異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第81話:魂の世界

 祝賀会を終えて帰ってきた夜の事、今日手に入れた情報を整理しつつノートにまとめて時間を潰していたときだった。

 

「ますた大変だから早く来て!」

 

 急に近くに魔法陣が展開され……ルナが姿を現したのだ。

 最近はメルリの魔法で勝手に出てくる奴らが多かったから驚かなかったが、彼女にしては珍しい慌てた姿に急いで何があったかを聞くことにした。

 

「ルナが取り乱すのは珍しいけど何があったんだ?」

 

 大方誰かが喧嘩を始めたとかだろうが、それは日常的な出来事だろうから彼女がそこまで慌てる理由が分からないし。

 

「えっとね……バハ姉とメルリが喧嘩始めちゃって誰も止められなくて」

「オッケーマジでやばいことが分かったからすぐ潜るわ」

 

 流石にやばい二人の喧嘩に楽観的な思考は全て消え、俺は瞬時にそう言って今までやっていたことを放り投げてベッドに横になり魂の世界に潜った。

 久しぶりに潜るその世界はもう一つの異世界と言っていいほどに広い場所。

 召喚獣達が住みやすいように改造した結果、彼等が元いた景観が幾つも広がりなんか普通に山と海があるそんな世界なのだ。

 

「えっと喧嘩ならこないだ作られた闘技場だろ?」

「う、うん。乗ってますた」

 

 最近作られたルールらしいが、喧嘩するなら闘技場で行われるらしい。

 それを覚えてたことでこの馬鹿でかい世界で迷う必要が無く、すぐにルナに乗って向かう事が出来たのだが向かった先には……。

 

「絶対譲らないね! 君こそいい加減姉を名乗るの止めたらどうだい! ぽっとでの姉擬き!」

「私はレイマ君お姉ちゃんだもん! そっちこそロクデナシのくせに!」

 

 何で喧嘩をしているか分からないが、とりあえず口喧嘩をしている契約してる中でも上位の二人。このまま終わればいいが、それだけは絶対無いので戦う前に止めなきゃいけない。

 

「バアル何があったんだ?」

「来てくれましたか主よ!」

「あぁ、まぁうん……それで、なんで喧嘩してるんだ?」

 

 とりあえず近くで他の召喚獣を守っているバアルに何があったかを聞けば、ガバッとこっちに視線を向けてきた。

 やっと来た俺を見て今にも泣きそうなバアル。そしてその近くには、既に瀕死だが満足そうな顔で倒れるゴスロリ姿に二本の金の角が生えた男の娘がいる。

 

「えっと、()()は?」

「分からない、我が来たときには既にこうだった」

「……多分発端だから吊るしとけ、それかケルベロスにぶん回して貰え」

 

 見た限りこれ以外の被害は無さそうだし、とりあえず俺は水の魔法をぶっかけて彼の意識を戻す。

 

「うっここは?」

「起きたかバイコーン――で、何した?」

「あ、マスター! 聞いてよ酷いんだよ二人とも! ただ純潔煽りしただけなのに僕のことぼこぼこにしたんだ!」

 

 不純を司るとされるバイコーンである彼的には確かにそれは許せないことかもしれないが、だからといって煽るのは違うだろう。

 そもそもよりによって何でこの二人煽ったんだよ馬鹿なのかこいつ。

 

「どうせお前が悪いからケルベロスにぶん回して貰え」

「……え? でも僕は煽っただけだよ?」

「はぁ、お前の事だから内容覚えてるだろ?」

「ちょっと待ってね思い出すから。えっとね、やらしい雰囲気にしたかったからメルリの方には「やーいサキュバスのくせに一人の男すら堕とせない肩書きだけの雑魚エロフ~」って感じで煽ったかな」 

「もういい、とりあえずお前が悪いわ」

「えぇ? でもマスターを襲わない二人が悪いと思うんだ。いつまでも均衡を保ってるのは不純大好きな僕からすると違和感凄いし、もうずっこ――」

 

 最後まで何かを言おうとしたバイコーン。

 だがその言葉はどこからか飛来した斧によって遮られ、バイコーンが潰れたことで事なきを得た。

 

 これ以上話されたら、まじで危なかったし……斧の形状を見る限りこれはアステリオスがやってくれたんだろうと察した。

 

「もういい――こうなったら実力行使だ」

「上等だよ!」

 

 俺がバイコーンと話している間にも事は進んでいたようで、二人が各々の武器を構えてしまった。

 

「勝った方がレイマ君を甘やかす!」

「私が勝ったら一日独り占め!」

 

 あれ、本当になんで喧嘩してるんだ?

 ……そう思ったのも束の間、幾百もの魔法陣が展開されて最強の魔法使いと最強の幻獣の戦争が始まった。

 

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