異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第45話:武器メンテは大事

椿さん家での色々濃かったお疲れ様パーティーを終え、俺は今日朝から霊真の武器のメンテナンスをしていた……というか、前回感覚で使った二つの武器を理解するためなのと、結構無茶な使い方をしてしまったんで壊れてないかの確認と言った方がいいかもしれない。

 

「…………駄目だ、まったく仕組みがわからねぇ」

 

 で、弄ろうとしたのはいいものの……どうしても構造や細かい仕組みが理解できず早速つまってしまったのだ。一応、メルリの弟子で魔道具に少しは詳しいもののこれに関して全くの理解が出来ない。

 

「えっと……中に複数の魔石が埋め込まれてて、それに魔法が保存されてる感じ? なのは分かるんだが――なんでそれでちゃんと発動するんだ?」

 

 最低限分かる仕組みとしては、魔石を切り替えて魔法を発動させているというものになるんだが、普通に考えてそれを実現しようとしたら魔法同士が干渉して暴発するのが目に見えている。

 

「…………【サモン】オティヌス・アンブロシウス・メルリヌス」

 

 壊すのだけは嫌なので……苦肉の策として三十分悩んだ挙げ句に召喚するのは昨日久しぶりに会った魔法使い。

 エルフでサキュバスとかいうトンデモ種族の彼女は、出て早々に抱きしめて来ようとしてきたが、流石に予想できていたので俺はそれを回避した。

 

「ッ――痛っ、ねぇレイマ! 避けるとは何事だい!?」

 

「お前の突撃とかモロに喰らったらまた怪我するわ……で、用は分かるだろ?」

 

「魔道具の点検だろう? それに関してなら任せてよ、一応私は自他共に認めるミソロジアの大天才魔法使いだからね!」

 

「助かる……それで、ぶっちゃけて聞くけどこれ壊れてないよな?」

 

「どれどれ~……あー君の魔力直接出力されたから中の魔石が少し傷付いてるね――籠められている魔法も劣化しちゃってる感じさ」

 

 見ただけで中身を理解したのか、ノワールとブランを手に取って彼女はそう言った。そして一度それをメリルは解体して、魔法が籠められている魔石を取り出した。

 

「えっと籠められてるのは、白い方には筋力強化と速力強化、そしてシールドに……バフ解除とぉデバフ解除、そして最後に炎属性のインフェルヌスだね」

 

「結構考えられてるよな……まじでこれを使いこなしてた霊真凄いわ」

 

「そうだね、そこのノートはさらっと見たけど、並々ならぬ努力を感じたよ」

 

 この世界の霊真の努力は、あのメルリにすら認められるレベルだったのだろう。彼女にしては珍しく、他者を慈しみ……何より穏やかな表情をしていたから。

 

「黒い方は正反対だね、デバフ特化で何より雷の魔法が籠められている感じさ。この世界の霊真も凄いね、流石は君だ」

 

「俺とは違うだろ、魔力無しでここまでやってるんだからさ」

 

「それは君も同じだろう? 元は赤ん坊くらいの魔力しか無かったのに、ずっと努力で増やし続けて、あのメンツを揃えたんだからさ。普通常人なら発狂してるぜ?」

 

「俺一人の力じゃねぇって……何度も死にかけたし、魔力不足で倒れまくったし」

 

 俺が魔力を増やせた理由は単純なんだが、召喚獣を呼びだし続けて何より彼女たちを支援し続けることで魔法を使い続けたからだ。

 それは俺一人ではどうにも出来ない領域だし、自分が頑張ったからとは言えない。

 

「それは悪い癖だよ、もうちょっと自分を認めること」

 

「…………さーせん師匠」

 

「うん……はいメンテは終わり、魔石も修復したし同じ魔法を籠めといたよ?」

 

「助かるわ――まあ、あんまり使うこと無いだろうけどな」

 

 俺の戦闘スタイルじゃこの武器を完全に使いこなすことは出来ないだろうし、宝の持ち腐れと変わらない。だから俺は、お守り代わりにそれを魂の世界に送って大切に保管することにした。

 

「――というかこれ誰が作ったんだろうね? 構造と仕組みを見るに私には及ばないくらいの天才だよこれ作った子」

 

「あーそういえば知らないな、綾音辺りなら知ってそうだけど……ちょっと気になるし、一応聞いてみるか」

 

「いいね! 私も気になるよ!」

 

 そういうことなので、綾音にメッセージを送ってみたんだが……返ってきたのは、「本当に気になるの?」というものだった。それに対してあぁとだけ送ったのだが、すぐその直後に電話が掛かってきた。

 

『本当に? ……何かされたとかじゃなくて?』

 

 開口早々言われたのはそんなこと、含みというか恐れを感じたその言い方に、綾音にしては珍しいとか思いながらも、ただ気になっただけだと伝えた。

 

『……タイミング良いのか悪いのか分からないけど、一応会わせる事は出来るよ? でも――』

 

「でも……なんだ?」

 

『えっと、今から言うことをよく聞いてね。今の霊真は健康・精神状態共に問題ない?』

 

「え、あ……問題ないぞ」

 

『じゃあ次、あの子に会う際に健康上に異常が感じられたらすぐに会話をストップさせて帰ること』

 

「……なんだそいつ、もう会うって言葉撤回したくなってきたんだが……」

 

『じゃあ後は一気に行くよ? その子の言葉について難しく考えないこと、四つ目、精神衛生上のためにもこれはそういうもんだと考えて、ありのままを受け止めて自分の心を守ること』

 

「俺は一体、何に会わされるんだ?」

 

『それは――あ、ちょっと取らないで』

 

 そこで何かが起こったのか、綾音の方からそんな言葉が聞こえてきて……別人の声が入ってきた。

 

『あぁ君が別の霊真君か! 会いたいと思っていたが、そっちからアポを取ってくれるなんて! さぁいつ来るの? 私としては今すぐにでも構わないけど――そうだ今すぐ来てよ、綾音を迎えに出すからさぁ速く!』

 

 凄くテンションの高い声音……捲し立てるようにそう言われて、俺はなんというか微妙な顔をしてしまう。これ、大丈夫な人なのだろうかと……さっきの怪談の前口上みたいなのを聞いたせいで一切安心できなかった。 

 

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