブラザーが取り出したのは35番目の戦隊、ゴーカイジャーのギア。キジブラザーが取り出したのは43番目の戦隊、リュウソウジャーのギア。そしていつも通りデータを実体化させる。
『でぇ先輩!でぇ先輩!』 『よっ!海賊戦隊!』『よっ!騎士竜戦隊!』
「これを…こうですかね?」
『剣ボーン!』
「うおおお!」
キジブラザーは騎士竜の頭部を象ったエネルギー体を飛ばすディーノスラッシュ、サルブラザーは剣を発光させ十文字に斬ることで衝撃波を飛ばす一刀流ソウルブレードを放つと、2つの威力に壁も耐えきれずそのままドンガーディアンは再び爆発した。
「…ゴウカク。サイゴノシレンハ、コノカミノナゾヲトケ。」
「紙…?」
「あっ、何か書いてありますよ?」
そうして渡された紙には、『11色の虹がかかる川の店を訪ねろ』と書かれている。
「11色の虹がかかる…」
「川…?」
一体どういうことだろうか。虹は7色だ、11色の虹などない。川の店、というのもよく分からない。川の近くの店、ならまだわかるが、川の店となると川を販売しているかのようだ。…と、まあ思ったより簡単なクイズではあるだろう。答えは当然……
「なるほど、あそこか…!」
「うーん…?僕はわかりませんでした…猿原さん、答えは何ですか?」
「ふふふ…簡単だ。そうだな…ヒントとしては、我々ドンブラザーズの人数を数えてみるといい…」
「…え?いち、に、さん、し、ご、ろく…あっ!」
…そう、答えは…………
「マスター!」
「…思ったより速かったね、ドンブラザーズの成長は著しい。」
「11色の虹がかかる川の店…ここ喫茶どんぶらですね!?」
そう。ドンブラザーズは現在色々あって10人。そしてそのうちジロウは金と銀の2色、2つの姿を持つ。よって11色となる。川というのは単純に「どんぶらこ、どんぶらこ」からだろう。
「おかしいと思ったんだ、この店にないものはないらしいからな…」
「そう。喫茶どんぶらにはないものはない。ないものもある。というわけでこれが転送装置だよ。」
「…でもこれ、僕ら完全に無駄足だったんじゃ…」
「いや、これで漸くこの装置の機能がアンロックされるんだ。さて、何を送ろうか?」
タロウは今、何をしていますか?私は今、異世界にいます。
こっちでは良い仲間もできました。なんだかんだ面倒見のいい同郷の人に、ちょっと調子に乗りやすいけど実はすごい人な女神様、ロマンを追い求める魔法使い。
きっとこれからも仲間が増えると思うし、楽しくなります。
私は元気でやっているので、タロウはこれからも縁を結び続けてください。来年までにはそっちに顔を出せるようにしたいです。
第4話
このろくでもない世界にヒトツ鬼を!
今回の時系列は本小説の1話〜2話の間くらい。
追記:ムラサメの事を忘れていたのでカウントしました。