異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第137話:次の予定は夏祭り

 夏休みが始まって一週間、その日は予定していた夏祭りがあり遠出することになっている。今は実家である狩谷家に集まっている感じなのだが、俺以外の皆が既に浴衣に着替えており、慣れない絵面だ。

 今いるメンツとしては、俺と式にカイザーの男組、そして椿さんとラウラの五人。本当なら綾音もくるのだが、ダンジョン配信の案件があるようで遅れるとのこと。

 

「さぁ、今日は楽しむぞ」

 

 藍色の浴衣姿の式がそう切り出して、祭りの案内地図を取り出す。

 ちょっとというか祭で効率厨である式は、昨日のうちに美味い店をリストアップしたようで、今日はそれを皆で食べようという流れ。

 

「そういえば我が友は浴衣着ないのか?」

「あー行くまでには着るわ、今アラクネが超急ピッチで作ってくれてるっぽいし」

「そうか! それは楽しみだな」

「浴衣なら拙者の家にあるので貸そうと思ったでござるが……作れる方がいるのは凄いでござるな」

 

 浴衣無いんだよなーって少し愚痴ったら、「私が作るわよ!」と、テンション高めにそ了承してくれたアラクネ。着方は分かるし、似合うかは分からないがどうせなら皆に合わせて浴衣は着たかったからマジでありがたい。

 

「それでどうだレイマ、似合っているか?」

「そりゃあ似合わないわけないだろ」

 

 ラウラは珍しく白い浴衣、椿さんは桜色で刺繍の入った浴衣であり、かなり似合っている。こないだの女子会の影響か、少し鍛えられたので感想を伝えながらもなんとか褒める。

 

「親友が――感想を?」

「そんな天変地異見たみたいな顔止めろ式」

「だって、お前あれだっただろ」

 

 ……心当たりはあるが、とりあえずあとで綾音に共有するとしてこれで祭りに行くことは決まる。

 これでルートは決まったので、後は遊べる屋台などを適当に巡る感じだろう。

 

「これで皆浴衣でござるな! 楽しみでござる!」

「綾音も浴衣なのか?」

「ござるよ? 拙者がとてもいいものを選び申した!」

「……へぇ、それは楽しみだな。綾音ならなんでも似合うしせっかくだから見てぇ」

「なあ式、この阿呆はいつもこうなのか?」

「――まぁ、そうだな。綾音には」

 

 冷えた麦茶を飲みながらも、俺は首を傾げた。 

 いつもこう……とはどういう意味なのだろうか? 当たり前だが俺は俺らしく過ごしているし、何が何だか分からない。 

 

「なぁ式やけに多いんだが、結構屋台回る感じか?」

「そりゃあ、椿さんいるし」

 

 女子の浴衣って腹を帯で締めそうだし、大食いが多い女子勢の事を考えるとちょっときつそうと思い聞いたのだが……冷静に考えるとそうだった。

 

「ふふ、お祭りなので別腹でござる! 沢山食べるでござるよー!」

 

 そうなったので、神奈川の方に電車で向かい夏祭り兼花火大会の会場である江ノ島に俺達は向かうことになった。

 ゆっくり楽しむ皆での電車旅。一人で会場に向かっているらしい綾音とメッセージで会話して時間を潰す。

 

『え、霊真浴衣なの?』

『そうだけど、どした?』

『想像出来なくて』

『悪かったな、あんまり着なくて』

『そういうことじゃないけど……まあ楽しみにしてあげる』

『お眼鏡にかなうか分からないけどな……』

 

 そこまで送ったところで、江ノ島に着いたので俺達は改札から出る。

 皆は既に浴衣だが、俺はまだ私服であり……電車を降りた瞬間に浴衣が縫えたそうなので、更衣室を借りてそこで着替えることにした。

 

「うーん、着ても違和感なければいいが」

 

 改めて目にする黒い男性用の浴衣。

 特に柄のないその浴衣はかなり大きく、やはり身長が高くなければ似合いはしないだろう。俺は自分の容姿にそこまで自信がなく、人並みだと思っているので……正直浮かないかが心配だ。さっきは大丈夫だと思ったが、皆と比べて浮かないか不安。

 

 ちゃんと着れているか心配になりながらも、俺はそわそわしながら着替えた後で祭り会場に到着する。

 雰囲気は出ているか? という感じぐらいなので不格好ではないと信じたいが……それはもう誰にも分からない。

 

「……霊真?」

 

 祭会場に向かっていると、ふと声がかけられる。

 聞き慣れているがその声からは少しの戸惑いを感じた。

 こっちを見ろという事なのか、浴衣がちょいと引っ張られる。間違えるわけが無いし、あいつだろうとなんとか振り返れば、そこには――やっぱり綾音がいた。

 

「……可愛いな」

「それ、ほんとに思ってる?」

 

 あまりにもレスポンスが早すぎて、そう思われてしまったのだろう。

 だけどこれは仕方ない。だって用意していた褒め言葉が全部消し飛んだからだ。

 椿さんが選んだとことだが、やっぱりあの人のセンス良いよなとか思いつつも、彼女を姿を直視する。

 

 偶然というか何というか、同じ黒い浴衣。

 柄としては白い百合の花と紫の羽模様が綺麗な二匹の蝶、時期的にも合っているしとても綺麗で、綾音らしさが引き立つというか……素直に可愛いと。

 帯は淡い水色、無駄な柄などは施されておらずシンプルなデザインになっていた。

 

「すまん綾音、可愛いと言うより凄い綺麗だぞ。髪型もよく似合ってるし」

 

 普段はアレンジしないロングだが、今回は浴衣に合わせてかその長い髪をハーフアップにしている。この装いだと簪でもあればもっと映えそうだから、来年とか贈ってみようかなと考える。

 

「……霊真も、似合ってるよ」

「そうか? 不安だったけどお前に言われたのなら安心だ」

 

 そうか俺の浴衣は似合ってるのか。

 それなら安心して堂々と過ごせるだろう……というか、綾音に褒められたのならかなり安心していいし。

 

「親友がいつも以上に親友してるな」

「霊真殿らしいでござるなぁ」

「何だよ皆、急に」

 

 俺が着替えていた間に綾音と合流していたのか、後から来た皆にそう言われた。

 

「ほんと、馬鹿霊真」

「馬鹿ってなんだよ勉強は出来るぞ俺」

「やはり馬鹿だなレイマは」

 

 ラウラにもそう言われたが、マジで解せない。

 俺は頭が良い自信はあんまりないが、基本的な勉強は出来るしこれでもサポート科トップの成績だ……だから馬鹿はないだろうと、ちょっと意味が分からなかったので、首を傾げながらもカイザーに質問する。

 

「我が友は頭良いだろう?」

「ん、ありがとカイザー」

 

 ほらやっぱり。カイザーの言葉を疑うなんて事は出来ないので、とりあえず馬鹿じゃないということで決着をしそのまま俺達は祭り会場に突撃した。

 

「人多いけど迷わないようにね」

「……善処するわ」

「フリじゃねーからな親友」

 

 そんな会話をしながらも祭り会場を進んで行く。

 最初の方にはビールなどの大人向けの物が多かったが、徐々に誰でも食べられるエリアにやってきた所で、

 

「じゃあ皆、早速食べるでござるよ!」

 

 椿さんが目を輝かせて、狙いを定めた。

 

「ルートは決めたからな、いっぱい食べるために最初はあっさり系から行くぞ」

「えー林檎飴食べたいでござる」

「……それは食うの時間かかるだろ椿さん」

「いいでしょ式、今更だけどお祭りにルートは野暮だよ」

「……俺の三日のルート構築が、まあいいけどさ」

 

 頑張って美味い店をリサーチした式には悪いが、俺としては綾音の意見には賛成だ。祭りで難しい事を考えたくないし、目に付いた物から食べるのがいいだろう。

 

「霊真は久しぶりの祭りだよね、何か食べたい物ある?」

「久しぶりと言っても、ダンジョン祭あったけどな」

「あ、そっか」

「だから前食べれなかった珍しいのがいいかもな」

 

 俺の案でそう決まったので、ぶらぶらと屋台を巡りながらも荷物を増やしていく。やっぱり食べ歩きというのは祭りの醍醐味であり、こうやって友達と過ごすのは楽しい。 会場を進んでいると中腹当たりに辿り着いた。

 

「あれ、いつの間にか椿さんとラウラは?」

「椿は気になった方に行って、はぐれると困るからってラウラが追ったよ?」

「まじか……で、式とカイザーは?」

「良い焼き鳥の気配がするって行って五郎引っ張って行っちゃった」

「…………皆らしいな」

 

 元の世界からの親友である式と、異世界での仲間であるラウラ。

 そして今の世界で友人となってくれたカイザーと椿さん。そんな皆らしい行動に微笑み、ちょっと不思議な気分になる。

 ……いやでも、待てよ? 四人がいなくて……今は二人。

 即ち二人っきりって訳で……綾音と二人で祭りを回るわけだ。 

 

「………………え?」

 

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