異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第24話:カイザー・ドラゴニア(本名・田中五郎)

 

 開始早々、消し飛んだオーク。

 それを見ていたカイザーが少し引き気味にこう聞いてきた。

 

「……霊真よ、貴様の武装は攻撃も出来るのか?」

 

「一応? ……うん、出来……るぞ?」

 

 元の霊真も少しは攻撃に対して魔力を使ってたのは知ってるので、多分ごまかせるはずだ――というかそうじゃなきゃ困る。だって俺が魔力馬鹿みたいになるから。

 

「そうか、我の拳と同じ威力の銃撃など初めて見たから驚いてな――それで、どれほどの魔力を籠めたのだ?」

 

〔カイザーが驚くの珍しいな〕

〔でもカイザーもそのぐらいやれるよな〕

〔まぁ龍形態だったらな〕

〔これ連射できるのはチートだろ〕

〔サポー……ター?〕

 

「ま、まぁ……今は敵がいるだろ? そっちに集中しようぜ?」

 

 話を強引にすり替えながらも俺は、魔力を極限まで調整して撃つことに決めた。

 こういう細かい操作は凄い苦手なのだが、このままだと普通にアタッカーとして勘違いされてしまう。

 

 飛んでくるガーゴイルに、仲間を殺されたことで激昂するオークの群。

 流石にあの数に襲われたら困るので範囲へと弾を変え速度低下のデバフを撃ち込んだ。オークの群の手前でそれは効果を発揮し、周囲に霧のような物がほんの数秒だけ展開される。

 

「カイザー突っ込めるか?」

 

「あれに突っ込んで大丈夫なのか?」

 

「霧自体は二秒で消える……まぁデバフは残るから安心しろ」

 

 本来の速度を完全に発揮できなくなったオーク達は、前に進んでいるが明らかに遅かった。体感としては籠めた魔力的に通常の五~六倍の重力を受けてるような感じだろう。そんな状態のオーク達が速度などをバフされたカイザーの攻撃を避けれるわけがなく、腕が異形の物になっていた彼の横薙ぎの攻撃によって一撃で倒された。

 

「残ってるのはガーゴイル……ならこっちか」

 

 ……空飛ぶ石魔。

 地上から距離があり、攻撃するには俺の銃撃か他の手段になるだろうが、ここで魔力に任せた攻撃をしてしまうのは、目立つ可能性があるので……カイザーにバフを打ち込むことに決めた。

 

「む――脚力の上昇か?」

 

「あぁ、そのまま上の奴頼む」

 

「任された――【龍脚変化】」

 

 その魔法……いやスキルと呼ばれる物だろうそれをカイザーが使えば、腕は人間の物に戻り……今度は足が変化する。

 そしてカイザーは足の力のみで空へと跳んで、一番近くにいたガーゴイルを足場にしながら砕き次々と相手を破壊した。

 

「戦闘終了だ――凄いな霊真 我をサポートできる者など初めて会ったぞ!」

 

「……いやお前が凄いって、よく信じてくれたよな」

 

「事前に聞いたから当たり前だろう? それに朝日もいいバフで助かった!」

 

「あ、えへへ……うん役に立てたなら良かったよ」

 

〔可愛い〕

〔流石の美少女〕

〔霊真君のデバフ性能エグすぎでは?〕

〔デバフ(オーク消し飛ばし)〕

〔デバフ消去って、こと!?〕

 

「えっと朝日は男子だぞ……一応」

 

 なんかずっと気になっていたが、コメント欄? で朝日が女子扱いをされていたので、俺は今更ながらにそうツッコんだ。

 

〔わっつ?〕

〔え、リアル男の娘?〕

〔実在するのか……〕

〔カワ……いい!〕

〔推し決定〕

〔ねぇねぇ朝日君うちのギルドにどう?〕

〔貴重なエンチャンターだしな……うちのギルドにこないか? あと可愛いし〕

 

「ふぇ……ね、ねぇ霊真君どうすれば!?」

 

「……すまん迂闊だった」

 

「答えになってないよぉ!」

 

 そんな少しカオスな状況になりつつも、俺達は先に進むことにした。

 サイクロプスは中層に湧くらしいが、このダンジョン内でも上位の魔物に分類されるらしく下の方が湧きやすいかららしい。

 

 道中の魔物を完全にカイザー任せにならないくらいに倒しながらも奥へと進み、俺達はさっきよりも広い……地下神殿跡地のような場所に辿り着いた。

 

「ここが中層の最後の階だ……ここには誰も来ていなければ確定でサイクロプスがいるだろう……まぁ、綾音達は下層を配信している訳だし、残っているだろうな」

 

 その言葉の通りに、この場所の奥……恐らく下層に続くだろう階段を守るようにそいつは――そいつらは立っていた。

 緑肌をした一つ目の巨人、大剣を持った個体もいれば……巨大な弓を持った個体もいる。極めつけには両方の手に剣を構えたその中でも別格な奴もいた。

 

「……三匹? この湧き方は初めて見るな。しかも武器は基本棍棒の筈だぞ?」

 

 そうやってカイザーが言葉をこぼした瞬間、サイクロプスの一匹が弓を構え――その巨矢を俺達へと放ってきた。

 異常な速度、三メートルはあるその矢を受ければほぼ確実に大ダメージを受ける。俺とカイザーは耐えられるかもしれないが、朝日は不味い。 

 

 確か……霊真の白銃に記録されてる魔法の中にはシールドがあったはず。

 それを思い出した瞬間、俺は確実にあの矢を防ぐために少し多めの魔力を注いで――。

 

「【プロテクトシールド】!」

 

 その攻撃を完全に防ぎきった。

 ……だが防いだのは良いものの衝撃のみが地面を伝い、俺達のいる足場にひびが。

 

「ッ――カイザー短期決戦だ本気出せるか!?」

 

「あいわかった――我が盟友の力も借りよう! 【サモン】」

 

 え、こいつ……サモナーの力も持ってるのか?

 聞きなじみのある魔法に驚きつつも、俺は彼が呼ぶ召喚獣を見届ける。

 

「我が盟友、銀戦龍(ぎんせんりゅう)ヴァルキュリアだ。さぁドラゴンライダーの真価を見せようではないか!」

 

 現れたのは白銀の鱗を持つ、全身銀の神秘的な龍。

 青い眼をしたその龍は、他者を圧倒するようなオーラを放ちながらも俺を一瞥した。何を思われたかは分からないが、この龍が強いことだけは分かる。

 

〔久しぶりのヴァル様!?〕

〔美しすぎる〕

〔え、中層で過剰じゃない!?〕

〔なわけないだろ、あれ絶対変異種だぞ!?〕

〔というか、二人はついて行けるのか?〕

〔下がってた方が……〕

 

「……朝日、全力のバフをカイザーに頼む」

 

「え、霊真君はどうするの?」

 

「サポートに加えてデバフ役だろ? 足引っ張らない程度にやるだけだ」

 

 ……配信で映ってしまっている以上霊真の戦いを真似る必要がある。

 あいつに体を返したときのために、俺本来の力は使わず、どこまで模倣で出来るかを今試す。それにサポートというのは幅広いし多少はごまかしもきくだろう。

 

 だから召喚獣達のためのサポートの魔法も隠しながらやれば、ばれる心配はないはずだ。つまりは霊真と魔道具すげぇ作戦――確実にこいつらをそれで攻略してやる。

 

「二手め……くるぞ!」

 

「――【龍腕】【龍脚】久しぶりの強敵だ――心躍るなヴァルキュリア!」

 

 スキルを使ってか腕と足が龍の物に変わるカイザーそんな彼と一緒に俺はサイクロプス達に突貫した。

 

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