異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~ 作:鬼怒藍落
最後の神殿を後にして、俺達はオケアノスの最深部にやってきた。
近づくだけで感じる異常な神威。世界を侵蝕するという名の言葉に偽りないのか、圧倒的なまでの圧を近づくだけで感じることが出来る。
とても広い祭儀場。周りには柱が建っておりこの場所を囲むように幾つもある。
「おっもいね、これ」
不意に綾音が零したその言葉、同意するように頷いて最深部にあった祭壇に目を移せばそこには玉座が一つ。
「あははは、ようこそ勇者達――私のオケアノスへ、ここまで来た褒美でもあげましょうか?」
今までのキャラには合わない様に高らかに笑うのはレヴィさん。
普段通りのワンピース。もう麦わら帽子は被っていないからか惜しげなく白い角を晒す彼女。俺達へと視線を送り、嗤う彼女はとても楽しそう。
「時間かかって悪いなレヴィさん、久しぶり」
「そうですね、無事に目覚めてくれて良かったです。というか綾音さん達は、強くなりましたね。視てましたけど見違えました。あとそこの初めましての蛇殺し、キモい神の相手お疲れ様でした?」
「…………そういうなら滅神しててくれよ」
「いやぁだって、それとは関わりたくないですし。ほら触らぬ神に祟り無しってことわざがこの国にはあるでしょう?」
確かにそういうのはあるけれど、多分それはことわざなので実際に神に使うことは想定されてはいないだろう。
だけど、同意は全然するので……なんというか皆目を伏せているというか、言葉に困っているようだ。当の本神は、何のことか一斉分かっていないようで首を傾げているが……自覚してくれないかなとは思う。
それに、今回の戦いも傍観者でいるだけっぽいし……正直、なんだろうとも。
「というかあれ、ベヒちゃんじゃないですか! ……なんでいるんです?」
「今の私はますたーの所有物、だから」
「…………サボり魔が、いつも尻拭いするの誰だと思ってるんですか?」
「真面目すぎるのは良くないよね」
最後の神殿で聞いた限りは仲が良さそうな感じだった気がするんだけど……なんか一触即発というか露骨に仲が悪くないか? さっきまでにこやかにこっちに接していたレヴィさんの表情が明らかに抜けたんだけど。
「はぁー興がそがれますね、まさかの再会にやる気ダウンなんですけど」
「拗らせ蛇は再会も喜べないんだね、流石はさいきょう」
「ねぇ霊真さん、これがいてもきっと楽しくないので戻してくれません? 私的には大罪決定戦の方が燃えますのでそっち希望です」
「だめーますたーは私を使うからねー」
……いやほんと仲、悪くね?
俺としては色々聞きたいことあったし、こうなるのは予想外なんだけど。
まぁでも、ちょっと緊張がほぐれた気がする。正直、彼女を前にするまで迷っていたし、俺がやりたいことを出来るかも分からなかった。
「なぁ、レヴィさん……戦おうぜ?」
勝てるかも、戦いになるのかも。だけど、一切恐れないベヒーモスを見たから。何より、毒気の抜けた仲間達を見て……悩むのも意味がないと分かったから。
「……いいですけど、一つ聞かせてください。霊真さん……貴方は、誰ですか?」
「狩谷霊真だよ……サモナーで、仲間が大好きなただの人間。そしてあんたに挑む、挑戦者だ」
そう告げる。
心の底からの本心を、決意を伝えるように、俺は一人ではない。
それは今も昔もそうで、一人でなんて戦えない。ずっと俺は支えられていて、皆と一緒に強くなったのだから。召喚獣が、仲間達が大切で、一緒に戦うと決めたから。
「アハッ、いいですね。そういうの大好きです! さぁ、戦いましょう? 私に、私という怪物に挑んでください。全身全霊を賭けて、何より余すことなく全てを使って! これから始まるのは、怪物退治――手心加えたら殺しますよ?」
渦巻いていた神威が一身に収束する。
……どこまでも全てを圧倒する暴の気配が、レヴィさんへと集まって、全部を飲み込んだ彼女が笑い――言葉を紡ぐ。
「其は最強の蛇、其は始まりの五日に生まれし神に仇なす者――其は世界を流す原初の蛇龍なり」
それは彼女を解放する言の葉。
……その脅威を識っている俺だからこそ、防がなければ負けてしまう攻撃だからこそ、俺は全てを信じて合わせるように唄を編む。
「其は獣の起源、其は始まりの五日に生まれし神に仇なす者――其は大地を滅ぼす原初の魔獣なり――そして其は我の新たなる盟友にして、終末を覆す者」
あのとき、ダンジョンで聞いたその呪文。
それを使って、そして新たに魔力を練って――俺は横で笑う彼女に魔力を贈る。
『
そして同時に、そう告げて。
「
「
――その瞬間に、世界を滅ぼす光線が俺達へと放たれた。