異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~   作:鬼怒藍落

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第92話:友達の妹との邂逅

 カイザーの家から少し離れたコンビニからの帰り道。

 お菓子やジュース他にもアイスなどを買いそれらが入った手提げ袋を腕にかけてなんとか記憶を手繰りながらも歩いて行く。

 

「あれだけ言って迷ったらやばいしな……」

 

 そんなことを一人呟きながらも、歩くこと数分。

 カイザーの家付近にやっと辿り着き、よかったと心底安堵しながらも進んでいたのだが……。

 

「……止めてください」

「おいおい、止めてくださいっつったって別にまだ何もしてないだろ?」

「こんな夜に可愛い女の子が一人だなんて危険だろ? 善意だって善意」

 

 カイザーの家に向かうための曲がり道、夜九時に差し掛かったこの時間に大学生ぐらいの男性二人組に絡まれるセーラー服の女子がいた。

 夜の暗闇の中ですら輝く紅い瞳に綺麗な黒髪。どことなく見覚えのあるその容姿……間違ってなければ多分この子は。

 そこまで思考を続けたところで俺は止めるためにも割って入っていった。

 

「おいあんたら、何してんだ」

「あ゛? なんだよ、お前も俺らが手を出すとか思ってんのか?」

 

 そいつらから感じる下卑た視線。

 異世界でも召喚獣の皆に向けられた事があることから、下心を理解して無意識のうちに守るようにして一歩前に出る。

 

「……貴方は?」

「出しゃばって悪い。でさこの子は友達の妹で、俺が送るから安心してくれ」

 

 写真だからうろ覚えだが、確かこの子はカイザーの妹でとても大切にしていると聞いている。現場に居合わせたのは偶然とはいえ、大事な友人の妹を危険に晒すわけにいかない。

 

「……おいおい、そんなひ弱そうな見た目のくせに正気かお前?」

「実はさぁ、知らないかもしれないけど俺らDランクの冒険者なんだわ。その辺の不審者どころか魔物からも守っちゃうぜ?」

 

 今この場に武器はないが、明らかに自分の力に自信を持ってるらしくそんなことを言う大学生達……この場からこの子を連れて逃げること自体は可能だが、あいつの家が近いし追いつかれたら厄介だ。

 

「なあさ、君もこいつよりは俺らの方が安心だろ? だから――」

「は? 兄さんの友達を馬鹿にする相手に着いていくわけがないでしょう? 脳みそ腐ってるんですか?」

 

 少女の口から出てきた罵倒。

 それに呆気にとられる大学生……だけどすぐに逆上したのか、

 

「なっ人が下手に出てれば、急になんだよ! 調子乗ってんじゃねーぞ!」

 

 そう言って、俺の後ろに少女に殴りかかってきたんだが……素人同然のその動きを見切れないなんてことは無く――。

 

「流石に暴力は不味いだろ」

 

 相手に対して和国で習った合気道のような動きを使ってそいつらの腕を掴み、そのまま地面に押し倒した。

 

「なぁこのままだと折れるぞ? どうする」

「いッ――なんで、こんな奴から抜け出せないんだよ!」

「――二人がかりだぞ!?」

「えっと結花(ゆいか)さんだよな? 警察呼べるか?」

「もう呼んでいます」

 

 前の世界の記憶ではあるが、この近くには交番があったわけだしすぐに人は来るだろう。とりあえず数分は抑えることを覚悟したんだが、抑えていると完全に血が上ったのか一人の手元に魔法陣が現れ――炎の魔法が結花さん目掛けて放たれた。

 

「【ウェポンサモン】ガイアハンマー」

 

 だけど、その魔法は――彼女が召喚しただろう大槌によってかき消されて、跡形もなく消え去った。そして、その大槌を抑えられている二人に向けて……。

 

「で――Dランクの冒険者なんですよね? 戦ってみますか?」

 

 その武器に込められるのは一目で分かる破壊の魔力。

 魔法を打ち消すという効果を持ってそうなその武器を向けられた二人は、戦意喪失したそうで完全に抵抗を止めた。

 そしてやってきた警察の方に二人を引き渡し、しばし無言が続く中……。

 

「お疲れ様です霊真さん、挨拶が遅れましたがいつも兄さんが世話になってます」

「こっちこそ、いつもカイザーには助けられてるからな。それとあんまり力になれなくてすまん」

「いえ……あの方々が魔法を使ったから出来た手段ではありますし、守ろうとしてくれたのは分かりますので」

 

 お互いに軽く謝りながらも、俺はカイザーの家に遊びに来ていたことを伝えて一緒にあいつの家に戻ることになった。

 近いということもあり、戻るまでの会話はあまりない。普通に家に入り、もう一度お邪魔しますと言って俺が洗面所を借りようとしたときだった。

 

「どーん! いっけーバァル!」

「まて小さきものよ! 我は乗り物ではない!」

「でも大きいよ? 肩車ー!」

「すまぬ師匠、遊んでやってくれ……」

 

 そんな騒がしい声が聞こえてきて、部屋に戻れば黒髪の子供を肩に乗せるバアルの姿が目に入った。

 

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