羅刹は今日も夜に舞う   作:槙 秀人

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白河上皇さん、誤字報告ありがとうございます。

ずっと、申します!
お気に入り登録してplz!!


さて、今回は!!

 ・上弦の弐と参の情報
 ・実弥くん、お館様に突っかかる

なんて感じの話です。

 コソコソ?話も何気に長いですが…

どうぞ!






誕生!新風柱 ~上弦の情報~

 先月、風柱の風間恒次さんと、砂柱の蟻塚果林ちゃんが立てづ付けに上弦の鬼に倒され亡くなった。相手はそれぞれ上弦の参『猗窩座(あかざ)』、上弦の弐『童磨』である。

 鬼の討伐に向かった者は、誰一人として帰ってこなかった。なのに何故、相手の事が分かったかと言えば、二人の刀が見つかったから。産屋敷(ここ)戻って(・・・)来たそれを飛鳥がその手に持ったから…。

 

 飛鳥の能力(サイコメトリー)は、お館様は信じたものの、柱達は誰も信じていなかった。

 当初、この能力を飛鳥はあまり披露したがらなかった。なぜかと言えば気味悪がられるからだ。しかし、鬼殺隊の歴史を整理する際に、時折書類やモノに触れ、強い残留思念から数々の情報を抜き出していた。書類を纏めたモノとは別にそれらの情報は別に纏められ、お館様の元にある。隊士達には見せられない(たぐい)の事が多い故…。だからこそ、お館様だけは信じていたと言ってもいい。

 柱達が信じるようになったのは、煉獄家にて瑠火の遺品から残留思念を読み取った飛鳥が、槇寿郎に子供達の知らない話をしたからだ。それでも信じようとしない柱は、自分の事を言い当てて見ろと言い出し、終いには自分の秘密を耳打ちされて、『その事は絶対他言無用だぞ!!』と飛鳥に厳命していたが、自業自得だと他の柱は冷めた目で見ていたとか…。(飛鳥嫌いの大地山です。)

 

 その日、柱が招集された。

 

 そして、亡くなった柱の刀から飛鳥が読み取った(・・・・・)上弦の鬼の情報が語られた。

 

 

 ~ 上弦の参:猗窩座 ~

 

 猗窩座は自分の名を名乗るし、相手の名も知りたがる。回収された刀を持った時、戦闘の様子まで見る事が出来た。風間さんにとっては強烈に記憶に残る戦いだったのだろう。これまでで最強の相手なのだから当然だ。

 

 この戦いで、猗窩座が使った血鬼術は全部で4つ。

 破壊殺

 羅針(らしん)空式(くうしき)乱式(らんしき)滅式(めっしき)

 その内3つは拳による打撃技。ってか、これって血鬼術なん?

 

 一番厄介だと思われるのは恐らく最初の技だろう。

 

「破壊殺・羅針?」

「はい。『術式展開』と言った後、鬼の足元に雪の結晶のような模様が見えました。」

 しかも、定期的に張りなおしているよう見えたし、技を出す都度、模様が大きくなっていた気がする。

 

「自身の周囲に何かしら、結界のような空間を作り出しているように思えます。複数の隊士が同時に攻撃しても、風間さんの攻撃以外はまったく当たっていないようでした。」

 風間さん以外の隊士は、攻撃する都度その数を減らしていた。あの技は確か、闘気(気配)を察知するモノらしいけど、気配を殺して攻撃する事など普通はしないし、しようとしない。それは暗殺者のスキルだろうし、そもそも出来る隊士も居ないしね…。

 しかし、拳技だけしか出さなかったか。まぁ、足技もあるだろうとは容易に想像できるけど…

 

 空式と乱式は、拳を繰り出し衝撃波を放つ技。もちろん拳に当たれば衝撃波を食らう比ではない。…と思う。

 滅式は、一撃必殺!渾身の突き(ストレート)。ちなみにコレを受けて風間さんは亡くなった。心臓を狙った突きを避けたが避けきれず、脇腹を抉り取られて倒れたのだ。

 猗窩座は、『致命傷になったとは言え、滅式を避けたのは凄い事だ!』と風間さんを賞賛し、続けて例のセリフを言った。

 

「恒次!お前も鬼にならないか?鬼になればそんな傷などすぐ治る!!俺と一緒に至高の領域を目指そうじゃないか!」

 当然、風間さんは断った。

 

「ならば苦しみながら死ぬがいい!!」

 猗窩座はそう言って、トドメも刺さずに立ち去った。

 

 

「なんと惨い!致命傷を負わせておいて、トドメも刺さずに立ち去るとは!!」

「おのれェ!猗窩座ァ!許さんぞ!!」

 

 

 

 

 ~ 上弦の弐:童磨 ~

 

 童磨も自ら名を名乗る。こちらの名を聞く。

 この鬼は、にこにこと屈託なく笑い、穏やかに優しく喋る。

 武器は対の鉄扇。そして操る血鬼術は…

 

「氷?」

「鬼殺隊の報告書をまとめた記録にもありますが、恐らくそうだと思います。凍てついた血を霧状にしてそれを扇で散布しているようです。それを吸い込むと肺がやられてしまうのでしょう。急に呼吸が苦しくなったようですから…」

 恐らく鬼の毒で肺が壊されているのだろう。肺砲は一度壊れたら再生しない。

 

「呼吸すること自体に危険が伴うとは…、我らにとっては難敵だな」

 実際、他の隊士達はすぐに全員動きが鈍くなっていた。果林ちゃんも気づいた時には全集中の呼吸が続けられない状態に…

 結局、誰も帰って来れなかったけど、彼女は必死に戦った。柱の役目を果たす為に…

 

「決死の覚悟で蟻塚さんは、童磨に向かって行きました!」

 けれど、全集中の呼吸が出来ない者が上弦に敵うハズもなく…

 

 彼女が最後に見たモノは、首から上の無い、自分の体だった。

 残留思念はそこで切れた。彼女が事切れたのだろう。

 

「「「…」」」

 

 柱達は、拳を握りしめていた。

 

 上弦の鬼、許すまじ!!

 

「飛鳥さん!!?」

 カナエさんが倒れそうになった私を抱きとめてくれた。やばっ!酷い脂汗まで掻いてんじゃん!?

 

「無理もない。これだけ詳細に話せるという事は、蟻塚の戦いを追体験しているようなものだろうからな。最後までそれを見たのなら…」

 煉獄さんの言う通りだ。この能力は使い方を間違えるとダメージがデカイ。殺された瞬間すらも追体験出来てしまうのだから…

 

「だ、大丈夫ですか?」

「大丈夫です。ただ…」

「ただ?」

 

「いえ…何でもないです。」

「?」

 さすがに、蟻塚さんの動きが遅かった…なんて言えないもんねェ…

 

 

 

 ちなみに…

 私は似顔絵も書けるので、二人の似顔絵を書いて皆に共有させてもらった。

 残留思念で映像を見る事が出来るのは私だけだからね。

 

 物語の流れに大きな変化が無いならば、自分達が知られてる事にビックリするんじゃないかしら?

 

 

 

 

 


 

 今日は、新しい柱となる隊士が産屋敷(ここ)にやって来る。

 新たな柱、『風柱』

 

 下弦の壱を倒した実弥君が、新たな柱に任命されるのだ

 

 同席するのは、土柱:大地山さん、音柱:天元くん、花柱:カナエちゃん。そして相談役の私。

 

 

 

<実弥視点>

 

 気に入らねェ!呼び出しておいて、何が『お館様のお成り』だァ?

 しかし、ヘタな事は言えねェなァ!!産屋敷の後ろにヤツが居やがる!!相談役とか言ったっけ?

 畳じゃなくて板の間に居るってところが、隣に居るコイツ等(柱3人)と同列って事なんだろうがなァ!!

 あー!ダメだ…!黙ってらんねェ!!

 

「おいテメェ!いいご身分だなァ!産屋敷様よォ!!」

 

「きさま!お館様に向かって!」

 産屋敷が、がなる柱を手で制した。

 コイツ、何笑ってやがる!!?

 

「いいよ誠。私は構わない。」

 

「ですが…」

「大丈夫だよ。カナエ…」

 

「白々しいんだよォ!隊員のことなんざァ使い捨ての駒としか思ってねェくせによォ!」

「ごめんね」

「!!?」

 

「叶うことなら、私も君たちのように体一つで人の命を守れる者になりたかった。けれど、どうしてもムリだったんだ。辛い事ばかり君たちにさせてしまってごめんね」

「…」

 まさか…、罵った俺に謝るとは思わなかった。

 言葉がまったく出て来ねェ…

 よく見れば額が爛れているように見える。あれは何かの病気…なのか?

 

「一つ訂正させてほしい。私は隊士(こども)達を使い捨ての駒だなんて思った事は一度も無いよ。私には鬼と戦う力は無いけれど、鬼を憎む気持ちは君たち隊士に負けてないつもりだ。多くの隊士が亡くなったからこそ、鬼の始祖『鬼舞辻無惨』を倒したいと思ってる。ヤツを倒す為ならば、私はどんな事でもするつもりだよ。自分を捨て駒として使う覚悟も出来ている。」

「「お館様!!?」」

 柱の二人が声を上げる。だがヤツに動きは見えない。つまり、産屋敷のいう事に納得してるって事か…。

 

「実弥。今日は君に、柱になってもらいたいと思って呼んだんだけど、それを受けるかどうかは君が決めてほしい。それからね、私は偉くも何ともないんだよ。柱の皆が善意でそれその如く扱ってくれているだけなんだ。君が嫌なら同じようにしなくていいんだよ。それに拘るよりも柱になったら人の命を守ってほしい。それだけが私の願いだよ」

「…」

 

 産屋敷(この人)の眼差しは、親が我が子に向ける溢れるような慈しみに満ちている。俺はどうやらお館様の事を誤解していたらしい…

 

「匡近が死んで間も無いのに呼び出してしまってすまなかったね。兄弟のように仲良くしていたから尚更つらかったろう」

「なんで、匡近の名を…!?」

 

「不死川さん。お館様は隊士になられた方の名前も生い立ちも、全て記憶されていらっしゃいます。」

「!?」

 ウソだろ?俺でさえ、一緒に戦って死んだ隊士達の名前すら覚えきれてないってのに…

 

「隊士からの報告にも全て目を通されて、毎日手紙を書かれています。あなたも何度か受け取っているのではないでしょうか?」

 そう言えば、何度か手紙を貰ったな…。捨てちゃいないが読んでねェ…

 

「私の手紙は読んでもらえなかったみたいだね。けれどこれは是非、君に読んでもらいたい。匡近の遺書だ。」

「…」

 

 お館様は匡近の事を教えてくれた。

 お館様が語った匡近の事は、俺の知らない事ばかり…

 アイツに弟がいたことや、その弟が目の前で鬼に殺されたことなんて、俺はまったく知らなかった。俺の前では明るくお調子者のように振舞っていたけれど、泣いて止める母親を振り切って、鬼を滅する決死の覚悟で鬼殺隊に入ったらしい。

 

 バカじゃねぇのか?

 母親が居たんなら一緒に暮らしてりゃあ良かったじゃねぇか!!

 何を勝手に!弟と俺を重ねて世話を焼いて…兄貴風を吹かせた挙句、一人で死にやがって!!

 

 遺書には、『生きていて欲しい。生き抜いてほしい』と書かれていた。

 

 何が『生き抜いてほしい』だよ!!テメェが生きろよ!死んだら意味ねェだろうがァ!!

 

 

 

 だから…!!

 

 

 俺は、柱になる事に決めた!!

 

 

 

 


飛鳥:オリ主(転生者)

 今回能力が大活躍? 追体験はちょっとヤバかった!!

 

風間恒次:風柱

 上弦の参と戦い殉職

 

蟻塚果林:砂柱

 上弦の弐と戦い殉職

 

大地山誠:土柱

栗本茂人:森柱

 二人とも、飛鳥への評価が変わりました。

 鬼殺隊の資料をまとめ上げた事。

 能力により上弦の鬼の情報を齎した事。

 少なくとも有能、有用ではあると…

 

宇髄天元:音柱

 一言も発しませんでしたが、実弥君がお館様に不遜な態度を取ったとき、めっちゃ膨れていましたよ?

 

胡蝶カナエ:花柱

 実弥君に対する第一印象:なんだコイツ?最悪!!

 ところが!

 自分の間違いを即座に認めて謝罪した姿に好印象を持った様子。

 

粂野匡近:実弥の兄弟子

 下弦の壱との戦いで殉職

 

不死川実弥:風柱

 下弦の壱を倒した事で柱に推挙され、産屋敷に呼び出された。

 実はお館様をずっと誤解してた。

 金持ちの道楽的な?

 当然誤解は解けました。

 実弥君は、その場でお館様に謝罪しました。

 

猗窩座:上弦の参

 柱達から、無慈悲なヤツとの評価がついた。

 

童磨:上弦の弐

 戦いの場には刀しかありませんでした。

 食いしん坊さん!

 

 

 

【明治コソコソ?話】

 

「自分の間違いを認められるって素敵よね…」

 

「実弥君の事?」

「ええ。最初は何だコイツ!って思ったけどね」

 

「あ~なる!ギャップにやらちゃったわけね?」

「なる?ギャップ??」

 

「なる!っていうのは『なるほど』って事。ギャップっていうのは2つ違いって意味で、『ギャップにやられる』っていうのは、例えば普段大人しい子が鬼との戦いでは活躍してすごく頼りになる!って思うとか、強面の人が実はすごく優しかったりとかで、なんか印象と違う!!ってビックリする事あるじゃない?その違いにキュンってする事よ。実弥君は強面だから、後者に当てはまるんじゃない?」

 

「強面かなぁ…?彼は優しそうな顔をしてると思うけど…」

「あーそうねぇ…傷がなければそうだけど…。ずいぶんと彼の顔をよく見てたのね?」

「え゛っ!?」

「ふうん…顔は好みな訳だ?」

 

「そ、それにほら!蝶屋敷には怪我した隊士達が来るから彼の事はいろいろ話に聞いててさ!」

「気になってはいたと?」

「…コクリ」

 カナエちゃん、顔赤いよ?

 そもそも隊士の話だって、気になってない人の話なんて拾わないよね?

 

 あれ~…私はてっきり、『さねカナ』って、実弥君がカナエちゃんの事を好きって事だと思ってたけど、むしろカナエちゃんの方がって事?いやいや、まだそうと決まったわけじゃないか。気になってるって程度かも知れないし…

 

「彼氏にしたいとかって思ったりする?」

 ど直球で聞いてみた。

 

「かかか彼氏ィ!?そそ…そんな事!!、いいい…言ってませんけどォ!!?」

「動揺しまくりじゃん…」

 

 

 

「ときにカナエちゃん。『単純接触効果』って知ってる?」

「…なにそれ?」

「心理学の法則の一つなんだけど、『接触頻度を増やすことで、相手から好意を持ってもらいやすくなる』という効果が期待できるのさ!」

「へぇ…」

「相手もこちらの事を気にしている場合、これはすごく効果を発揮する!」

「そう…なんだ…」

「実はね?」

 私は視点が違うから、産屋敷(あの場)での実弥君の視線をしっかり見れていた。自分の勘違いに気づいた時に、それまでの不遜な態度に対して柱達が良く思っていない事に気づいた彼は柱の一人を気にしてた。耀哉君に謝罪する前、一瞬だけどカナエちゃんをチラリと見たの私はしっかり見れていた。

 彼がカナエちゃんに悪く思われていないか気にしていたのは恐らく間違いないだろう。

 

「実弥君はたぶん、カナエちゃんの事を気にしてると思うよ?」

「!!?」

 

「それに相談役って立場はね、柱の予定を把握出来るんだなァ~!」

「実弥君の行動を把握できると?」

「まぁ、任務や休みについては…だけどね。」

「そうなんだぁ!」

「試してみる?」

「是非!」

 

 カナエちゃんはすっごく乗り気だったらしく、偶然を装い実弥君との接触を繰り返し、ついには実弥君から食事に誘われる事になるのです。

 お見事!!

 

 

「飛鳥さん!この事、しのぶとカナヲにはナイショですからね?」

「どうして?」

「どうしてって…は、恥ずかしいじゃないですか!!」

 

「こういう話って女子は皆、大好物だと思うけどなァ…」

「だからこそです!」

 

「あ~ゴメン。あまねさんはもう知ってるから」

「は?」

 

「だってほら、私って彼女のお茶友だし…」

「一番話しちゃいけない人でしょ!!?」

 

「そうねぇ…お館様(耀哉君)にも知られてるでしょうねェ…」

「何てことを…」

 そう言う事は最初に言っておいてもらわんとね?

 

 あまねさんに聞いたら、それはそれはニコニコしてたってさ!!

 

 

 つづく…

 

 のか?

 

 

 

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