異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第32話:新ダンジョン調査隊結成

 ベヒーモス曰くのミソロジーダンジョンというものが現れて一週間、日本はその話題で持ちきりになっていた。そのおかげか、俺の話題が薄まってくれたが……今流れるニュースは良い物が一切ない。

 

「新ダンジョン【星の大海】……危険度は最低Sランク。政府のお抱えのAランクの調査隊が二人を残して四班全滅――Aランク以下の冒険者は立ち入り禁止……攻略には政府の許可を取ること」

 

 ……アルゴルが忠告するほどのダンジョンが危険なことは分かっていたが、ここまでとは想像出来なかった。

 

 まだ一般開放もされてないことから、ダンジョン配信は勿論禁止で中の情報は分からないが……潜った者の証言で、ただ気づいたときには仲間の首が刎ねられていたという事だけが語られていた。

 

「そこに俺の知りたいのがあるなら攻略する必要があるが……黒ローブの姿だと入れないんだよな」

 

 そう愚痴り……どうしようかと考えていたのだが、その瞬間にメッセージアプリに何かが届いた。

 

「……カイザー?」

 

 メッセージの送り主は、学校の企画で知り合い連絡を取り合うようになったカイザー・ドラゴニア。そんな彼からのメッセージには【星の大海】攻略しようという文言が書かれていた。

 

 ……渡りに船というか、都合の良すぎる誘いに一度電話をしていいか確認を取る。

 許可が取れたのですぐにかければ二コールでカイザーが電話に出てくれた。

 

「カイザー? 急にどうしたんだよ」

 

『要件通りだが、綾音と式それとカグラと【星の大海】を調査しろと政府に命じられてな……我等だけではサポータ不足と判断し、我が友を誘ってみたのだ……出来れば来てほしいのでな、貴様に用事は合わせるが……参加してくれるだろうか?』

 

「…………俺もあのダンジョンのことは気になってたからいいんだが、逆にいいのか俺が参加して?」

 

『ふっ愚問であるぞ? 我が認めた貴様なら問題なしだ――それに、綾音と式も推薦しておるし、政府の方もあの霊真君ならと喜んでいたぞ』

 

「……了解、それなら参加させて貰うわ――一応いつでも空いてるが、どうするんだ?」

 

『なら二時間後の十二時頃からいけるか? カグラの奴が待ちきれず暴れそうでな』

 

 なにやってるんだよカグラさん。

 ……いや、共闘したときの性格からなんとなく分かってたけどさ、これ……俺が参加しなかったらどうするつもりだったんだ?

 

「……分かったよ、集合は渋谷か?」

 

『あぁ渋谷に集合で良いだろう。作戦は店を貸し切ったのでそこで立てるとするぞ』

 

 そこで通話を切り、俺は魔銃であるノワールとブランに魔力を溜め、そのまま1時間休んでから渋谷へと向かった。

 アプリに送って貰った場所を頼りに、カイザーが貸し切ったという店に俺が足を踏み入れれば……そこには既に皆が集まっていた。

 

「む? あ、霊真殿が来たでござるよ!」

 

「……時間通りだね、おはよ霊真」

 

「よっす親友、ちゃんと装備着てきて偉いな」

 

「我が友よ、料理は既に来てるのでな! 鋭気を養うぞ!」

 

 貸し切られたのはイタリア料理店だったからか、テーブルの上にはかなりの数の料理が並んでいた。異世界でも王族とかと知り合った時に店に貸し切りという経験はしたけど、それを現代で味わうとは思ってなかったので目にして驚いてしまう。

 

「では我が友も来たことだし、作戦を立てるが……まぁペース配分を考えた上でのゴリ押しとなるだろうな――あ、そうだとりあえず我が友はこれを見てくれ」

 

 そうして渡されるのは、政府の調査隊によって作られた【星の大海】の資料。

 調査できた範囲をどこまでも詳しく書かれたそれには、ダンジョンにいた三匹の老女のような化け物とあり得ないくらいにでかい巨人のことが書かれていた。

 

 名前は未定……老婆に関しては魔法を使ってくることと、それがあまりに高度であったことから推定A+ランクであり、巨人に至ってはSランク確定。

 その見た目と能力で神話から名付けられ、老女の方はグライアイ三姉妹……そして巨人の方はアトラースと名付けられたみたいだ。

 

「……グライアイにアトラース? ペルセウスのか?」

 

 俺は一番最初にいた世界ではゲームオタクだったんだが、それに関連する者に少し心当たりがあった。それにアルゴルの原典を考えると、偶然だとは吐き捨てられない。ベヒーモスから聞いたミソロジーダンジョンという単語……神話という言葉と出てくる魔物、そしてアルゴル――それを考えると、今回の敵は。

 

「なんだ何か気づいたのか霊真?」

 

「いや……多分気のせい」

 

「いや我が友、貴様も思い至ったか? このダンジョンに出現するのは、我が友が言ったとおりペルセウスという英雄の神話に関係あるものだ。この世界に存在するダンジョンは、物語や神話に出てくる者達に似ている者が多い……それにここを見ろ」

 

 資料のある場所にカイザーが指を置けば、そこには調査隊の何人かが石化させられたという証言が残っていた。

 

「石化……そしてアトラースにグライアイ、それを考えると――今回のダンジョンのボスはかの神話の怪物であるメドゥーサの可能性が高い」

 

「…………五郎、お前そんな知識があったんだな」

 

「おい馬鹿式、一般教養だ! 現に我が友は知ってただろう!」

 

「霊真って神話に詳しかったか?」

 

「まぁ……最近調べ始めて」

 

「あー……ダンジョン関連で調べたんだろ?」

 

「まぁうん、そんな感じだな」

 

 ちょっと誤魔化しつつ、俺は思考を続ける。

 メドゥーサ……つまりはアルゴルの原典となった怪物、彼女と一度戦った身である俺からすると石化の厄介さは知っているが、契約してることで耐性自体は持っているし、俺はある程度戦えるだろう。

 

「我が友の戦い方は聞いたのでな、状態異常を防ぐ魔法を籠めた魔石を買っておいた。それを銃に入れれば、戦えはするだろうな!」

 

「初見だろうけど、霊真なら多分大丈夫だろうしって皆でお金出し合ったんだ」

 

「……信頼厚いな、まあ頼まれたからやるけどさ」

 

「よし決定だ――どこまでの規模になるか分からないが、ダンジョンの危険度は最高クラス、しかも異界型って判断だ。失敗すれば死ぬだろうが、全力でやろうぜ?」

 

「……そう、だな。あぁ……頑張るよ」

 

「そういえば、カグラあんまり喋ってないけど、どうしたの?」

 

「む……ご飯美味しいなって思って食べてたでござる! 最後の晩餐の可能性もあるし、腹ごしらえは大事でござるよ!」

 

 マイペースというかなんといか、覚悟が決まってる人だなぁって思いながらも……絶対に綾音達を死なせないと俺は決め、並んでいるイタリア料理を食べ始めた。

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