異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第73話:過去が牙を向き命を削る

 大地から溢れたのは、ヴォルニュクスの眷属である岩漿(マグマ)の化身。

 彼女を相手する上で厄介な要素の一つであるその化け物は、生まれた瞬間に役目を果たそうと人々に襲いかかった。

 

「ッ――【トリアルサモン】バアル・ワイルドハント、ルナ・マナガルム、オティヌス・アンブロシウス・メルリヌス!」

 

 戻していた皆をあいつを相手する上で必要な仲間達を瞬時に召喚する。

 俺が展開した召喚陣からは喚びだした三人……そして何故かそれに加えてベヒ子も一緒に現れた。驚くも意識を割く暇などなく、俺はそのまま全員に指示を飛ばす。

 

「メルリは一般人の避難を、バアルとルナはヴォルニュクスを抑えろ!」

 

「……思った数倍の危機だね、しょうがない。お姉さんに任せてね」

 

「了解、ますた!」

 

「オーダー受諾、この姿で沈めよう!」

 

 こんな町中で獣形態で戦うことなど出来ないので、必然的に人形態での姿の戦闘になる。ルナは素手を使えないということから腕にガントレットを装備して、バアルの奴は二つの槍を構える。

 

「うちのクシナダのライブ邪魔してるんじゃねぇよ!」

 

「お爺ちゃん!?」

 

 刹那のこと、俺達が攻めようとした瞬間に空から大和さんが降ってきた。それに対してクシナダさんが反応し、彼がヴォルニュクスに不意打ちで攻撃し、その腕を刎ねたのだが。

 

「ほう、この世界にも強者はいるのか――だが、私に近接戦は止めた方がいい」

 

「あ? ――って、なんだお前?」

 

 腕を刎ねたのは良い。

 だけど、その代償に大和さんの刀が融解した。

 いつもの刀とは違う物だったが、彼が使う時点で業物ではあるはずなのに、その刀は一瞬にして使えなくなる。

 

「私の体は岩漿(マグマ)そのものだ。それを鉄で斬ればそうなるだろう?」

 

 しかも、それだけではない。

 刎ね飛ばした筈の腕は再生を――いや、より強固になって蘇りその拳で大和さんに殴りかかった。

 

「ッ相性最悪すぎるだろ!」

 

 廃品同然となった刀で拳を防いだものの、それで彼は武器を失ってしまう。

 このままでは不味いと思った俺は、そのままステージに上がり……一本の武器を喚びだして大和さんに渡す。

 

「あぁ――やはり貴様なら来るか。会いたかったぞ、レイマ!」

 

「俺は嫌だったけどな! 大和さん、それ緋緋色金製なので使ってくれ!」

 

「坊……こいつのこと知ってるのか?」

 

「説明は後――倒さなきゃやばい」

 

 伝えるのはそれだけ。

 俺は俺でダインスレイブを呼び出して、そのまま召喚獣と大和さんにバフを使う。

 最重要の熱耐性を付与してから、皆の身体能力を二倍以上上昇させ、その他諸々の能力を強化する。

 

「……そうだな、本来だったら楽しむべきだが……私の興味は貴様だけだ。だからその英傑にはこいつの相手をして貰おう」

 

 ヴォルニュクスはそう言い、眷属を喚び出す。

 それは体長十メートルは超える巨大な怪物、黒い肌にゴツゴツとした体のそれは、異世界でのこいつの切り札だ。

 

 前はこいつを倒した後にヴォルニュクスと戦ったのを覚えているが、同時はどう考えてもキツい、ヴォルニュクス単体でもこの世界で戦うのはキツいのに、この怪物に暴れさせるのはキツすぎる。

 

「大和さ――」

 

「分かってるあっちは俺が行けばいいんだろ? ……そいつの相手は任せた」

 

「ッ任せる!」

 

 大和さんも、自分の戦闘スタイルがヴォルニュクスと相性悪いのは分かっているのだろう。だから俺を信じて任せそのまま眷属である黒い怪物に突貫した。

 

「良い判断だ――さぁ愛し合おう、英雄よ」

 

――――――

――――

――

 

 霊真が現れた相手に向かったのを見ながらも、俺と綾音達は各々が出来る事をするために現れたモンスターと対峙する。

 見たことない種類の外国の戦士のような姿をしたそいつら。

 様々な武器を持っており、一人一人が分かるだけでもAランクを超えている魔力量を持っていた。

 

「ラウラさん、こいつらは?」

 

「ヴォルニュクス……あの女の眷属だ。再生能力は無いが、アレがいる限り無限に増えるだろう」

 

「ほんと、最悪だね。でも倒せはするんでしょう?」

 

「あぁ、あれだけなら倒せはするだろう――やるぞ、二人とも」

 

 

 返事はいらない。

 この場にいる人達を守るためにも、俺等は眷属と相対して戦いを始めた。

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