異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第46話:色々台無しな出会い

 二十分後に綾音に迎えに来て貰って、それから電車に揺られること二十分。辿り着いたのは都市部から少し離れた郊外……学校や住宅街の奥にその建物は存在した。

 

「……でっけぇ」

 

 第一印象としては、映画とかで見るような巨大な研究所。 

 歯車が回り、かなりの魔力を放っているそれは完全に他の建物から孤立しており、まじでラボって感じの印象を抱かせてくる。

 

「ここにいるんだよな……綾音?」

 

「連れてきて良かったのかなぁ……でも一応実験はしない言ってたし」

 

「その不穏すぎる言葉止めないか? ずっと心配してるぞお前」

 

「だって今の霊真ってあの子的に言うと未知の存在だし……その時点で凄く怖くて」

 

 とりあえず無造作に開けられたその研究所には電話で確認取ったが勝手に入っていいという事なので、俺達はそこに足を踏み入れ――て、しまった。

 ――数多くのものが無造作に置かれた広すぎる研究所、書類が乱雑に放置されていて大事にしてないのか適当に魔道具が並んでいる。

 

「すげぇな、どうしたらここまで作れるんだ?」

 

「まあ、あの子だし……それよりどこにいるんだろう?」

 

 そして……綾音がそう言った瞬間だった。

 何かの気配を感じてそちらを向けば、そこには……俺の召喚獣と同じと思えるほどの人から離れた容姿の美少女がいた。

 

 異世界でも通じるような神秘性を放ち、どこまでも無機質な瞳を此方へと向け――俺を認識した瞬間に、圧倒的な歓喜を帯び、縮地でも使ったのかと思える速度で俺等の方へ迫った。

 

 青いメッシュが入った桃色の髪に瞳に虹を浮かべた彼女は、にっこりと笑みを浮かべる。それを見て言葉を失い……全裸に白衣という頭おかしい格好にツッコむことすら忘れた俺に対して……彼女は言った。

 

「――クエスチョン。このやべーい程の魔力大馬鹿がアナザーワールドズレイマ? ミーのファンタスティックなラボにようこそ!」

 

 ……一つ言わせてくれ、なんか色々台無しぃ。

 

――――――

――――

――

 

「ねぇ江奈さん……なんで服着てないの?」

 

「てんしょん上がりすぎて、落ち着くためにお風呂入った……ので全裸」

 

「脈絡飛ばしすぎじゃ無い? ……大丈夫、霊真すっごい困惑してるよ」

 

「そこは同じ反応、やっぱり異世界産でも変わらないようだね!」

 

 なんか情緒の乱高下が激しいこの人は……氷室江奈(ひむろえな)という一応日本人の二十歳の女性らしい。人間離れ過ぎる容姿をしているが、さっき聞いた限り生まれつき魔力の影響でということのようだ。

 

「でも凄いねー……この霊真の魔力だけで、一年は国の魔力まかなえちゃう」

 

「あんた……江奈だっけ? 魔力見えるのか?」

 

「そうだねーうん、私魔眼持ちだから、人の魔力量が見えるんだ――あ、それともう一つ質問、電話の口調と今の口調どっちがいい?」

 

「落ち着いてる方で頼む」

 

「じゃあ今の方だね……テンション上がったらあっちになるからがんば」

 

 ぐっと親指を立てて……そういう彼女、今のところ常識……はなさそうな人だけど、まだ話が出来る部類なのであの怪談の口上のようなものを理解できなかった。

 でもまぁ、とにかく好奇心が凄いのか隅々まで俺を観察しているようで……なんというかむず痒い。まるで魂を丸裸にされるような感覚に襲われ、居心地が悪かった。

 

「へーサモナーって聞いてたけど、本当に一つの世界といえるくらいに魂の世界が広いんだね……どうしたらそこまで拡張できるんだい?」

 

「……魔力使い続けただけだよ」

 

「ふへへへへそういうことにしてあげるよ……ねぇねぇ、君のことちょっと調べていいかい! 一応詳しいこと知りたいし、ユーにも利益を上げるよ?」

 

「詳しく」

 

「ふふ、詳しいことは聞いてないから分からないけど、推測するに君の魂自体は霊真と同じ。ただ馬鹿みたいに広い魂の世界と阿呆みたいに多い魔力量しか違いが無い。初見だからそこまで詳しく見えないが……君も私が興味を持った霊真そのものだ」

 

 勿体ぶってそう言う彼女は……どこかから黒板を取り出して、バンっとそれを叩く。

 

「魔力の覚醒現象はあるが、それでここまで増えることが無いしカグラからさらっと君が異世界の霊真だという事は聞いたんだ! で、性格がある程度同じというなら君は体を返そうとする筈なんだよね」

 

「結構関わり深かったのか?」

 

「私の魔道具の実験兼研究対象としての間柄さ――面白いほどの善人だったしね彼」

 

「……なる程、で……メリットは?」

 

「魂分離の手助けをしてあげるよ! それが私が出来る最大の実験報酬だと思うからね!」

 

「それは助かるな……俺は何すれば良い?」

 

「あぁ、本当に君は霊真なんだね。普通に考えてそれを二つ返事で答えるのはどうかと思う」

 

 ……そういう彼女は、少し悲しそうだった。

 それだけこっちの霊真は思われていたと知り、改めて俺の決意が決まったが……この時の俺は彼女の性格を一切理解しておらず、それどころか綾音の言葉を信じ切れてなかったのだ。

 

 え、何が言いたいかって? この人、やばい。

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