異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第105話:命名式のそのあとで

 

 俺の言葉を聞いた冒険者達が沸き立って、喝采が会場を支配する。

 まともに話せたのかも、ちゃんと俺の事を伝えられたのかも分からない。

 ――でもなんだろうか? こうやってルナ達が認められて、英雄として扱われているのを見ると……なんというか、少し心が軽くなるようなそんな気がする。

 

「今日の祭りは夜まであるからな! 旨い飯も上質な酒も沢山ある! まだまだ楽しんでくれ!」

 

 そして大和さんがそう言って命名式は終わった。

 これからは夜までパーティーが続き、それで解散という流れ。

 発表会も終わった舞台裏、俺はルナ達に感謝を伝えたあとで一息つく。

 

「おう、お疲れだ【召英殿(ヴァルハラ)】。相変わらず(ぼん)の仲間はすげぇな」

「大和さんこそ、色々ありがとうございます」

「気にするんな。まぁこれからは同じ立場だ、気軽に頼ってくれ」

 

 そう言われて、俺はさっきから此方をチラチラと見ている綾音達に視線をやった。

 誰から話しかけるか? みたいな空気が続いていたので、とりあえず俺の方から声をかける。

 

「えっと、改めて……よろしく、皆?」

「うん、よろしく霊真――これからも一緒だよ」

「我が友我が友、凄い格好いい二つ名だな!」

 

 綾音にはそう言われて、カイザーに至ってはセンスにガン刺さりしたのかめっちゃキラキラした目で自分の事のように喜んでいる。

 

「【召英殿(ヴァルハラ)】殿って呼んだ方がほうがいいでござるか?」

「……どっちでもいいぞ?」

「でもそれだと漢字的には殿殿でござるよなぁ」

「おい椿、俺の考えた名前に何かあるのか?」

「――いえ、ただ思っただけなので他意はないでござる師匠!」

 

 その呼ばれ方だと確かに……とは思ったものの、大和さんの鋭い視線を受ける椿さんを見て黙ることにした。

 

「っと、坊達はこれからどうする? この後はダンスパーティーがあるから、俺はそれまで残るつもりだが……」

「せっかくですので俺は残ります」

「私もだ、椿ちゃんの事を頼まれてるので――夜まで見張らないといけないのでな」

「父上……なんでラウラに頼むでござるか?」

「……日頃の行いだとおもうよ椿」

 

 そういう抜けているイメージは椿さんには持ってないが、少し思うことはあるので確かにと納得した。

 

「あ、そういえば【暴殺雷鬼(カーネイジ)】ってどんな人なんだ?」

 

 丁度良いと思ったからなんだが、俺はこの場にいる皆に今日来ることの無かったあの逢魔という人の事を聞くことにした。

 

「なんだ? あいつの事が気になったのか坊?」

「まぁ……こないだ椿さんとダンジョンに行ったとき会いまして」

「……椿? なんで霊真とダンジョンに?」

「いや、綾音殿!? ちょっと冷気出さないで、話すでござるから!」

 

 で、聞いてみたら綾音が少し奥の方に椿さんを連れて行ってしまったので、微妙な顔をしながらも俺は他の人の意見を聞く。

 あの時の印象的に冷たい人……というか、周りにあまり興味が無いイメージを持ったのだが、なんというかそれだけだとシバルがあそこまで嫌う意味が分からないので他の人の意見が聞きたかった。

 

「強いぞ? 私も一度戦ったことがあるからだが、あれは暴の化身だ」

「我はあまり関わりは無いな、二回ほどしか会っていない」

 

 それがラウラとカイザーの評価。

 ラウラにそこまで言わせるほどだし、あの短い攻防で強さは理解できるが、もうちょっと知りたくはある。

 

「そうだなぁ、あいつは――まぁ強いぞ、基本はダンジョンに潜ってて配信もしねぇからSランクの中だと異質ではあるな」

「……霊真君は、なんで逢魔の事気になったの?」

「会ったからってのもあるんですが、なんか妙に気になって」

「そっか。そうだなぁ、私のイメージとしては……うん、優しくて強い人かな?」

 

 最後に泉華さんから伝えられたのはそんな評価。

 ……あの時の印象のみでは、それは分からない。だけど、今の言葉には色々な物が詰まっている様な気がして、何かを言うことは出来なかった。

 

「まああんまり関われる人じゃないから、気にしなくて良いと思うな」

「……了解です。えっと、このあとはダンスパーティーがあるんですよね?」

「そうだな、一応今回の別のメインだ。坊は誰かと踊る気あるか?」

「…………下手なんで、ないです」

 

 これは異世界での経験なのだが、俺は色々な国や街を回る中で何度もそれこそ何度も――ラウラにダンスを教え込まれた。

 その記憶はつらく、何より厳しく――完璧には踊れるのだが、俺が踊るとか恥ずかしいのでここは下手ということにしておきたい。

 

「む? お前は上手いだろう?」

「……ラウラァ、今はちょっと黙ってくれ」

「あのラウラの嬢ちゃんが上手いって言う程か……なぁ坊、今日の祭りのメインは坊だろう?」

 

 あれなんか、すごい嫌な予感がする。

 ……あれ、それこそ逃げ道が無くなったような。何より、大和さんが悪巧みしているようなそんな気配がして。

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