異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第104話:命名式

『よしお前等、今日はよく足を運んでくれたな!』

 

 会議場の裏側で俺は大和さんの声を聞く。

 高らかに響くその声、今この場にいる全ての者達の視線の先には、六人の男女が並んでおりスポットライトに当てられながらも皆の前に姿を現している。

 

『祭りは楽しんでるか? 飯も食い各々喋って漸くだが本番だ。さぁ、俺等の紹介と行こうか!』

 

 裏で彼等のことを見守りながらも、俺はルナとソルに念話をする。

 本当に力を見せて良いのか? 二人は大丈夫なのかと。

 

(問題ないよ、ますた)

(くふふ、そんなこと気にしなくて良いからね~)

 

 なら、存分に。

 そう思った俺は、魔力を練っておき本番に備える

 会場にはどこまでもノリの良い冒険者達が綾音達に喝采を送っており、皆はそれに慣れているっぽい。

 配信というのをしてる皆だし、見られ慣れてるんだろうな。そう結論づけながらも、俺は最後に一度深呼吸。

 

『――じゃあこれで最後だ。新しい日本の顔、Sランクになった奴の紹介だ! 来いよ、【召英殿(ヴァルハラ)】! お前の力を見せる時だぜ!』

 

 それが合図。

 配信を見ている全ての人に、会場にいる冒険者に、何より俺に伝わるように告げられたその言葉。それに対して俺は壇上にある魔法と共に姿を現す。

 

「【デュアルサモン】――ルナ・マナガルム、ソル・スコル」

 

 召喚するのは獣の姿。

 月と太陽を喰らい、神さえも殺すとされる狼の血族である彼女達を俺はこの場に喚び出した。

 

「ッ吹雪!?」

「――でも、暖かいぞ?」

 

 風が舞い吹雪く会場。

 だがそこに寒さは一切無く、ソルが太陽の権能でルナの吹雪を打ち消している。その寒さを感じぬ環境でルナは氷を雪へと変えて、雪の結晶を会場に降らせ始めた。

 魔法で作られた結晶は目視できるほどに大きく綺麗な六角形をしており、幻想的なその光景に目を奪われる者もいれば、彼女達の力に息を飲む者もいる。

 

「これが、サモナー?」

「【召英殿(ヴァルハラ)】――新しいSランク」

「……綺麗」

 

 そんな言葉が聞こえる。

 ルナ達に目を奪われて、その力に見惚れて、何より――圧倒的な神威に襲われて。

 

「紹介に預かった、サモナーの狩谷霊真――そして、俺の仲間のルナとソルだ。今回はこの場に集まってくれて嬉しく思う」

 

 こういう場所に慣れてないからではあるが、もう少し格好いいことを言えれば良かったとは思うが、等身大でと考えるとこれが無難だろう。

 だからあくまで挨拶はそれくらいにして……ここからは俺の本心を語ろうか。

 

「きっとさ、この中には俺がSランクの冒険者になることをよく思わない人もいるだろう――だってそれは俺ですら思うから」

 

 綾音のような圧倒的な才能と綺麗な戦い方を出来るわけではなく。

 カイザーのような格好良さに振り切り、拳で全てを殲滅する事は出来ず。

 カグラさんのようにそこまで突出した技術があって技が巧いわけじゃない。

 大和さんのように多くを救い慕われるような英雄に成れなくて……ラウラのようなこの世界の仲間を何処までも守るという信念も、泉華さんのような優しさもない。

 

 俺がこの場所にいるのは、召喚獣の皆がいるからで――異世界の経験があってこそだ。この力は経験は魔法の数々は、全部が全部今までがあったから。

 三年間というあの忘れられない冒険があって、その度に支えてくれた召喚獣(みんな)がいたからで――後悔も絶望もある。

 それに、いつかこの体を霊真に返さないといけないから。

 

「だからこそ、これから見ていてくれ。俺がSランクの皆に恥じないように」

 

 それが俺の冒険者としての覚悟だ。 

 ペルセウスはこの先、幾つものミソロジーダンジョンが来ると伝えてくれた。

 きっとそこには、俺が求めている元の世界への帰り方があるかもしれない。だけどそれは、今までとは比べられないほどの物かもしれなくて――召喚獣達ですら敵わないかもしれないけど、きっと乗り越えられると思うから。

 

「冒険者として、俺を支えてくれる召喚獣の皆やここにいる仲間達と一緒に、ダンジョンを攻略してくからさ!」

 

 それが俺の本心だ。

 この先、この世界で過ごす間。この世界の皆に恩を返せるように、どこまでも彼等を支えられるように。それこそ、異世界で仲間になってくれた皆と。

 

「――だから、よろしくだ」 

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