異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第51話:Sランク冒険者の仕事

 最近学校行けないなと……そんな事を思いながらも俺は今、夜行バスに揺られながら山岳地帯にやってきていた。

 

 理由としては、ダンジョンの視察。

 俺はダンジョンに正式に潜るためにもSランク冒険者になったのは良いが……その対価として政府の仕事を少ししなきゃいけなくなった。

 

 そして今回は、山の中に突如として現れた新ダンジョンの調査として来ていて……観光していいとのことなので、朝十時頃に着いた俺は情報を集めつつリコリスと一緒にご飯を食べる。

 

「この団子っての美味しい」

 

「そうだな、みたらしも当たりだし……何より餡子が本当に旨い」

 

「なんでこしあんとか粒あんとで別れてるの?」

 

「すまん、俺それは知らないわ」

 

 聞き込みをしながら甘味処に寄って、俺はそのままこの店の店主の方に話を聞くことにした。

 

「えっとダンジョンかい? 確かにそれなら、現れたのだけど……本当に君冒険者なんだね?」

 

「えっと、はい……最近認定されたばかりですが、Sランクの霊真です」

 

「Sランク? ヤマト様と同じとは――あの方は忙しいからあまりこれなくてねぇ、来てくれて感謝だよ」

 

「まあ仕事なんで……それより、変わったこととか、どんなダンジョンかとか分かりますか?」

 

「うーん、儂等は潜らないからねぇ……あぁでも、叫び声が結構近所迷惑で」

 

「叫び声?」

 

 情報を集める前に、どんなダンジョンかは見に行ったが……結構深そうな感じだったよな? それなのに、この地上まで届くほどの叫び声って――何がいるのだろう?

 

「人のような、低い唸り声でねぇ……皆心配してて大変なんだ。ボス? とかいう奴だろうから、倒してくれると助かるよ」

 

「了解です……あ、あと確か発見した冒険者もいるんですよね? その方達に会えませんか?」

 

 今回のダンジョンの報告書、そこには発見した冒険者達の証言が載っていた。

 どうせならそこら辺の人の話も聞きたいし……会えれば良いなぐらいの気持ちで、ダメ元で聞いたんだが――店主はすぐにその人達が住んでる場所の地図をくれた。

 

「ありがとうございます! ――話、聞いてみますね」

 

「あぁ、彼等はCランクに上がったばっかりでねぇ……どうかSランクの意見を聞かせてやってあげてくれると助かるよ」

 

「了解です……あ、団子凄い美味しかったです」

 

 ちょっと進んだ山奥、そこに住んでいるという冒険者のパーティーを訪ねる。

 インターホンを押せば、すぐに誰かが出てくれて……何やら慌ただしい音が聞こえたかと思えば、すぐに冒険者だろう男性が出てきた。

 

「え、霊真さん! 本物だ! ――こんな辺境になんの用ですか!?」

 

 その人……というかその子は、見覚えのある冒険者。

 それはあの洞窟型である【黒金のダンジョン】で出会った燐君そのものだった。

 俺を見た途端に目を輝かせたその子は、俺の召喚獣であるリコリスを見て……わぁと感嘆の声を漏らして家へどうぞと案内してくれた。

 

「えっとこの姿で会うのは……初めてだよな?」

 

「そうですね、黒いローブ姿で会ったの忘れてません!」

 

「よく覚えてたな」

 

「忘れるわけ無いです命の恩人ですし、すっごく格好よくて記憶に残ってるので! 特に最後のミノタウロスに向けた「――終わりだ」って言葉、あれ英雄みたいで」

 

 ぐふぅあの時、俺はそんなこと言ってたのかよ……しかもこの子本当に記憶しているのか俺の声音まで真似しだしたし……完全に黒歴史だ。

 いや……確かにノッたのは認めるけど、真似されると流石に恥ずかしい。

 

「あ、すいませんSランクってことは既に英雄ですもんね……みたいじゃなくて」

 

 しかも何が辛いって、凄く純粋に憧れてるっぽいから……下手にツッコみを入れられなくて……ただただ恥ずかしかった。

 

「りーん……朝からうるさいわよ――ってなんで霊真さんここにいるのよ!」

 

「わっ蘭!? えっとなんか訪ねてきてくれて!」

 

「先伝えなさい!? ラフな格好で出ちゃったじゃない! ちょちょっと待っててください霊真さん、すぐ着替えるので!」

 

 そして階段から降りてきたあの時の少女が現れては慌ただしく消え……それから一分後ぐらいに別の少女が入れ替わるようにやってきた。

 

「……あ、ほんとにいる」

 

(りょう)は驚かないんだね」

 

「冒険者たるもの……動じない」

 

「嘘よ、来たって瞬間に化粧爆速で終わらせたんだからその子。一番ファンだしね」

 

「ばらすの止めて?」

 

「いつもの仕返しよ」

 

 とても仲が良いのか……心が通った仲間なのか、凄く微笑ましいやり歳をしながらも俺を囲む三人。居間に通されて話を聞けば、三人は幼馴染らしく中学三年生でCランクとなった逸材のようだ。

 

「あ、そうだ――今日はどんな用事で来たんですか!」

 

「ダンジョンの調査だな、ほらお前達が見つけたって言うダンジョンに危険が無いか見に来たんだよ」

 

「わぁ! 見つけて良かったね皆! 霊真さんに会えたし」

 

「現金ねほんと【防人】が来るかなぁとか【氷姫】かなぁとか言ってたくせに」

 

「だって霊真さんは特に忙しいと思うじゃん! 凄く強いんだよ! それに召喚獣だろう人達との連携が凄くて、何より英雄に勝っちゃうんだし!」

 

 こうも手放しに褒められると恥ずかしいから……そろそろ話題を変えたいが、ここまで純粋に褒められることが少ないからちょっと躊躇ってしまう。

 だけど、危険性がないか確認するためにも流石に切り上げた方が良いと判断し話題を変えることにした。

 

「えっと、悪いが……どんなダンジョンだったか教えてくれないか?」

 

「あ、はい――えっとですね!」

 

 そこで聞いた情報はかなり有意義なもので、主にゴブリンやアルミラージなどの魔物が出るということを知れた。それを考えると、難易度が低そうにも感じたが……地上まで響く声が気になったので、慎重に確認することを決め――その日は時間も時間なので燐君の家に泊まることになった。

 

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