異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第33話:Sランクダンジョン【星の大海】

 渋谷の中心に浮かぶのは、ギリシャにある神殿に似たような建物。

 周りの迷惑も考えずに地面まで階段が伸びており、その周囲は封鎖されていた。

 

「……雰囲気凄いでござるなぁ」

 

「まあ妥当だろう、それより貴様等準備は良いか?」

 

「問題なし、魔力は全快――それに俺は基本後衛でバフだしな、ちゃんとお前等に合わせるさ」

 

 ……ダンジョンに入る階段を上りながらも、カイザー達は話していた。

 そんな先に進む式とカイザーとカグラさん、そんな彼等の後ろを歩いていると……綾音の奴が声をかけてくる。

 

「誘っちゃったけど、大丈夫? 記憶……戻ってないよね?」

 

「あーえっと、戦いは問題ないぞ……記憶を失う前の俺が、色々残してくれてたし」

 

「残してた? ……何か分からないけど、少し思い出せた感じなの?」

 

「まあ知ることは出来たな、だから大丈夫――今日も、全力サポートするからさ。絶対皆を守るぞ」

 

「ふふ、やっぱり変わらないね……絶対っての口癖だったし、本当に守ってくれるんだもん。一回しか破ってないしね、その言葉」

 

 ……一回?

 少し含みのあるような、その言葉に俺は首を傾げたが……そろそろダンジョンに入ってしまうので言及することは出来なかった。

 

「じゃあ行くぞ、攻略開始だ!」

 

 そして俺達がダンジョンに入れば、そこに広がっていたのは……巨大な海と空には数多の星が。立った瞬間に海に沈むと思ったんだが……何故か上を歩くことが出来て、それがあまりにも不思議な現象だった。

 

「とりあえず……政府から配信はしろって言われてるけど、私のチャンネルでいいんだっけ?」

 

「一番人が集まるのは綾音殿でござるからな、デバイスの性能も高いでござるし……」

 

「異論無しだ……実質のコラボ配信だな!」

 

 そういうことらしいので、雪ん子のような綾音のデバイスが起動されて……この場にコメントが流れ出す。

 

〔突発配信?〕

〔……メンツ凄いな〕

〔でもここ何処?〕

〔めっちゃ綺麗なんだけど……見たことないぞ〕

〔タイトルが……【星の大海】攻略!?〕

〔渋谷の最新ダンジョンか……え、許可取ったの?〕

 

 一瞬で湧き上がるコメント欄。

 今最も話題と言っていい、このダンジョンの攻略という情報が広がり……瞬く間に圧倒的な同接を記録する。既に六万を超える視聴者が集まり、それだけ期待されているという事が理解できた。

 

「うん、政府からの依頼でね……今回このメンバーで攻略することになったんだ」

 

「過剰戦力……とは前回のベヒーモスを見てならぬでござるが、拙者達のフルパーティーで挑む必要があるそれだけ危険なダンジョンという事でござるのよな」

 

「注意喚起になるが、面白がって侵入するなよ? 命の保証だけはまじで出来ない」

 

 配信慣れしてるのか、そうやって要項を伝えていく三人。

 カイザーはというと、周りを観察しながらも……自分の相棒であるヴァルキュリアを召喚した。

 

〔最初からヴァル様!?〕

〔あの霊真って言うサポーターもいるやん〕

〔ガチメンツ過ぎるな〕

〔前回の配信で見たかったのが実現したのか〕

〔それだけ危険なんだな〕

〔…………というかめっちゃ綺麗な場所〕

 

 そしてコメントが進み、俺達も攻略のために歩き始めたのだが……歩いて数分で、どこかから俺は異常な魔力反応を感じた。

 

「ッ――【プロテクトシールド】!」

 

 飛んでくるのは……水球。

 ……かなりの速度と大きさで迫るそれ、なんとか咄嗟に防げたが――魔法を維持しないと不味いとすぐに判断する。

 なんでかって? ……そんなのは簡単だ……目視するだけで二十を超える水球が空に浮かんでるからでしかない。

 

「――カイザーは索敵頼む! 式はエンチャ、カグラさんは敵を見つけたら突撃!」

 

 返事はない……だけど、やることは理解してくれたのかすぐに皆は行動に移ってくれる。そして指示を出す暇がなかった綾音は、自分の判断で一気に魔法を展開した。

 

「……全部凍らせるから、霊真は前に行って」

 

「任せていいか?」

 

「私だってSランクだもん――守られるだけの子になるのは嫌だから、全部防ぐね」

 

 そりゃあ頼もしいな……と、口には出さないが――霊真が信じ背中を預けていた彼女を信じない事など出来ないので、そのまま俺は前に進んだ。

 本来なら霊真が出来なかった魔力感知、ずるいがバレない範囲でそれを使い三匹の魔物を感知した。

 

「見つけたぞ! カグラさんは右に、カイザーは下に全力攻撃!」

 

「流石は我が友――ヴァルキュリア、ブレスだ!」

 

「……本当にいたでござるな……斬らせて貰うでござるよ!」

 

 式にバフを貰ったおかげか、自分でバフを使う必要がない。

 それほどまでに式のバフは効果量が高く、安心できる魔法だった。

 

「俺の相手は――一番魔力高いお前だな」

 

 相対するは、一つ目の老婆。

 ……魔力を練りつつも、手に短剣を構えたそいつと俺は戦うこととなった。

 すぐに放たれる火球の群、それを避けながらもデバフをノワールで打ち込み牽制。

 

「――喰らえ!」

 

 相手に撃ち込むのは、防御低下に魔力耐性の低下、そして速度低下を織り交ぜた魔力弾。それに合わせて何も籠めてない魔力弾を織り交ぜて、確実にダメージを与えていく。

 

「……魔力任せじゃ俺には勝てないぞ? それと頭上注意だ」

 

「よく俺が来るって分かったな、親友」

 

「まぁな――じゃあ頼んだ」

 

「相変わらず人使い荒いな――まぁいいけどよ【インフェルノ】!」

 

 霊真のノートにあった式の得意な攻撃魔法。

 無防備になった……グライアイ三姉妹にそれが放たれ、相手は魔石となって絶命する。そして周りを見渡せば、カグラさんは相手の首を刎ねており、カイザーも無傷でこっちに向かってきた。

 

「第一陣はこれで終わりだよな? 次はアトラースか」

 

「……湧く感じかな?」

 

「どうであろうな――いや待て、なんだこの異常な魔力は!? ッ霊真シールドを!」

 

 カイザーが喋っている時に地面から感じるのは異常な魔力。

 何かが魔力によって練り上げられているのか、地面が揺れて……下から山が生えてきた。それからは生命力すら感じられ、神話を考えるならこれはアトラースそのものだろう。

 

「情報と違うぞ……しかも、神殿のようなものまで出来ているな」

 

「進む……しかねぇよな」

 

「――嫌な予感凄いね、多分ボス待ってるよ?」

 

「ダンジョン内は常在戦場……ボスが待ってるなら話は早いでござるよ!」

 

 

 一応確認のために、魔力感知を行ったんだが……それは何かに邪魔される。

 初めての経験……存在そのものの格が違うのか、数秒の感知すら許されなかった。でも、一瞬だけ感じたのは、アルゴルとは――メドゥーサとは別種の魔力。

 別の存在だろうから、魔力は同じになることはない……だけど、気配は似通う筈なのだ。なのに、今感じたのはあまりにも高位の存在だった。

 

 だけど、これを口には出せず――杞憂であればいいと思いながら、俺は皆に着いていき……その場に足を踏み入れて。

 

「あぁ――やっと来たか。さ、死合おうぜ?」

 

 その場にいた……魔人とも言える何かと遭遇した。

 

 

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