異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第34話:VS正体不明の魔人

 ……喋った?

 その瞬間、俺は何が起こったかを認識できなかった。

 相手は黒い肌をした異形の存在、どこまでも異質にデザインされた鎌のような剣を持ったそいつは、どこからどう見てもメドゥーサ等ではなく……性別も男のだろう何かだった。

 

「お前等にはアトラースじゃ試練たり得ないからな、俺が出向かせて貰った――まっ、なんだ気楽にやろうぜ?」

 

 親しげに……だけど、圧倒的な殺意が込められて……そいつは動いた。

 一瞬でこっちに迫り、この中でも耐久が低い綾音の首に向けて鎌を振るう――それに気づけたのは俺とカグラさんのみであり、なんとか防ぎに入ったが……。

 

「――ッ霊真!?」

 

 式のエンチャでバリアが張られてた筈なのに、それすら貫通して俺を傷つけた。

 庇えたのは良いが、あまりに鋭利なそれは俺の肌を切り裂く――すぐに治そうと、ブランで回復弾を撃ち込むも。

 

「……回復しない?」

 

「……あーそうだな、これ特別製で生半可な回復魔法じゃ治らねーぞ?」

 

 虚言……ではない、俺が今実感したし何よりそれだけの格を武器が持っている。あれは、俺のレーヴァテインと同じぐらいの反則武器だ。

 

「しっかし、メインが早々に傷つくのは予想外だぞ? ……まあ予想通りの性格で安心したが」

 

「――【氷刀風雪――桜】!」

 

 呑気に語る魔人に……綾音が怒りを露わにしながらも、魔法を放つ。

 桜を象ったような氷の刃が相手に迫り、倒そうとしてくれるが……その魔人は空を飛んでそれ回避した。

 

「おっいいな、その魔法……避けにくいし、殺意と魔力が上質だ! 補助魔法のおかげか威力も申し分ないだろうな――そして!」

 

 愉しむように笑うそいつにカイザーが迫る……龍に乗り、全身を龍化しながらの突撃は――空を飛ぶそいつに片手で止められ、地面に叩きつけることで防がれた。

 

「くはっ素直な攻撃は好きだぜ? そこの別嬪さんもな」

 

「――ッこれが防がれるでござるか!」

 

 跳躍からの……正面斬り、それはそいつの持つ鎌で受け流されて、流れるようにカグラさんは腹を殴られて吹き飛ばされた。

 

「じゃあ次はこれだ――誰が防げる?」

 

 すっと……何か兜のようなものを取り出したそいつが、それを被った瞬間――音が消えた。存在が気配が……さっきまであった魔力が、殺気が、全てなかったように消えたのだ。この現象を、俺は知っていた――何よりそれを俺は使ったことが。

 

「……よしその首を貰おうか」

 

 耳元で化け物の声が聞こえてた。

 ……その瞬間に俺は身を屈めて、避けることが出来たのだが……多分、いや絶対今の声がなければ死んでいた。

 

「声かけたとはいえ、その傷で避けれるのすげーな! ……流石はミソロジアの英雄様か?」

 

 ……小声で耳打ちされるようにそう伝えられた瞬間、俺の血が一気に冷める。

 こいつは……知っている? 俺がいた異世界のことを? ――動揺するな考えろ、何者だ? いや、その前にこいつに話させちゃ不味い。

 

 避けたままの体勢で、俺は魔力弾を全力で撃ち込む。

 だけど……それはどこからから取り出された鏡のような盾で防がれた。

 

「あっぶな! それ、俺じゃなきゃ死んでるぞ?」

 

 待て今の事を観察した限り……防ぐという言葉は間違っている。

 ……完全に魔力を打ち消された。それを考えると、こいつに魔法は悪手過ぎる。だから物理で攻めるしかないのに、カグラさんの攻撃すら防ぐ技量とか頭がおかしい。

 

「【刀刃修羅宿し】――拙者を忘れて貰ってはござるよ!」

 

「忘れてねぇぞ、別嬪さん――技量だけならこの中で最上位だしな」

 

 打ち合い、防がれ――数秒の間で数十回の打ち合いが行われる。

 合わせるように戻ったカイザーが格闘術で殴りかかるが、二人が掛かりでも防がれた。傷を抑えながらも、サポートする為にデバフを撃ち込むもそれを警戒されていたのか、俺の攻撃だけ徹底的に防がれる。

 

 今回のパーティーは、物理二人の魔法三人のもの。

 ……この状況で戦えてるのは式のエンチャントとカグラさんとカイザーの技量があってこそ、綾音も魔法で善戦してるがそれは全部避けられてるし俺のデバフなど防がれる。だから彼女らにサポートの弾を撃ち込んでいるものの……多分、少しでも加減を間違えれば一気に終わる。

 

「良いぞ良いぞ! 期待してたのはそいつだけだったが――案外この世界の奴らもやるじゃねぇか!」

 

「――それは嬉しいが、そろそろ当たってくれないか!? 我ですらヘコむぞ!?」

 

「迂闊に当たるわけにはいかねぇだろ? それじゃあつまらない」

 

「意思持ってるなら戦いたくないでござるのだが……」

 

「あーそれは無理だな。というかお前等が負けた場合、グライアイとアトラースつれてダンジョンの外に出るつもりだし」

 

 さらっと告げられた内容。

 ……今まで戦った性格からその言葉には嘘はなく、本当だということが理解できる。それだけは不味い、このメンツでここまで苦戦する相手だ――一般人達に行く被害なんて想像出来ない。

 

「――はっ焦ったな今」

 

 その言葉を聞いた瞬間に、カイザー達前衛に一瞬だけ隙が出来――感じたことのある魔法の気配を感じた。それはアルゴルの……いや、別の世界の彼女の気配。

 

「【ゴルゴン・パンデモニウム】」

 

 空から蛇の頭が現れて――その瞬間に全てが石へと変わった。

 

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