異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第44話:魔法使いのお姉さんだよ

……現れたのは、というか現れてしまった魔法使い。

 そいつは魔法を完全に止めたどころか、損傷しまくった訓練場を瞬く間に直して――一瞬で目の前にワープしたかと思えば、

 

「久しぶりの弟子ーだ! ぐへへへ、生レイマだよ、生レイマ――体温も魂も精気も同じだー! ねぇレイマ? 私ちゃんと止めたよ? だからご褒美頂戴?」

 

 俺等がいた結界をぶち抜いて、俺を壁際まで吹き飛ばしながらも抱きついてきた。

 匂いを嗅がれまさぐられ、それどころかさらっと首に噛みついて吸血までしてくる馬鹿。流石にソル達がブチ切れて石化の視線と太陽の炎が放たれたが――。

 

「むぅ、久しぶりの弟子との逢瀬を邪魔する奴は()()()()()()()()()()()()()

 

 だがその攻撃はなんか急に現れた馬が盾になり防がれる。

 ……どういうことかというと、彼女によって創られただろう灰色の馬が石化の視線を受けたことで石になりソルの炎を止めやがったのだ。

 

「リコリスも、こっそりレイマを離させようとするの止めてね?」

 

「…………相変わらずの化け物」

 

「化け物だなんてそんな、私はただのサキュバスでエルフなだけの魔法使いのお姉さんだぜ?」

 

「種族の煮こごりみたいなショタコンが急に何の用だよ……」

 

「おやおや、ショタコンといえば君もだろうアルゴル? 年齢的には私と近いし」

 

 挑発しつつ、アルゴルの地雷を踏む彼女。

 久しぶりの外のせいか完全にハメが外れてる。

 

「マジで殺してやろうか? 淫乱魔法使い」

 

 一触即発……そんな言葉すら生ぬるいレベルの殺気の渦。

 さっきまであった戦闘は、この阿呆師匠のせいで混沌に落ち……なんかもう色々だいなしになった。というか、この人のせいで二人の時間が止まってるし解除してあげてほしい。

 

「………………霊真この色々凄い人はなに?」

 

「おや私かい、レイマの幼馴染とか言う羨ましすぎる属性を持ってる貧乳娘」

 

「貧乳じゃないもん、ラウラと霊真の召喚獣がデカいだけ。それに貴方も変わらない程の大きさしか無い」

 

「この子、手強いな? ……そうだ自己紹介が遅れたね、私はオティヌス・アンブロシウス・メルリヌス……気軽にメルリお姉さんと呼びたまえ。そうだそうだ。お菓子でもいるかい?」

 

 空中に明らかに甘そうなお菓子を沢山作り出しながらも、彼女はケラケラ笑っていた。異世界ぶりに会う仲間であり召喚獣ともなった彼女、俺の魔法の師匠でもあるその人は、相変わらずのテンションでここに現れた。

 

「むふーやっぱり生に限るね」

 

「誰か……助けてくれ」

 

 そしてそんな彼女が現れてから十分後、俺は彼女の膝に乗せられながらもぬいぐるみのように抱きしめられて身動きが取れずにいた。

 

「すまん親友、俺等には無理だ。だから耐えてくれ」

 

「我が友、なんだこの人……人か?」

 

「ただの馬鹿エロフだよこの阿呆は、あの目に毒だからあんまり見ない方がいいぞ」

 

「毒とは失礼な、こんなぱーふぇくと美少女を前にしてその発言はどうかと思うよ」

 

「ぱーふぇくと~(笑)」

 

 自分を完璧と称しながらも、胸を張る彼女をソルは鼻で笑った。

 それだけで皆はこの人が他の召喚獣達と仲が悪いのを察しただろう。

 

「ふっ喧嘩かなソル、いいよ? 別に僕はあらゆる面で君に勝ってるからね、ハンデ

ぐらいあげるよ」

 

 いちいち他人を挑発するメルリ。

 ……本当に相変わらずの彼女だが、どうやって俺の魂から出たのだろうか? 一応俺の許可かよっぽどのことがない限り出てこれないはずなのだが……。

 

「そんなの私だからに決まっているだろう? 私一人程度なら出られる魔法は開発済みさ! だから君の魔力は使ってないよ?」

 

「心を読むの止めてくれメルリ」

 

「顔で分かるさ……それよりお姉さん、だろう?」

 

「それは嫌だ」

 

「じゃあ離さないよ? ちゃんは被るから良いけど、それ以上は妥協はしないぜ?」

 

「――――――分かった呼ぶから、魔力弄るのは止めてくれ」

 

 この馬鹿はさっきから俺に触れて魔力を調整しているのだ。

 増やすという荒技は出来ないようだが、それ以上はこっちの霊真の体に障る。出来るだけ魂を馴染ませないのが好ましいし、止めてほしかった。

 

「それはなんでだい? 見たところ今の魔力量は全盛期の三割ほど、早急に治さないと何か来たとき守れないぜ?」

 

「これ以上、この体を傷つけたくねぇんだよ。いつか返すつもりだし」

 

「ふぅむ……確かに君ならそう言うよね。分かった……でも、レーヴァテイン使った際に傷ついた回路だけは治させてくれ――あれ、相当無理したよね?」

 

「はぁ、だから師匠を呼びたくなかったんだよ。隠しても全部バレるし。相当前だし大丈夫かと思ったけどやっぱり傷ついてるか?」

 

「勿論、全部とは行かないものの二割も籠めたんだ。そりゃあ相応の対価が必要になるし、それに立て続けにあの英雄戦だ。君の本来の魔力だったらもうちょっと苦戦はしなかっただろう? だから治すぐらいはさせてね? 私でも心配するんだぜ?」

 

 苦戦はしなかったという言い方から、やはりペルセウスは本当に敵として別格で……それこそ魔王種とされていた四天王達と同じくらいは強かったんだろう。

 今更だが勝てたのは奇跡だと思うし、少しでも気を抜いてたら絶対に負けていた。

 

「はい、よろしい。まぁ傷ついた回路は治したしこれでまた無茶できると思うぜ?」

 

「止めようとはしないんだなメルリ姉さん」

 

「君だし、止めても無駄さ。じゃあ私は戻るね……会えてうれしかったよレイマ」

 

 ……そうしてこの場にインパクトのみを与えた彼女が消えて、場には残った皆が残された。さらに話すべきことが増えたけど、結構疲れたので今日は解散ということになる……前に、どうしても気になることが一つ。

 

「なぁラウラ、お前なんであんな格好で転移してきたんだ?」

 

「……それを、聞くのか。あぁ一応弁解だがな、私はあんな頭のおかしい格好で来るつもりは無かったのだ。ただ椿ちゃんの家に向かう転移石を「安価は絶対!」という言葉と共にあるカスから受け取り、それを使ったら……服が」

 

「……なんか、どんまい。ルナは……気がすんだか?」

 

「全然、不完全燃焼――ラウラいるときは暫く呼ばないでね、勝手に死んだ奴とはあんまり話したくないし――でも変わらないのは分かった」

 

 メリルの登場でカオスに包まれてしまったので、俺達はそのまま山を下りて解散し、そのまま各々で家に帰った。

 

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