あの体験をあなたにもう一度   作:ぼーる

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間が開いてすみません。。
国立2次試験が終わりました。再開できます!いえーい!!


USJ襲撃事件③

 

無重力(ゼログラビティ)〉でふんわりと着地する。

緑谷くん、梅雨ちゃん、峰田くん、私。4人とも無事だ!

 

「よっしゃああ!オイラたちだけで敵をたおしたぞお!!!」

「うん!やったね!とりあえずは広場に戻らないと!!」

「ねえ、緑谷くん。ちょっと待って。」

 

私は緑谷くんの右手を取る。

さっき水面に向かってうったスマッシュの反動で、人差し指が真っ赤に腫れ上がっている。おそらく中の骨も折れまくっているはず。

なぜこうなることがわかっていて個性を使えるのか、ほんとに緑谷くんの精神性が意味わかんないんだけど、、、

 

「緑谷くん、まだ体力残ってるもんね。いいよね。〈治癒〉、、。」

 

リカバリーガールの治癒。

『治癒』をかけられた緑谷くんの指は、たちまち正しい形に戻っていき、腫れも引いていく。

横で峰田くんが驚いた表情をしていたが、すぐ納得がいったようだ。

 

 

「リカバリーガルの、、、。双葉さん、それは、まだ自分用でしかやっちゃいけなかったはずじゃ、、、」

「まあいいでしょ!さすがに今回は緊急事態。緑谷くんまだ元気そうだったし体力残ってるだろうから。あとさ、広場に戻るまでにさ、また敵の奇襲とかあって、緑谷くんの痛みで隙が生まれちゃったらさ、誰かがさらに怪我するかもしれないしね?」

 

こう言えば緑谷くんはひきさがる。 

なんたって生まれながらのヒーローだからね!

自分以外の誰かが傷つく話をされると、うっ、、とくるものがあるんだろう。

 

とはいえこれは、私の緑谷くんへの信頼の裏返しだ。

この中で、(ヴィラン)との近接戦闘でみんなを守り切ることができるのは、やっぱり緑谷くん。

私はもちろんだめだし、梅雨ちゃんも峰田くんも、近接よりは中距離タイプ。

やっぱり戦力として緑谷くんは重要だから、これから先で頼りたい。

だから、万全の状態でいてほしかったのだ。

 

「それで、、、体力の残りやばそう、、?」

「、、、、大丈夫。これくらいなら、どうってことないよ!」

「一応、ハンバーグ食べる?」

「いりません。」

 

 

 

******

 

 

______SIDE.相澤消太

 

 

 

さっき一瞬だけ後ろを確認したが、生徒たちは全員は避難できなかったようだ。

半数以上の生徒たちは、敵によってどこかに飛ばされた。

数人は入口前で13号と取り残されている。向こうの相手は今回の襲撃のリーダー格、黒霧と呼ばれていた(ヴィラン)

あいつの『個性』はおそらくテレポーテーションかワープの類。

それで奇襲されてしまったのなら、生徒を避難させきれなかった13号を責めるべきではない。

ワープは奇襲、侵入、戦闘において使い勝手が良すぎる。

 

飯田がUSJの外へ抜け出していくのが確認できたから、応援はすぐ来るだろうが、、、、

USJの至る所で爆発音とか衝撃音が聞こえる。生徒たちが戦闘しているのだろう。

さっさとここを片付けて、生徒たちの安否確認と手助けにいかねば!

 

 

「、、、、、、、24、、、、、、、。、、22、、、。、、、、、19、、、、、。前髪があがって、さがる、1モーション終えるターム。どんどん短くなってるな。イレイザーヘッド、お前、無理してるだろ?生徒たちを安心させるために前に出たってか?かっこいいなあ、ヒーローは!」

 

青色の髪の(ヴィラン)、黒霧と呼ばれていた者と並んでリーダーらしき男。

あれだけの人数の仲間に対して、特に指示を出すわけでもない。リーダーとして統率を取っているわけではない。

しかもその仲間のほとんどが路地裏のチンピラレベルだ。直前に集めたというなら、どちらかといえば()()。生徒ですら対応できるだろう。

 

雄英に侵入するというのだから精鋭を集めるのが正しい選択のはず。

なにか裏があるのか、、、?

 

そうでなければ、お世辞にも上に立つものとして優れているものだとは思えない。

向こうの黒霧という敵のほうが、頭脳犯としての雰囲気をまとっている。

 

でも青い髪のこいつは、俺のことをよく見ている。戦闘に不慣れだとか、そういうわけではないのだろう。

そのうえ、隙がない。威圧感すらある。個性も割れていない。

油断してはならない、強敵であることは間違いないだろう。

 

 

そう考えながら、最後の雑兵を気絶させた。

間髪入れず即座に、青い髪の敵に捕縛布を伸ばす。

 

青い髪の男は、避けようとしない。

伸ばした捕縛布に、男は手を伸ばす。

男の手が布に触れた瞬間、布が端から塵になっていった。

 

そして同時に左肘に触れられる。

 

「(まずいっ!!!)」

 

瞬時にそこから飛びのく。

触れられた布の先と左肘は、塵のように崩れていた。

 

「イレイザーヘッド。残念だが、相手は俺じゃない。」

 

 

 

 

_____バキッ_____

 

 

 

 

 

 

体が吹っ飛んでいく中で、かろうじてその様態を視認する。

突如現れた新手の(ヴィラン)、全身が黒く、そして、脳がむき出しになっている、、、?

 

体が地面にバウンドする。

痛んでいる暇なんかない、そんなのは後にしなければ。

 

 

「(『抹消』!!!!)」

 

 

個性を消されたはずのその黒い敵は、一切スピードが落ちないまま自分に向かってきていた。

()()()()()()()()()。どういうことだ!??

 

敵が自分の上に馬乗りになる。

 

 

「脳無。そいつの腕を、折れ。」

「ぐっ、ぐああ!!!」

 

そうか、俺の『抹消』が効いていない!

これが、素の身体能力か!!

素の身体能力で、オールマイト並!!

 

「『抹消』。見たものの個性を消す個性。個性じゃない圧倒的な力の前じゃ、ただの無個性だ。」

青い髪の男がにやりと笑う。

 

 

するとそこへ、、、

 

 

 

 

******

 

 

 

「おい、なんだよ、、あれ、、。あれって、、、相澤先生か、、?」

 

広場に戻り私たちが見たのは、、黒い体の(ヴィラン)に上から押さえつけられ、腕を折られる瞬間の相澤先生だった。

 

「、、、なんだよ、、あいつ、、。相澤先生の個性が、効いてねえのかよ、、、!?」

「峰田ちゃん、、、あっちも見て。あれは、、13号先生かしら、、、?」

「、、、応援を呼ばないと、、!でもここを離れると先生たちが、、、って、緑谷くんっっっ!!!???」

「緑谷ちゃん!!!だめよ!危ないわ!!」

 

緑谷くんはそこから飛び出していた。

 

「相澤先生からっっ!!離れろおおぉぉぉ!!!!!!SMAAAAAAAAAASH!!!!」

 

 

どんっっという衝撃の強さが、こっちからも見てわかる。

なのに、その敵は微動だにしなかった。

 

 

「(僕の、、、いや、オールマイトの100%のSMASHだぞ、!!?)」

 

「緑谷くん!!!一人で行っちゃだめ!!!行っけ!〈トラック〉!!!

 

相澤先生の上に乗っている敵を吹っ飛ばそうと、両手からトラックを放つ。

しかしまたしても、その敵には傷ひとつつかなかった。

 

 

「残念だったな。そいつは『ショック吸収』の個性を持ってる。オールマイトを殺すための、俺のとっておきだ!」

青髪の敵がそう言う。

 

そういうことか。

こいつらはオールマイトを殺すために来ているんだ。

オールマイト専用の対策。打撃が効かないのはそりゃそうといえばそりゃそうだろう。

まさしくこの黒い敵は『秘密兵器』なんだろう。

 

「それならっ!〈眠り香〉!!

ミッドナイト先生の『眠り香』を撃った。

これなら、、!

 

 

 

「・・・・」

 

 

なんで!!???

 

「あー、、お前、今なにかしたのか?まあ効かなかったみたいで残念だが。」

 

この敵は眠らないのか、、?他にあいつを無力化するすべは、、、

あれは本当に生物なんだろうか。見た感じ、脳はむき出しで眠りも効かない。でも筋肉っぽい見た目してるし、?

 

 

「脳無。まずはその緑色のガキを殺せ。」

 

「緑谷くん!!!逃げて!!!!」

「緑谷!!」

「でも!相澤先生が!!って?、、()()()()()()()()!??」

 

 

BOOOM!!!

 

 

 

「死に晒せやああ!!」

「かっちゃん!!!??」

 

「緑谷ぁ!!相澤先生回収してるから大丈夫だ!!!」

 

「なるほど!瀬呂くんか!!ありがとう!」

 

崖の岩陰に、瀬呂くんたちが居た。相澤先生は彼のテープで回収されたようだった。

 

 

「、、、だ、めだ、、戦うな、逃げろ、、、」

「相澤先生!今逃げてもさっきのワープで追いかけられて意味ないっすよ!応援が来るまで耐えるべきです!連絡は!!?」

瀬呂くんが相澤先生に尋ねる。

 

、、、わかった。いま飯田が学校へ走ってる、、、。

「了解です。相澤先生、無理しないでください。おーい!!爆豪!緑谷!いま飯田が学校に走ってる!!

 

 

「瀬呂くん!!了解!」

「わーったわ!!」

 

「(爆豪は何にキレてるん?)」by瀬呂

 

 

 

「、、死柄木弔。生徒に一人、逃げられました。」

「、、、は?」

 

どこからかさっきの黒いモヤのような異形型ヴィランが、青髪の下へ現れた。

報告を聞いた敵はガリガリと首を掻きむしる。

その異様な光景に、緑谷たちは動きを止めた。

 

「あーもう、お前がワープゲートじゃなかったら殺してたよ、、。ゲームオーバーだ。帰ろ。」

 

「(帰ってくれるのか!いや、でもまだ警戒を緩めるな!)。かっちゃん。まだ。」

「ああ、わかってる。」

 

 

「でも、その前に、ちょっとでも嫌がらせをして帰ろう」

手のひらの奥に見える瞳が、にやりと笑う。

「脳無。生徒を殺、、、、、」

 

 

「、、、、死柄木弔?どうしたのですか?」

「、、、、、」

「、、、死柄木弔!?」

 

脳無と呼ばれた敵に青髪が指示を出そうとしたが、途端に指示をやめてしまった。

 

「、、、これは、、お前か!!!」

 

黒いもやがこっちを睨む。

 

「そーだよ!!ちょっと寝てもらっただけ!その黒いのには効かなかったみたいだけど、その青い髪のリーダーはどう見ても人間っぽかったからね!!それじゃ、あなたにも眠ってもらう!〈眠り香〉!!」

 

「、、、」

「あれ、あなたも眠り効かないの、、!?って、あれ、、、、???」

 

膝がカクンと折れて、突然眠気が、、、、

 

「、、子どもとはいえヒーローの卵、危ない危ない、、。でもまだ経験は足りていないようです。13号のときと同じですよ。『眠り』は、あなたに返しました。」

 

薄れていく意識のなか、自分の後ろにゲートが開いていたことに気づく。

ね、眠い、、抗えない、、、zzz

 

 

「死柄木弔も眠ってしまって、脳無は彼でなければ動かせない。今回の襲撃で一人も生徒を殺せないとは、、彼も計画が甘すぎましたね。私たちは撤退します。次は()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

黒いもやの敵と、脳無と呼ばれた敵の周りにゲートが開く。

 

 

「待て!!!」

「待ちやがれえ!!!」

 

()()何だって?」

 

その瞬間、脳無と呼ばれた敵の頭が、地面に沈められていた。

 

「「「オ、オールマイト!!!!」」」

 

「、、オールマイト、遅れての到着ですか。」

「生徒たちと相澤くん、13号をこんなふうにしたのは、お前か!?

 

ビリビリと空気が震える。

 

「やっとのご対面ですが、さすがに現状は分が悪い。脳無の回収は諦めます。オールマイト、()()()()()()()()()()()()()?」

「!!!」

 

眠っている双葉と、相澤を抱えた瀬呂の後ろに、ズズズと黒いもやが広がっていた。

オールマイトは即座に地面を蹴る。

 

 

「待て!!!!!」

 

一瞬でオールマイトは双葉と瀬呂たちを回収。

しかし、その隙に、黒いもやの敵と、死柄木と呼ばれた敵はゲートの向こうに姿を消した。

 

 

******

 

 

どうやら一番良いところで私は眠っていたようで、、、

 

「そうそう!あのあと、敵たちはワープゲートで逃がしてしまったんだ。あ、でもオールマイトのおかげで、脳無と呼ばれていた敵は確保することができたよ!あの後一つも動いていなかったけど、黒いもやの敵が『指示がないと動かせない』ともいっていたし、あれは一体何だったんだろうね?」

 

緑谷くんがことの顛末を教えてくれた。

 

USJ襲撃事件。

あのあと飯田くんが引き連れた雄英高校のプロヒーローたちにすべての敵が鎮圧され、70名を越える敵が拘束。

しかし、幹部らしき者の情報は一切得られなかった。

ただ一つ聞き出せたことは、「オールマイトを殺そう」という目的で集められたこと。

 

生徒たちは軽症はあれど皆無事。

相澤先生は顔面の骨折、両腕の損傷、特に左腕。目には後遺症が残る可能性もあるらしい。

13号先生は、怪我自体は広範囲だったけど深くはえぐられておらず、命に別状はないそうだ。

 

 

そうして、襲撃事件は、世間を少し騒がせた。




オールマイトの残り火は、脳無と戦っていないので、本史よりも残っています。
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