異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第79話:新宿での待ち合わせ

 家を出て向かうのは新宿にあるとされる大和さんの別荘。

 電車に揺られて三十分、先に着いているあろう綾音達に連絡を取りながらも新宿駅を出れば、ワンピース姿の綾音となんこつと書かれたTシャツ姿の式がいた。

 

「おはよう霊真」

「あぁおはよ綾音(あやね)……式は、やっぱり謎だよなそのTシャツ」

「焼き鳥Tは俺のアイデンティティだからな、気合い入れるときは絶対着るぞ」

「……おまえが良いなら良いか」

 

 何に影響されたかは分からないが……式が楽しそうならいいのだろう。

 とりあえず、あとはラウラが来れば皆が揃うのだが、朝が苦手なあいつが早朝九時にここに来れるか普通に心配だった。

 

「……おはようだレイマ」

「おうラウラ、大丈夫か?」

 

 黒いゴスロリ風のラウラにしては見慣れない衣服に身を包み、相変わらずの肌の白い彼女。異世界では基本騎士姿だったので、彼女の私服を見るのは久しぶりだ。

 前もあの事件のせいで着物だったし。

 

「貴様は知ってるだろう朝は弱いんだ」

「それはそうだな……で、迎え来るんだっけ?」

「そうだな、大和さんが迎えを寄越すとは言っていたが……」

 

 そんな事を互いに思い出しながらも、俺が周りを見渡していると涙目で周りを見渡す紗綾(さや)さんを見つけた。早朝の新宿という人混みの中で方向音痴気質のある彼女は見るからに項垂れており、割と限界そうだった。

 

「紗綾さん……大丈夫です?」

「あはは、どうして情けない姿しか見せられないんだろう」

 

 とりあえず俺が率先して彼女の元に向かって声をかければ、明らかな自虐なのか、余計に項垂れる紗綾さん。

 

「えっと、何故紗綾さんが迎えに来たんですか?」

「せっかくだから迎えに行きたかったんだ。今回のお疲れ様会提案したの私だし」

「方向音痴ですよね?」

「むぅ、駅に行くぐらいだったら大丈夫だと思ったの……でも人混み多すぎて流されちゃってぇ」

「……お疲れ様です」

 

 俺とは別種の方向音痴に、謎の感動? を覚えながらも俺が皆の元に彼女を連れて行けば、何故かそこには今までいなかったメイド服の女性がいた。

 

 黒い髪をした西洋のメイド服に身を包んだ彼女、かなりの強者なのか立ち振る舞いが完璧で出来るメイドオーラを漂わせている。

 異世界でも結構目にしていたメイドだが、その中でもかなりの強者な気がする。

 

「……どうして黒羽(くろは)がここにいるの?」

「お嬢様のことですし迷いそうだったので後を着けてました。目当ての方と喋れたそうなので皆様と合流しただけです」

「え、なんで声かけてくれなかったのかな?」

「普段完璧なお嬢様の弱った姿が面白かったので」

「……鬼畜メイド」

「方向音痴お嬢様」

「ッ辛党味音痴!」

「甘党馬鹿のメルヘンアイドル」

 

 罵り合いに発展したのだが、明らかに罵倒になれてない紗綾さんが不利そうだった。こっちに助けを求めるように視線を送ってきたが、何を言えば分からなかったのでとりあえず白旗を上げる。

 

「ふっ雑魚め」

「本当にメイドなのかこの人」

「不本意だけど幼馴染のメイドだよ……口が強いの」

「それはなんとなく……」

 

 横目で見ればメイドであるという黒羽さんは、皆と既に打ち解けているようだ。

 懐かしいなメイドとか思いながらも、彼女の方を見ていれば……こっちの視線に気づいたのか声をかけてくる。

 

「おや狩谷様どうなされましたか?」

「いや……なんでも」

「そうですか、熱い視線を感じたので何かあったのかと」

「霊真ってメイド好きなの?」

「語弊があるぞ綾音……いや違うから、ラウラのその視線止めてくれ」

 

 いわれの無い濡れ衣を着せられそうになったのでそう返事して、この渋谷の駅前の面白服装集団がいつまでもたむろっている絵面は目立つという事で、俺達は黒羽さんが運転する車で江戸城外堀の近くの住宅街にやってきた。

 

 普段は絶対に立ち入らないような高台に位置する住宅街。坂が多いなぁと、どこかずれた思考をしながらも辿り着いたのは和式の豪邸。

 時代劇に出てきそうなそれに、前のカグラさんこと椿さんの実家を思い出して……本当に入っていいのか不安になる。

 

「とりあえず入ろう皆? お爺ちゃん待ってるから」

 

 そう言って普通に入っていく彼女を目にして次のような感想を口にしてしまう。

 

「今更だけど紗綾さんってかなりのお金持ちのお嬢様?」

「そりゃあ……日本最初の英雄である大和さんの孫だぞ」

「私としては椿の家と同じ雰囲気で入りやすいがな、私の両親も似たような建物はいくつか持っている」

「ラウラもかよ」

「知らなかったんだ。ラウラはルーマニアの貴族家系でかなりのお嬢様だよ?」

 

 なんか俺の周りおかしくね?

 ……とか思いながらも、俺は考えるのを止めてそのまま大和さんの別荘に足を踏み入れた。

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