羅刹は今日も夜に舞う   作:槙 秀人

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白河上皇さん、誤字報告ありがとうございます。

まだ、申します!
お気に入り登録してクレメンス!!


さて、今回は!!

お館様(耀哉くん)の依頼で、とあるお宅に伺います。


どうぞ!






逃げた柱

 何故だ!

 

 何故あいつがあの世に行って、悪鬼のような畜生がのうのうと生きている?

 あぁ…でも、もうそれも…全てが無意味に思えてしまう。

 

 

 ずっと俺を支えてくれていた妻が亡くなった。鬼に殺されたわけじゃない。病気で亡くなったのだ。

 他の柱たちはいい。彼らは家族を殺され、鬼に恨みを持っている。だから、それを原動力として鬼を狩る。

 

 じゃあ、俺は? 俺はどうして柱になった?

 俺は何を原動力として鬼を狩る?

 

 

 うちは代々、『炎柱』を排出してきた鬼狩りの一族。力を持って生まれた者は、その力を弱い者を守るために使わなければならないと教わって来た。そうあろうと思い、そうあってきたと思う。

 

 けれど妻は…先に逝ってしまった。

 

 柱としての任務の為に、妻と過ごした時間は少なかったように思う。もっと一緒にいたかった。

 妻は自分の命が長くない事を知っていたらしい。口止めされていたようで、妻が亡くなるまで教えてくれなかったが、杏寿郎は聞いていたらしい。

 何で言ってくれなかったんだ!!?妻を恨んでみたけれど、それは柱の仕事を理解していたからだとわかっている。

 だが…俺は、もっと一緒に居たかった!先の時間が無いならば、なおさら一緒に過ごしたかった!!

 

 俺が鬼殺隊に入ったばっかりに!柱になったばっかりに!!妻との時間を過ごせなかった。それが、とても悔しい!!

 それでも!俺は柱を誇りに思っていた!!

 

 歴代炎柱の手記を読んだ時、炎の呼吸が『はじまりの呼吸』の派生である事を知った。ショックだった。

 5大流派(呼吸)は呼吸の源流だとずっと思っていたからだ。

 だがしかし、歴代炎柱は、逆に炎の呼吸を確立した事を誇りに思っていたらしい。俺もそれに倣おうと思っていた。

 

 しばし、俺は手記の続きを読むのをやめて、任務に従事していたのだが…

 

 妻が亡くなり、任務を休んでいる時に続きを読みだした。少し酒に逃げてしまった事を恥じ、先代たちの手記を読んで、何かを見つけたいと思ったからかもしれない。

 ところがだ!

 俺は、先代の一人がとんでもない事をやらかしてしまった事を知ってしまった。あろうことか『はじまりの呼吸の剣士』を鬼殺隊から追い出したのだ!

 

 理由は、その隊士の兄が、お館様の首を取り!『俺は鬼になる』と言って去ったから!!

 

 『はじまりの呼吸の剣士』の罪ではない。普通ならばその隊士の心情を慮ってしかるべき所、当時の炎柱は追い打ちをかけるようにその隊士を責めた!

 

 何故、そんな事がまかり通ったのか?

 

 理由はすぐにわかった。

 当時の柱たち…5大流派の柱たちが、呼吸を教えてもらった恩を忘れて結託し、あろうことか『はじまりの呼吸の剣士』を追い出した。自分たちの呼吸を源流とするには、『はじまりの呼吸の剣士』が邪魔だったのだ!!

 自分たちの呼吸が派生ではなく源流だと言い張る為に!!!

 

 さらに彼らは鬼殺隊の資料から、『はじまりの呼吸の剣士』の書かれた書類を全て破棄した。その隊士の痕跡を消す為に…

 

 なんと浅ましい!!

 ………

 いいや、俺も同じ立場であったなら、同じ事をしていたかも知れない…

 だが、切腹まで迫る事などやり過ぎだ!!

 

 次代のお館様が切腹ではなく鬼殺隊からの追放で事をおさめたようだけれど、『はじまりの呼吸の剣士』はさぞかし無念であった事だろう。最強の隊士を失った鬼殺隊はその後、崩壊の危機に瀕したらしい…

 

 手記にも書いてあった。自業自得だと…

 

 

 なぜ、手記にその事を書いたのだろう?

 恐らくそれは、良心の呵責…

 追い出したと思われる数年後に書かれていたからそうだと知れる。

 

 俺には、『はじまりの呼吸の剣士』を追い出した、鬼殺隊隊士の血が流れている…

 そう思ったら、笑ってしまった。

 

 バカバカしい!俺は今まで何のために生きて来たのか?

 

 もっと、妻との時間を大切にすればよかったと…!

 

 鬼殺隊の為に頑張って来た自分が滑稽に思えてならなかった。

 

 

 

 

 

 

 


 

 そっかー!相談役だもんねェ~!こういった案件も回って来るわけだ!!

 

 煉獄槇寿郎さんは、まだ柱として働いてはいる。けれど酒に溺れているらしい。

 

 鬼に偶然遭遇して狩った場合を除いて、隊士の陰には複数の隠なる人員(メンバー)が駆けつける。彼らの役割は隊士達の補助(サポート)だ。傷の手当はもちろん、怪我人の運搬や周囲の後片付け。場合によっては報告書の元となる資料を作成する事もある。柱はいくつかの担当地区を受け持っており、柱と一緒に動く隊士達もいる。

 煉獄さんは最近、任務がなければ家を出ないで配下?の隊士達に巡回などを任せっきりで、任務にも徳利を持ち込んでいるとの事。要するに酒を飲みながら職務にあたっているらしい。一度や二度ならまだしも、それが通常になりつつある。ハッキリ言って、隊士達からの信頼はダダ下がり。このままでは他の柱への信頼にも関わりかねないし、そうでなくとも鬼殺隊の士気に関わるのだが、煉獄さんは最年長でもあるために、他の柱もなかなか口が出せずにいるらしい。

 つまり、こういう事もあって相談役なんて役職を作ったわけだね耀哉くん?

 なんか嵌められた気分だよ!!

 

 まぁ、煉獄家には歴代の炎柱の手記があるらしいし、鬼殺隊の歴史を纏めるには一度行かなきゃいけないなァ~と、思っていたからいいっちゃいいんだけどね。

 

 さて、手記はまだ(・・)無事かしら?

 

 

 

 

「父上!鬼殺隊の方がいらっしゃいましたので、お連れしました。」

 なんとなく、玄関先で待ってたら、押し問答になりそうだと思った私は、部屋まで案内してほしいと言って上がり込んだ。

 

 だってねぇ…会わないと言われて、はいそーですか!なんて言うつもりないし!

 一応ね!私、耀哉くんの代理だよ?

 

「俺は会わんぞ!誰だか知らんが帰れ!!」

 ほらね?思った通りだよ!

 

「すみません。父上はずっとこんな調子で…」

 千寿郎君が申し訳なさそうに頭を下げる。あなたの責任(せい)じゃないからね?これはお父さんの気持ちの問題!!

 

 だ・か・ら!!

 

「案内ありがとうございます。下がってもらっていいですよ?というか、むしろ下がっていただけますか?ちょーっとあなたの父上にお灸を据えてやろうと思うので!」

「はあ…」

 

 千寿郎君が廊下の角を曲がった事を確認して、私は襖をあけて部屋に踏み込んだ。

 

「何だ!貴様!!」

 

 

 


 

<千寿郎視点>

 

「何だ!貴様!!」

 父上の怒鳴り声が聞こえた。飛鳥さんは大丈夫だろうか?

 

 私の心配をよそに、父の部屋のほうからは、ドタンバタンともの凄い音が聞こえた。

 そうかと思うと…

 

「もうや、やめ…助けて…れ…」

 父上の助けを呼ぶ声が!!?

 

 私は急いで父の部屋へ!

 

 

「父上!!?」

どうした千寿郎?

「…あれ?」

 父上は私に背を向けていた。それはいつもの事だけど…、心なしか声が震えているような…?

 

「あ、すみません、うるさかったですか?もう少し話があるので席を外してくださいね?」

「あ、はい。」

 ニッコリと笑って言われる飛鳥さんに私は答えを返したけれど、でもなんかもの凄い圧を感じます。

 

「行かんでくれ…」

「なんて?」

「え!?」

 父上のかすれた小さな声が聞こえたけれど、何と言ったかまでは聞き取れなかった。

 

…千寿郎!仕事の話なのだ。下がっていなさい。

「?…はい。わかりました」

 しっかりと、でもなぜか少し震えた声で私に背を向け父上が言う。

 でも何で?飛鳥さんはこちらに居ますのに…

 

 

 

 

 


 

 しっかりとお話させてもらった事ですし、私の用事も済ませましょう!

 いえ別に…槇寿郎さんとのお話がついでだなんてイッテナイヨ?

 

「これが、歴代炎柱の手記になります。飛鳥さんのお役目のお役に立てばいいのですが…」

「5大流派の中で炎柱だけが一族で代々継承されてきたと聞いています。鬼殺隊にとって、これはとても貴重な資料です!これはそのまま煉獄家の歴史でもあるのでしょう!大事に扱わせて頂きます!!」

 とりあえず、全巻をパラパラとめくって見る。よかった!まだ(・・)無事だった!!

 

「それでは、半時ほどお借りします!」

「えっ!?それだけでいいんですか?持ち帰えられるかと思ったのですが…?」

「いえいえ、こんな大事なモノをおいそれと外には持ち出すなんて出来ません。時間が足りなかったら、また伺わせていただきます。」

 誰かしらねェ…?『また?』とか言ってんの!!気配がダダ洩れだっちゅうの!!

 

 1時間ほどで手記を全て見る(・・)事が出来た。あとでじっくり読むとしよう。

 千寿郎君は、手記と一緒に炎の呼吸の指南書なるモノも持ってきてくれた。それも見せてもらった。

 

 ちなみに杏寿郎くんは留守でした。なんか道場があるらしく、そこに稽古に行ってるらしい。

 まぁ打ち込みくらいは出きるっしょ!

 たしかまだ、杏寿郎くんは呼吸を学んでいないハズ。

 

 今後の槇寿郎さんの任務の取組み方如何によっては、私が鍛えてやろうかな?

 いや別に…『日の呼吸』を教える気は無いよ?適正あったら教えるかもだけど…

 

 結局、帰る前に戻って来た杏寿郎くんに、呼吸の基礎を教えてあげた。

 指南書読んで、炎の呼吸をやって見せてあげたってわけ!

 

 私、普通に使えましたよ?

 やっぱ派生だからかな?まぁ、私の呼吸が『日の呼吸』だなんて、誰も知らん事だけどね。

 

 ってか私…指南書読んだら全ての呼吸を使えるんじゃ?

 

 

 とりま、今回の任務は完了だ! さて、帰るとしますかね!!

 おっと!鬼の気配だ!狩ってくか!!

 

 

 

 

 私が帰った後3日ほど、槇寿郎さんは子供らに顔を見せなかったらしい。

 その後、お酒を持たずに任務に出かけるようになったとの事。

 

 千寿郎君からお礼の手紙を頂きました。

 

 

 

 

 


 

飛鳥:オリ主(転生者)

 鬼殺隊相談役として、煉獄家におっじゃま~!

 きちんと話をして、気持ちはわかると言った後、一発顔面パンチを繰り出しました。

 そこで飛鳥は気づきます。

(やっべ!最近鬼ばっか相手にしてるもんで力加減がなってないわ!)

 しかも顔が見事に腫れている。これはマズい!!そう思った飛鳥は攻撃をボディだけにしたのです。

ねぇ知ってる?ボディ攻撃って地獄の苦しみだって事?

 

「…殴る必要あったのかい?」

「理屈ばっかぶっこいてっから、その方が手っ取り早いかと…(てへぺろ!)」

「・・・はぁ…」

 ※耀哉とあまね以外に人が居ない時のみ飛鳥はこんな言葉遣いをしています。

  だからこそ、耀哉もあまねも飛鳥にいろいろ頼み、一緒にいろいろやるのです。

  時には悪だくみを企てる事も?

 

 

槇寿郎 現在の炎柱

 妻の死に打ちひしがれて、酒に溺れる日々を送る。

 飛鳥にぶん殴られた後、妻の言葉を聞かされて改心する事を決意する。

 ちなみに3日ほど顔を見せなかったのは腫れてたから。

 助けを求めてしまったのは、ボディを攻められたからでした。

「は、話をするんじゃなかったのか!!?」

「体になァ!!」

「!!?」

 ねぇ飛鳥さん、不死川くん憑依してない?

 

 ※飛鳥は、千寿郎君から母さまの持ち物を借り、残留思念を読み取ってそれを槇寿郎さんに伝えました。一応やる事はやってる。

 

 

杏寿郎 後の炎柱

 指南書を見てもよくわからなかった呼吸の事を、飛鳥に見せてもらって理解した。

 不定期ではあるが、飛鳥に稽古をつけてもらっている。

飛鳥殿は、炎の呼吸の使い手なのですね!尊敬します!!

「残念ながら違うのよ!派生だからと思うけど、炎の呼吸も使えただけよ」

そうなのですか?でもすごく分かりやすくて勉強になりました!ありがとうございます!

 うんまぁ、お礼はいいんだけど君ね、圧すごいよ?

 

 

千寿郎

 杏寿郎の弟

 飛鳥は彼に肺の鍛え方を教えて帰りました。

 さて?

 

 

 

 

 

【明治コソコソ話?】

 

 原作で、槇寿郎さんが飲んだくれになっていたのは、はじまりの呼吸の剣士との圧倒的な差を感じ取り、打ち拉がれたからだそう。

 それってどうなの?って思ってしまったので、ここでは先代が犯した罪を知り、五大流派の柱を恥じてしまい、そんなバカバカしいモノの為に妻と過ごす時間を無駄にしたのか!!と悔いるという設定にしました。

 まぁ、これもどうなの?という気もしますけど…

 

 結局のところ、家族が大事なんだよこの人は!

 

 

 




年末最後の投稿です。
ま、最終日ですしね…

ちなみに、『逃げた』は酒に!という意味です。
柱の職務からでもありますが…

最初(1話目のあとがき)に書いていました通り、
来年も不定期投稿は変わんねーっす。(スンマセン)


それでは、良いお年を!!
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