あの体験をあなたにもう一度   作:ぼーる

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USJ襲撃事件②

「あれは、、、(ヴィラン)だ!!!

 

生徒たちの間で緊張が走る。

 

「ふむ、13号にイレイザーヘッドですか。先日いただいた資料では、ここにオールマイトがいるはずだったのですが、、、」

 

黒いもやのような者が顔付近でゆらゆらと揺れている、異形型(?)の(ヴィラン)がそう言った。

 

「(いま、()()()()()()()って言った、、?外から侵入してきた敵がどうして雄英の授業の予定を、、?)」

おかしい。ここは校舎から離れた訓練施設で、A組しか居ない。

雄英には3学年合わせてもたった6クラスしかヒーロー科が存在しないのに、α、β、γ、、、3年間で1度も使わない場所があるんじゃないかというほどたくさんのグラウンドや演習場、体育館がある。

それを、あの黒いもやの個性でピンポイントで、、

ただの侵入者じゃなさそうだ。

 

 

「どこだよ、、、せっかくこんな大衆連れてきたのにさ、、、オールマイト。子どもを殺せば、来るのかな?」

 

青い髪の(ヴィラン)がそう言った。

生徒たちに向けられた殺気で、数人が後退りする。

 

「13号!避難開始だ!それと侵入者用のセンサーが稼働してない。電波妨害系の個性が向こうにいる可能性がある。上鳴、お前も個性で連絡試せ!

(ヴィラン)なのにどうしてだ、、?どうしてオールマイトに会いたい、、?(ヴィラン)なんて、いかにオールマイトに見つからないように悪さをするか、だ。オールマイトが来てもゲームオーバーにならないどころか、むしろオールマイトがいることを求めてた。目的がわからない、、)」

 

相澤は指示を出しながら頭をフル回転させていた。

 

「先生は!?一人で戦うんですか!!?先生の得意分野は奇襲からの捕縛で、、、」

 

「緑谷、プロは一芸だけじゃやっていけん。」

 

そう言い残し、相澤先生は50人はいるだろうと思われる(ヴィラン)の集団に駆けていった。

相澤先生は、ゴーグルで個性を使っていることを悟らせず、相手集団のコミュニケーションと連携を分断して次々と(ヴィラン)を沈めていく。

私たちはプロの強さを見せつけられた。

 

「すごい!!多vs一こそ相澤先生の得意分野だったんだ!!」

「君たち!見ていないで避難しますよ!!」

 

避難も何も、相澤先生が全部倒してくれるじゃん。そう思っていると、、、

 

 

「させませんよ。」

 

ずあっと黒もやが私たちの出口への道を阻む。

「はじめまして。私たちの名前は敵ヴィラン連合。この度は僭越ながらヒーローの巣窟、雄英高校に侵入はいらせて頂いたのは、、、、」

 

 

____『平和の象徴』オールマイトに息絶えていただきたいと思ってのことでして_____

 

 

 

何を、、、言っているんだ、、、?

わたしの足は止まっていた。この(ヴィラン)たちはその計画があるの、、??

それだけの戦力、私たちはどうなるの、、?今戦っている相澤先生は大丈夫なの?

 

オールマイトは、世界最強、平和の、象徴だ。

オールマイト(イコール)平和なのだ。

 

目の前がゆらゆらと揺れる。

恐怖、混乱、不安、、、、それを打ち破ったのは、

 

BOOOOOOOM

 

聞き慣れた爆発音だった。

 

「その前に俺らにやられることは考えなかったのかあ!!!!???」

 

切島くんも後につづく。

 

「君たち!!離れなさい!!」

あ、13号の射程だ、、

 

「おおこわいこわい、学生とはいえヒーローの卵。警戒しなければなりませんでした。」

さらに黒いもやが広がっていき、私たちを包んだ。

「私の役目はこれ。散らして、なぶり殺す。」

 

視界が真っ暗になり、、、突然地面の感覚を失った。

 

 

「お、落ちてる!!!!?????」

 

「お、来たぜ。獲物たちだ。」

「やっとか。待ちくたびれた。」

 

下は、、湖、、!??これならうまく着水できれば怪我はしないかもしれない。

でも、水の中には水系の(ヴィラン)が待ち構えていて、落ちた瞬間殺されるのがわかる。

 

「とりま〈無重力(ゼログラビティ)〉!!」

ふわりと空中で静止する。

 

「双葉さん!!」

「双葉ぁ!こっちみろぉ!!」

「緑谷くん!??それに峰田くん、梅雨ちゃんも!!!ちょっと待って、〈無重力(ゼログラビティ)〉かける3!!」

 

遠くに同じく空中に浮いていた3人に向けて〈無重力〉を撃つ。

それによってふわりと浮いて、余裕が生まれたところを梅雨ちゃんが舌で引き寄せ、なんとか湖に浮かぶ船に着地した。

 

「梅雨ちゃんありがとう!たすかったよ!」

「こちらこそ助かったわ、共美ちゃん。二人も大丈夫かしら?」

「うん!ありがとう!蛙水さん。双葉さん。」

「オイラも大丈夫!助かったぜ!」

「梅雨ちゃんと呼んで。」

「、、さて、ここからどうする、、?」

 

水の中に居た(ヴィラン)たちは、私たちがそのまま水の中に落ちてこなかったことに対して不満げに船の周りに集まってきて、船を壊そうと攻撃をしようとしていた。

 

「、、、うっ、衝撃がくる、。どれくらいもつかな、、。」

「下はどんな感じになってるんだ、?よいしょっと。」

「危ないわ!!峰田ちゃん!!!」

 

梅雨ちゃんが峰田を抱きかかえてとっさに体制を低くする。

その刹那後、峰田くんが船の下の水面の様子を見ようと乗り出していた場所を、ちょうど水の刃が通過した。

その刃はそのまま高く飛んでいき、船のマスト部分を傷つける。

 

「危ねえ!!殺す気かよ!!」

「峰田ちゃん、私たちは今命を狙われている、警戒しないといけないわ。」

「そうだね、一旦体制を低くしたまま、壁の高いところまで移動しようか。」

「そうね。」

 

そろそろと船の後方へ進み、高い壁の陰まで移動して少し腰を落ち着けた。

 

「よし、作戦会議しよう。まず、みんなの個性を教えてほしい。まず僕の個性は『超パワー』的なやつで、思いっきり力を込めると強い力で殴ったりできる。ただ、、、僕がまだ未熟なせいなんだけど、その衝撃に体が耐えられないんだ。だから、戦闘訓練のときみたいに、腕がバキバキになっちゃうんだ。使いどころはできるだけ取っておきたい。みんなのも教えてくれる?」

「、、私ね。私の個性は『蛙』。蛙っぽいことはたいていできるわ。基本的には舌を伸ばせるのと、壁にはりついたり、胃袋を出して洗ったり、毒性の粘液を分泌したりもできる。」

「なるほど、、蛙水さんの舌のお陰で、さっきは助かったよ。ありがとう。水場なら、蛙水さんの独壇場だね!」

「ああ!助かった。ありがとな!」

「ありがとうね!」

「ケロケロ。梅雨ちゃんと呼んで。それで、じゃあ峰田ちゃん。個性を教えてくれる?」

「わかったぜ。オイラの個性は『もぎもぎ』。」

 

そう言って、峰田くんは頭から球のような、髪ではない、ボール型のものをもぎとった。なんだかぷにぷにとした見た目だ。

「このもぎもぎは、ものにくっつく。調子が良ければ1日くらい。オイラには反発する。」

 

「「「、、、」」」

「、、、なんだよ!!しかたねえだろ!強い個性じゃなくて悪かったよ!!」

「、、いや、ちがう。すごいうまく使えそうな個性で、作戦とか色々考えてたんだよ。ごめんね、峰田くん。」

「そうそう。使いどころによっては本当に刺さる、秘密兵器的だね!」

「峰田ちゃん。とっても強力な個性よ。」

「、、、、、そうかよ。もっと褒めろ!!」

 

峰田くん。このくるっくるな感じ、かわいいな。

 

「じゃあ最後に双葉ちゃん。」

「よし。私ね。私の個性は『体験(たいけん)』。私がこれまで体験してストックしてあるものを、対象にも体験させられる。触れなくても大丈夫。例えば、さっきのは、[お茶子ちゃんに『無重力(ゼログラビティ)』で浮かせてもらった体験]を3人に撃ったの。」

「戦闘訓練のときに狙撃してたのはそれか!」

「そだよ」

「ヒーロー活動の幅が広いわね。すごいわ。」

「それで双葉さん。いまストックしてる体験には、どんなのがある?」

「ああ。えっとね、まずは[トラックにはねられた体験]と、、」

 

「「双葉/双葉ちゃん、トラックにはねられたの!!!??」」

 

「あえっと中3くらいのときにね?個性が発現したのもそこ。」

「、、そうだったね。中学3年生くらいまでは僕と同じく無個性だったって、、」

 

「「緑谷/緑谷ちゃん、無個性だったの!!!!????」」

 

 

ドンッと船が揺れる。

「おい!早く降りてこい!!」

 

「あんまり時間もないみたいね。早く作戦を立てましょう。」

 

 

******

 

「じゃあ、準備いいね!」

「ああ。」

「うん。」

「ええ。じゃあ行くわねっ!!峰田ちゃん!!」

「なんでオイラがああぁぁぁっっ!!!」

 

梅雨ちゃんが舌で思いっきり勢いをつけて、峰田くんを空中へ投げ飛ばす。

 

「おい、見ろ。一人飛び出してきた。」

「やっとあきらめたかあ!?『水刃』!!」

「『ウォータージェット』オ!!!」

 

峰田くんは格好の的。

「おい!もう攻撃来たよ!うわああ、やったらあ!!『グレープラッシュ』!!!

峰田くんは、ありったけのもぎもぎを水面に向かって投げた。

 

「おい、なんだこれ。」

「わからねえ。できるだけ触るな。」

 

「いまだ!梅雨ちゃん!!!もっかい!!」

「ええっ!!!」

「ううわあぁぁぁぁ!!!(空こわい)」

 

今度はわたしが投げ出され、空中で峰田くんを抱っこ。

その追加の速度で、峰田くんは飛んできた攻撃から逃れた。

そして、、右手を水面に向ける。

「いけっ!!!!〈人間スタンガン〉!!!!

 

『人間スタンガン』は、上鳴くんの技だ。

オールマイトの戦闘訓練で受けた、上鳴くんのあの最後のあがき。それをわたしは〈ストック〉した。

というか、自分が受けた強いダメージはストックするって癖になってきたかも。

とはいっても私が受けた攻撃は、響香ちゃんが受けた『無差別放電・50万ボルト』なんかよりも全然弱い、いわば上鳴くんの残りカス。

ただ、その電撃は、こと水場では、絶大な威力を発揮した。

 

「うぐああっっ!!!」

「電気のっ!!個性持ちが来るなんてっ!!!きいてねえっっっっ!!!」

 

「緑谷くん!!梅雨ちゃん!!いまっ!!!」

「うん!!!!!」

 

緑谷くんは梅雨ちゃんに遠心力で思いっきり投げてもらい、そのまま梅雨ちゃんも舌で一緒に着いてくる。

そして空中で水面に向き直り、、、

 

SMAAAASH!!!!!

 

 

ものすごい衝撃とともに水面が大きくへこみ、反動で波が中心に集まる。

魚系など、水中で移動を得意としていた(ヴィラン)なら、必死に逆に泳ぐことで逃れられたかもしれないが、電撃によってひきっつった体は思うように動かない。

(ヴィラン)たちはそのまま中央でぶつかり合い、もぎもぎでくっつき、ひとかたまりになって拘束された。

 

「あ!やばい!」

「どうした?双葉。」

「着地考えてなあああい!!!!」

「「「うわあああああ」」」

 

「、、、双葉ちゃん、落ち着いて。〈無重力(ゼログラビティ)〉かけてもらえるかしら?」

「、、、あ、そっか、。」

 

 

 




今ストックしている体験(のうち明らかになっているもの):
[トラックにはねられた]
[『無重力』をかけられた]
[『治癒』をかけられた]
[『眠り香』を吸った]
[『人間スタンガン』をうけた]
[ランチラッシュのはんばあぐ]
[???]
[???]
[???]


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