異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第84話:氷姫と過ごす日

 急にデート? に誘われて、俺と綾音は家を出ることになった。

 だけど突然言われたことだし、どこに行くのは決まっていないし……普通に改めて言葉にされるとただ出かけるだけなのに恥ずかしい。

 

「で、どこ行くんだ?」

「決まってないよ、ただぶらぶら歩こうかなーって」

「……綾音らしいな」

「ふふ、私だもん」

 

 ただ歩き……街を進む。

 昔からあったチェーン店の横を通り、進んでいればコンビニに寄りたいと言われたのでコンビニに寄って、何でか聞けばアイスが食べたいとのこと。

 

「ふふ、問題です。私は何味のアイスを選んだでしょう?」

「ソーダ」

「え、即答? ……ほんとにそれでいいの?」

 

 昔からこいつはソーダ味のアイスばっかり食べてたしと……即答すれば、そんな風に言われる。いくら世界が違うとは言えど、それは変わってない自信があったので、そう言いこう付け加えた。

 

「間違えたら奢ってやるよ」

「…………正解、むぅ奢って貰おうと思ったのに……」

「お前の考えてる事くらい分かるわ」

「つまんない、せめて悩んでよ」

「んな理不尽な」

 

 そのまま自分の分のアイスを買って、コンビニを出て食べ歩きしながらもまた街を進む。見慣れた筈の街、だけどたまに知らない景色が見えたりする。

 それは、この世界特有の魔道具を売ってる場所だったり……ダンジョンだったりと俺の知らない物ばっか。それを見るたびに違う世界だと改めて意識して――。

 

「ネガティブ禁止だよ霊真、今は集中して」

「悪いって……というか、どこ連れてく気だ?」

「うーん内緒? 楽しみにしてよ」

 

 ……今進んでいるのは東京にしては森が多い場所。

 俺が住んでいる場所から少し離れた所にある観光地なのだが、寺があったり京都で見るような店が並んだ食べ歩きできるスポットがある。

 

「……ここ変わらないんだな」

「やっぱりあるんだ。なら行く場所バレちゃうかもね」

 

 ふと呟けば、それに綾音が言葉を返す。

 この場所は小学校の通学路だったし、割と思い出深い場所。元の世界で六年間も使った道だ。小学校の近くには神社があり、子供の頃に何度も綾音と式と遊びに行った場所でもある。

 

「じゃじゃーん、神社です」

 

 辿り着いたのは、とても大きい神木がある縁結びとかの御利益があるとされる神社だった。この神社にはそれ以外何もなく、ただ広い敷地に社と鳥居、そして神木がある作り。

 

「ここにきて何するんだ?」

「鬼ごっこをします」

「……二人で?」

「うん、二人で」

「…………」

 

 多分だが俺が浮かべているのは微妙な表情。

 子供の頃は大きく感じたこの場所だが、こうして成長した身からすると割と狭いし、何より二人で鬼ごっこをして楽しいとはあまり。

 

「というわけで霊真が鬼ね」

「……しかも俺鬼かよ」

「うん、負けたら映画奢って」

「地味に重いの止めてくれ」

「え、勝つ気ないの?」

「……いいぞ、やればいいんだろ?」

 

 やる気は無いが……煽られるのは癪だ。

 それに綾音に負けるのも不服だし、それなら捕まえてしまおう。

 

「三十分で最後に鬼だった方が負けね」

「おっけー……俺が勝ったら、飯奢れよ」

「勝ったらいいよ?」

 

 そして始まるのは、いつぶりかも分からない鬼ごっこ。

 最後にやったのはいつだったかと思えるほどに懐かしいその遊びは、以外だったけど少し楽しくて、なんというか本当に懐かしいなと――思った瞬間のこと。

 何かが顔面に飛来して冷たい感触に襲われた。

 

「っぶ!? ちょ、何投げた綾音!?」

「ふふ、ゆきだま~」

「かわいく言っても許さないからな?」

「普通にやったらつまらないもんねー」

「だからって雪玉投げるなよ!」

「あ、霊真が怒ったー逃げろー」

 

 さっきより激しくなる鬼ごっこ、途中本当に柔らかい雪玉が投げられつつも、ムキになった俺が魔力で体を強化したことで一度決着がつく。

 

「ずるい、魔力無しだよ」

「雪玉作るのに使ってるだろお前も」

「ルール関与しないからせーふ」

「屁理屈禁止だ」

「だって雪遊びしたかったんだもん」

「わざわざ神社でやることじゃないだろ……」

 

 呆れて俺がそういえば、彼女は確かにって笑って……汚れも気にせずその場に座り込んだ。

 

「うーんっと、楽しかったー」

「何がそんなに良いんだよ」

「うーんでも、霊真笑ってるし……あれ? もしかして、楽しくなかった?」

「まぁ――ちょっと楽しかったけどさ」

「ならよし、だよ……朝の顔より全然良いや。ねぇ覚えてる? ……子供の頃に私が駄々こねて雪の日毎日外出たの」

「……それ、こっちの霊真の話だろ」

「ううん、私が言ってるのは――っと誰?」

 

 最後まで綾音が何かを言おうとしたときだった。

 ……俺も今気づいたが、誰かがこっちを見てるのだ。言い表せないような少し不審な視線、どこからか分からないけど俺達二人をしっかり見てる。

 値踏みする――いや、なめ回すようなちょっと気持ち悪い視線に俺も警戒した。

 

「――出てこないと凍らせるよ?」

「うーんそれも魅力的だけど、私としてはもうちょっと自然にお話ししたいかな?」

 

 聞こえた声はそんなもの。 

 真後ろから聞こえたそれにすぐに武器を召喚し、攻撃しようとしたときだった。察知できた気配が綾音に迫り――。

 

「ぐへへへへへ、久しぶりの生綾音ちゃんだー!」

「きゃっ」

 

 気がついた時には見たことのない変態が……綾音に抱きついていたのだ。

 赤い髪をした見た目は美人の年上の女性。なんかやばいことを口走ったそれは、綾音の体を弄って、明らかにやばい顔をしている。

 

「110番?」

「まって霊真君、通報する前に聞いて」

 

 なんで俺の名前を知ってるか分からないが、妙に落ち着き真剣な声音に一瞬だけ聞いてもいいかと思わされた。

 

「霊真君も弄りたいの――だから通報は、待って?」

 

 綺麗にウィンクしてそんな妄言を吐かれた瞬間、俺は無意識のうちに通報した。

 

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