異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~ 作:鬼怒藍落
「はふっ? 霊真殿に……五郎殿? なんか疲れてるけど大丈夫でござるか?」
「……なぁカグラさん女性冒険者って、怖いな」
「我が友のパーティーだからしょうがないだろう……ほんと抜け出せて良かったぞ」
椿さん改めてカグラさん。
いつもとは違う振袖姿の彼女が満面の笑みで食事を頬張る場所に、やっとたどり着いた俺とカイザーは、完全に意気消沈していた。
何があったかと聞かれれば、道中で女性冒険者に集まられて質問攻めに遭っただけなのだが……十数人を超える人の波に凄い疲れたのだ。
今は泉華さんが請け負ってくれたから逃げれたが、またアレを経験するかもと考えるとまじで帰りたいと思えるくらいにはやばい。
かなりの心労に語彙が死ぬ中、今取っていた食事を食べきったカグラさんが飲み込んだ後で声をかけてくる。
「お疲れ様でござる霊真殿……五郎殿はそろそろ慣れると良いと思うでござるよ?」
「慣れるか!? 我は孤高の龍皇だぞ!」
「なら今すぐあの人集りに飛び込めばよいと思うでござるよ? 龍皇でござろう?」
「ごめんなさい、ここにいさせてください」
反射的に叫んだだろう友人に、カグラさんは泉華さん達がいるあたりを指さしてそう言い……その瞬間に直角に頭を下げてカイザーは謝った。
「まったくこれだから五郎殿は、後輩殿が泣くでござるよ?」
「……なぜここであいつの話題が出てくるのだ?」
「類友でござるなぁ」
しみじみと呟き、料理を食べるカグラさん。
その目からは憐憫が感じられて、なんか俺まで視界に収められてそうな気がした。
「そういえば霊真殿は何故こっちにに?」
「一応挨拶? 確か大和さんも同じギルドだろ」
「そうでござるな、拙者達のギルド【
「……まぁずっとダンジョン潜ってそうだしな」
「実際そうでござる。紗綾ねぇから聞いたでござるが、今日も空いた時間に何処かダンジョンにいたらしいでござるし」
大和さんらしいなと思いながらも、この場にはいない彼を思う。
そういえば俺の招待状の段取りを見る限り、司会っぽいことをしてくれるらしいし今頃別の場所にいそうだ。
それにだがまだこの場の雰囲気には慣れないし、二つ名発表の瞬間はダンジョン庁の公式チャンネルで映るらしいから緊張までしてきた。
そんなことを考えてると、俺の持ってる連絡用の端末に一件メッセージが。
ん? と思ってみてみれば、時間になったので七階の方に来てくれと。
「悪い、二人とも……呼ばれたから行ってくる」
「行ってらっしゃいでござる!」
「頑張れ我が友、そして賜ってこい!」
そうやって発破をかけられ見送られ、俺は少し気配を薄めながらも関係者用の通路を通り、上層階にある会議場へ。
そこの裏には既に大和さんがいて、俺を見るなり軽快に笑って挨拶してくれる。
「よっ霊真の坊! 似合ってるじゃねぇか!」
「大和さんもいつもの着流しとは違いますね」
「そりゃな、俺だってこういう時は正装するさ」
「一人の命名式に人集まりすぎな気がしますけどね」
「まぁ、そこは俺も疑問あるが。まあ他の奴らの紹介もあるし、こんなもんだろ」
「あーそういえばそんなことも書いてあった、ような……」
招待状に付いていた段取り表的な物には、他のSランク冒険者達の発表も兼ねると言うことも書いてあった気がする。
「やはり見落としてたか、貴様らしいが何してるんだレイマ」
「……なんでラウラもこっちにいるんだよ」
「人が多すぎてバテてた所を大和さんに拾って貰っただけだ」
……ふんすと鼻を鳴らすようにそう言った彼女。
ドヤる事じゃないだろうとは思ったが、確かに人混みが苦手な彼女のことを考えると大和さんには感謝した。
「あれ? ってことは、Sランクの全員来るんですか?」
「そうだったんだけどなぁ、問題児が三人来ないんだよな」
「問題児って?」
「白玖嬢に江奈嬢と……逢魔のガキ、」
「江奈さんは分かりますけど、逢魔って【
「あぁ、あの三人は来ないとは思ってたが、見事に突っぱねたらしくてな。そもそも白玖の嬢ちゃん今外国だし」
一人目にあがった名前の人はこういう場所に来ない人っての分かるし、あの時会った逢魔って人も、こういう場所に来る人じゃ無さそうとは思えたから少し納得した。
白玖さんという方には心当たりないが、確か俺と同じサモナーの女性だったはず。
「まあ、だから今回来ている六人で前座の挨拶をする感じだ」
「あれ、それなら一緒に呼んだ方がよかったような?」
「いや、その前に坊に話したいことがあったからよ」
「話したいこと?」
疑問に思ったので繰り返すようにそういえば、大和さんは肯定する用に頷いた。
なんだろうか? とは思ったが、分からないので言葉を待つ。
「あぁ、坊はこれから日本を背負うSランクの冒険者になる。受け入れてるかは知らないし、
「…………まあ、一応。いつまでも隠すわけにはいきませんからね」
ペルセウスの時、覚悟は決めた。
顔を晒すってことは、力を示すってことは……それだけの物を背負わないといけないから。政府はいまだ信頼してない、それにいつまた恐れられるか分からない。
怖いことはいっぱいで、考えることも沢山ある。
でも霊真に体を返すために、この世界の皆が笑って過ごせるように、俺が戦える間は何が何でも前に進まなきゃいけない。
そのためなら、政府は利用しなきゃ駄目だ。
綺麗事なんて掲げ続けられない、それは裏切られ殺されたときにもう分かっている。この先何があるかなど分からないし、俺一人じゃ太刀打ちできない奴が来るかもしれないけど――それでも、召喚獣の皆がいればどうにかなると思えるから。
「それに、俺には仲間がいますから――きっと大丈夫です」
「はっそうか。なら安心だな。じゃあ坊、出番まで待ってろ! 俺達が場を整えてやるからよ!」