異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第128話:早速仕事が舞い込んで

「……親友、なんで俺等は夏休み二日目からダンジョンの前にいるんだ?」

「そりゃあ……ダンジョンの調査のためだな」

 

 地元の森に突如現れたダンジョンの調査のため、俺と親友はそのダンジョンの前にやってきていた。

 遊ぶ気満々だった式は肩から虫かごぶら下げていて……なんというかとても哀愁の漂う表情を浮かべている。

 少し視線をずらせば、虫取り網を持ったカイザーがいて彼も彼で気まずそうな顔をしていた。

 

「なぁ親友、なんでこいつがいるんだ?」

「なんだ軍師、俺がいちゃ不味いのか」

「……お前さ、霊真にやった事忘れた訳じゃねーだろ?」

「あ゛? ケジメ付けたし、あの時に謝ったから良いだろ。それにな、霊真は気にしてねーよもう」

「それを、お前が言うのか?」

 

 今回の森に急に出来たダンジョン。

 虫取りに来た俺達の前に突如現れたこの洞窟のことを政府に報告すれば、調査して欲しいという事になり、最近ダンジョンの難易度が上がっていることから一人派遣するとなった結果がこれなのだが……。

 

「おい、なんか言えよ暴殺雷鬼(カーネイジ)

 

 やばい、空気が重い。

 ……いや、俺も逢魔が来ることは知らなかったし伝えられてなかったんだが、ここまで空気が重くなるとは思ってなかった。

 カイザーは場を見ているからか黙っているし、俺が仲裁しないと駄目な気がする。

 

「俺も来ること知らなかったけどさ、逢魔は頼れるしいた方が多分楽だと思うぞ」

「そうだな暴殺雷鬼(カーネイジ)がいれば頼れはするが、本当に貴様は我が友と和解したのか?」

「はぁ、したって。なんでそんなに信用ねぇんだよ俺」

 

 頭をかき、溜息を吐いてそういう逢魔。

 式もカイザーも露骨に嫌な顔をしているし、無理に仲良くしろとは言わないが……いつまで経っても攻略しないわけにも行かないだろう。

 

「まぁ、洞窟型だろうし二手に分かれて探索しようぜ? ……俺は逢魔と組むから、式はカイザーと頼む」

 

 最近の洞窟型が政府からの情報で分かれ道が多いと聞く。

 ソレを調査するということを考えると、別々のパーティーを組み進んだ方が良いだろうという判断。逢魔をどっちかとは組ませたら空気悪くなるだろうし……そう言ったんだが。

 

「いや、俺がそいつと組むぞ親友」

「手加減する必要あるから面倒くせぇよ」

「は? 暴殺雷鬼(カーネイジ)様は、Aランクは眼中にねぇってか?」

「そうじゃねぇけど、このメンツで霊真以外が俺についてこれると思えないだけだ」

 

 ……わざわざ式がそう言うって事は、何か考えがあるんだろう。

 険悪な二人をパーティーとして組ませるのは、悪手どころか事故が起きる可能性すらあるが……俺は式の考えを尊重したい。

 

「分かった。だけど、絶対喧嘩するなよ二人共」

「軍師と違ってガキじゃねぇしな」

「そいつがどうかは知らんけどな」

「よし、監視付けるわ――【サモン】シバル・カマソッソ」

 

 駄目だこいつらと思った俺は、すぐに常識枠でありこの二人とは相性が良さそうなシバルを喚び、二人を監視して貰うことにした。

 急に呼ばれたシバルに事情を説明すれば、快く引き受けてくれる。

 

「承ったが、争い始めたらどうすればよいのだ?」

「止めてくれ、頼むから」

「あいわかった……全力で止めよう」

 

 そういうことになったので、洞窟に潜れば案の定二手に道が分かれていたので……俺はカイザーと右へ式と逢魔は左へ進むことになった。

 

――――――

――――

――

 

「じゃ、先行くわ」

 

 足並み揃える必要などなく、どうせすぐ攻略を終わらせる霊真と龍人のことを考えれば早く進んだ方が良いという判断。

 浮遊の権能で浮き、雷の出力で一気に洞窟を駆ける。

 すぐに洞窟部分が終わり、目の前に広がるのは巨大な森林。外国のジャングルのような場所には、巨大な昆虫のような魔物が生きている。

 

「へぇ、蟲型の魔物ねぇ――まあすぐ終わらせるか」

 

 俺に気付いてこちらに現れるのは巨大なカブトムシ。

 ……人間四人分の大きさはありそうなその魔物と対峙して、すぐに魔法を使おうとした瞬間に――後ろから巨大な炎塊がそいつを飲み込み焼却させた。

 

「先行き過ぎだ。パーティーなんだから合わせろ」

「森林で炎なんか使うなよ、高校生。そんなんで軍師名乗るとか笑えるぞ」

「俺の炎は燃える対象選べる特別製だ、そんぐらい気をつけるわ」

「ふぅんそういうもんか、じゃあ先進むぞ」

「――なぁ、先に言っとくが俺はお前が嫌いだ」

「だろうな、俺もお前は苦手だよガキ」

 

 あそこまで露骨にやられたら嫌でも気付くし、俺も俺で天ヶ瀬式という男が苦手だった。理由は……なんとなく分かりはするが、それはあまりにも子供過ぎる感傷だから言いはしない。

 

「でだ。そんな俺の事が嫌いなお前が、なんで組んだ?」

「聞きたいことがあったんだよ……どうしてもな」

「へぇ、それで――言ってみろよ、答えてやるから」

「お前はなんなんだ? あの馬鹿程のお人好しがお前みたいなの気に入る訳ないだろ、それにだ……お前はあいつの何を知っている?」

「はっそういう……そこら辺機密だから言えねぇよ、ま――どうしてもって言うなら、そっちの情報を寄越せ。なんで今のあいつがこの世界にいる?」

 

 これは、中にいるシャクラがずっと持っていた疑問。

 あいつのせいか、俺は霊真が別の世界の人物だということを知っている。

 魔王を倒した筈で、ずっと元の世界に帰ろうとしていたというあいつがこの世界にいる意味が分からないと言っていたし、ずっと気になっていたらしい。

 

「元の魔力無しのサポーターだったあいつのことは調べたが、覚醒で今のあいつになる理由はねぇ――知ってんだろ軍師、どうして異世界を救ったあいつがいるのかを」

「それだけは答えられねぇよ」

「俄然聞きたくなったな。そうだ、ならこうしよう――このダンジョンで狩った奴が多い方の質問に答える。俺が負けたらちゃんと話すからどうだ?」

「――ッ分かったよ、その代わり絶対答えろ」

「俺は嘘はつかないぞ――でだシバル、審判頼む」

 

 ここまで俺等についてきて、一切喋っていない首狩り蝙蝠。

 傍観者としてここにいるそいつに審判を頼めば……そいつはあろうことか。

 

「吾も乗らせろ」

「――は?」

「何言ってんだ?」

「狩りに参加する――吾が勝利したら双方答えろ、此度の役目は仲裁だからな」

 

 そうだった。

 シャクラの記憶通りならこいつは我を通すためなら何でもするし、役目には忠実な奴である。霊真に仲裁を頼まれたのなら、こいつは自分の思う一番の形にするように動くだろう――つまりは、この理不尽より多くの敵を狩らなければいけなくなった。

 

「始めるぞ――精々足掻け、馬鹿どもよ」

 

 その瞬間、シバル・カマソッソが獣に戻る。

 十五メートルはある巨大な蝙蝠へと姿を変えた彼は、その翼をはためかせ――蹂躙を始めた。

 

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