個性把握テストのあと、わたしと緑谷くんは保健室へ向かった。
緑谷くんは、ボール投げで右手の指を負傷してしまっていたから、わたしは個性の使い過ぎで指がじんじんとするので、なにか冷やせるものをもらうために。
その途中、緑谷くんと話をした。
「緑谷くん、怪我したのってボール投げのとき?」
「ああ、そうだよ。ボールを投げたときに指を痛めちゃったみたいで、、」
緑谷くんの指は、「痛めちゃった」なんて言葉では足りないくらいうがっつりと怪我していた。赤く腫れてるどころか、これ骨とかヒビだらけでは、、?
これからヒーローになるにつれて、痛々しい怪我はたくさん目にしていくだろうけど、それでも緑谷くんの怪我は目をそむけたくなるほど痛そうで、こっちまでなんか痛くなってきた。
「それってさ、、ボール投げるときにひねっちゃったとかじゃなくて、なんかこう、内側から壊れたっていうか、そんな感じだよね、、、」
「、、、うん、そうなんだ。僕、実は個性が発現したのが中学3年生で最近でさ、個性の扱いにまだ全然慣れてないんだ。だから、まだ個性が調整できなくて、、」
「えっ!そうなの!?あのね、わたしも個性が発現したのが最近なの!中学3年生の夏休みの最後らへん。わたし以外にそんな遅咲きな人はじめてみたよ!!」
「そうなの!!?僕も僕以外には初めてだ、、でもその割に双葉さんはさっきの把握テストで個性の調整がとてもうまくいってたよね僕と双葉さんの違いは一体何なんだろうやっぱり個性の内容が違うから今の時点でどの程度扱えるのかは個人差ってことで仕方のないことなのかそれとも発現してからの練習の仕方が扱いのうまさに関係しているのか気になるぶつぶつぶつ、、、、、」
「緑谷くんっ!!!息して!息!!!」
スウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ、ハアアアアァァァ、、、、
げほ、、げほ
******
「あんた、ひどい怪我ばっかりしてるね。もうできるだけここに来るんじゃないよ」
「すみません、リカバリーガール。」
「今日が入学式で学校初日なのに、緑谷くんそんなに怪我してるんですか?」
「そうだね、。入学試験のときも、この子は両手両足が骨折打撲だらけの大怪我だったんだよ。」
「え゛、緑谷くん、入試で何したの、、、」
「、、いや、、ちょっと、、、0Ptのロボットを、、、殴った。ちょっとだけ、、。」
「0Ptってあのでかいやつか、、それで、、0Ptを倒したの?」
「、、うん。一応、、。」
「入試で、ポイントのないロボットを自己犠牲で倒すって、なにしてるの、、、、」
「すみません」
緑谷くん、これは重症だわ、、。しかも多分、爆豪くんみたいに圧巻の1位を目指すための挑戦とかは緑谷くんはしなさそうだから、まあ誰かを助けるためだったりしたのかな。なんだこのナチュラルヒーローは。
逆に不安だわ。
「それで、あんたは何しにきたんだい。」
「あ、すみません、指が個性の副作用でじんじんするので、なにか冷やせるものをいただきたくて、、、」
「わかったよ。ちょっと待ってな。」
「ありがとうございます。」
あと実はそれだけじゃなくて、リカバリーガールにはもう一つ用があるんだけどね。
戻ってきたら話そうかな。
「緑谷くん、それはそうと、これからも学校で個性使って授業していくわけじゃん?ヒーロー科にいるんだからおそらく毎日。そのたびに手とか足とか壊してたら、いくらリカバリーガールの力があると言っても、体が持たないよ、?」
「、、、うん。僕もそう考えてる」
「なにか、怪我しないで個性の調整ができる練習の方法に、目処が立ってたりする?」
「、、、、オールマイトに聞いてみようと思ってる。あ!なんでオールマイトなのかっていうと、ほら、僕の個性が超パワーみたいな感じのやつでオールマイトの身体強化のようなパワー系の個性で似てるかなって思ったからであって、別に変な意味とかは全く、、」
ん、?何だ、なんか急にあたふたしはじめたぞ。
「オールマイトの訓練法か、平和の象徴がどうやって象徴になっていったかってことだよね、それすっごく気になるし、象徴になら緑谷くんを任せられるか、、、、まあ、わたしも手伝えることがあったら何でも言ってね!!」
「うん。ありがとう、双葉さん」
「あとさあとさ、気になってることあるんだけど聞いてもいい?さっきのテストでボール投げで記録出したとき、爆豪くんがつっかかっていったじゃない。爆豪くんとはもともと知り合いなの?」
「ああ、かっちゃんは幼馴染なんだよ。ちっちゃな頃からずっと引っ張っていってくれるような存在でさ、雄英にも首席合格しちゃうし、ほんとすごいよね、かっちゃん。」
「ほえ〜そうなんだ。じゃあさ、爆豪くんさっきなんであんなに怒ってたの?」
「、、、うーん、それはね、、ちょっと言いづらいことなんだけど、かっちゃんが僕に負けたくないからとかじゃないかな、、。僕さ、個性が発現したのが本当に最近だったから、まだかっちゃんは僕を無個性だと思ってたかもしれない、、、というか、思ってたはず。」
「え、幼馴染でしょ。発現したらまっさきに言ってあげるでしょ。どゆことや。」
「それは!ごめん。バタバタしてて。それでさ、これまでずっと負けるわけ無いと思ってた無個性だったやつが、自分と同じ高校に入って、ボール投げの記録でかっちゃんを抜いて、それがばかにしてると思われたのかもしれない。中学のときは、そんな超パワーがあったのに隠しておきながら俺たちを嘲笑ってたのかよ、って。」
「、、んーなるほどね、、?爆豪くん、ちょーっとめんどいとこあるかもね()。でもまあ1位を目指したいっていうだけなのか、彼は。」
「うん。そうかな。」
「まあ、わたしこれから爆豪くんのこと、かっちゃんって呼ぶことにした」
「なんで!!??今の流れで!?」
「なんかかわいらしいなーって。」
そこにリカバリーガールが戻ってきた。
「はいよ。氷全部溶けたら、中の水出して保健室の外のところおいておいてくれ。」
「はい。わかりました。それと、リカバリーガール、もうひとつ相談があって、、、」
「おや、なんだい。」
「わたしの個性、『
「、、、なるほどね、そういうことかい、、、、、。わたしの個性『治癒』はね、人の怪我を治す個性じゃないんだ。人の治癒力を高める個性なのさ。人は怪我を治すのには体力を使う。だから、『治癒』で治癒力を高めることで傷をすぐに治しちまうときは、かなりごっそりと体力を持っていかれる。あんたはよくわかってるね?」
「はい、、、。」
緑谷くんは大怪我続きだもんね。
「怪我人に傷を治せるのに十分な体力がないときには、『治癒』は絶対にしてはならないんだ。残り少ない体力を、傷を治すのに費やさないといけないわけだからね。相手の状態のよっちゃ、治癒によって体力がなくなって、死に至る場合もある。」
わたしはすごく衝撃を受けた。自分が傷を治そうと思ったばかりに、相手がむしろ死んでしまうなんて、、、言葉にできない感情が渦を巻いた。
リカバリーガールは、そうなってしまったことがこれまであるんだろうか。
「だから、お前さんに今から『治癒』をかける。」
「、、え?なんで?今の流れで、、?」
「ただし、お前さんが使っていいのは自分に対してだけだ。自分に十分傷を治すための体力があると判断したときに、自分自身にだけ、治癒を使う。そのためだけだよ。いいかい、『治癒』を使うには、まずは正確な医療の知識で、相手の状態を判断しなきゃいけない。お前さんにはまだその知識と技術はないからね。」
「、、わかりました。」
「それと、これから授業中の訓練とかでクラスメートの誰かが怪我したときは、できるだけお前さんも一緒に来な。診察と診断の練習だ。わたしが治癒を使えるかそうでないか、適切な対処の方法を教えるよ。それでわたしが、あんたはもう大丈夫だ、立派な治療者だと認めたら、あんたは『治癒』を他人に使ってもいいよ。」
「、、、、っ!!、、、ありがとうございます!!!」
「いやいや、お礼を言うのはこっちのほうさね。わたしだってできるだけ多くの子を助けたい。第二のリカバリーガールが誕生したら、色々手伝ってもらうよ。」
「はいっ!!!」
チユユ〜〜〜〜
そうしてわたしは、『治癒』をかけてもらった。指のじんじんした感覚がどんどんなくなっていく。
「(〈ストック〉、、、。)」
これで、[リカバリーガールにちゅ〜してもらった体験]をストックできた。
個性:『体験』のデメリット
使いすぎると指がじんじんとするらしい。
今ストックしている体験(のうち明らかになっているもの):
[トラックにはねられた]
[『無重力』をかけられた]
[『治癒』をかけられた]
[???]
[???]
[???]
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